Android機種変更時の完全データ移行マニュアル｜写真もアプリも確実に引き継ぐ方法

機種変更前に準備すべきこと

データの引き継ぎ漏れや、ログインできないトラブルを防ぐため、以下のポイントを確認しておきましょう。

1. Googleアカウントの確認と同期状況の確認

AndroidではGoogleアカウントを通じて連絡先・カレンダー・Gmail・アプリ設定などのデータが同期されます。

• 【確認手順】設定 → アカウント → Google → 同期状態を確認
• 【ポイント】複数のGoogleアカウントがある場合は、どのアカウントにどのデータが紐づいているか把握しておくこと。

2. LINEなどのアプリごとの引き継ぎ設定

トーク履歴やアカウントが消えることのないよう、各アプリでの引き継ぎ準備を行います。

• 【LINE】設定 → アカウント引き継ぎ → 電話番号・パスワードの確認
• 【PayPay】Yahoo! JAPAN IDまたは電話番号でログインできるよう準備
• 【ゲームアプリ】データ連携（Google Play ゲーム、Twitter、Facebook など）を事前に設定

3. 2段階認証コードの移行

Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなど、2段階認証アプリはデータ移行されません。新端末に再設定が必要です。

• 【準備】QRコードなどで新端末に事前に移行するか、サービス側で再設定が必要か確認

4. SDカード・内部ストレージのバックアップ

写真、動画、音楽など容量の大きいファイルは、Googleフォトや外部SDカードにバックアップしておくと便利です。

• 【SDカード使用時】SDカードが新端末に対応しているか確認
• 【Googleフォト】高画質モードであれば無料でほぼ無制限に保存可能（※2021年6月以降は15GBまで）

5. Wi-Fi・Bluetooth・各種設定のメモ

• 自宅や職場のWi-Fiパスワードを再入力できるようにしておく
• Bluetooth接続しているスマートウォッチやイヤホンの再ペアリングも必要になるため、機器名をメモ

6. SIMロック解除の確認（旧端末を他社で使う場合）

旧端末を下取りに出さず、別の回線で使う場合はSIMロック解除を済ませておきましょう。

• 【確認方法】各キャリアのWebサイトでIMEIを入力して申請
• 【費用】2021年以降に販売された端末は原則SIMフリー

7. バッテリー残量・時間の確保

データ移行は1〜2時間かかることもあるため、旧・新両端末のバッテリーを十分に充電しておくか、電源を確保した状態で作業を行いましょう。

このような準備を事前に済ませておくことで、機種変更当日のトラブルを避け、安心して新しいAndroidスマホを使い始めることができます。

データ移行の主な方法と選び方

Androidスマホの機種変更時には、さまざまなデータ移行手段があります。それぞれに特徴があり、利用する環境や目的によって最適な方法が異なります。以下では、代表的な5つの方法とその選び方について解説します。

USBケーブルを使った直接接続

最も確実で失敗が少ない方法です。新旧のスマホをUSBケーブルで接続することで、写真や動画、連絡先、アプリ、設定まで一括で転送できます。対応機種同士であれば、ホーム画面の配置やウィジェットまで再現されることもあります。データ容量が大きくても高速かつ安定した転送が可能なため、初心者にもおすすめです。ただし、USB-C対応のケーブルが必要であり、充電専用ケーブルでは転送できないため注意が必要です。

ワイヤレス接続による移行

Wi-Fi経由でデータを移行する方法です。ケーブルが不要なため手軽に始められますが、周囲の電波状況によって通信が不安定になる場合があります。データ量が多いと転送時間が長くなる傾向があり、USB接続に比べるとやや時間がかかります。安定したWi-Fi環境が整っていれば、外出先でも移行ができる点がメリットです。

Googleアカウントによるクラウドバックアップ

Google Oneの自動バックアップを利用した方法です。旧端末で設定されたGoogleアカウントにログインすることで、連絡先、カレンダー、SMS、アプリ情報、設定などをクラウドから復元できます。事前にバックアップ設定が有効になっていることが前提ですが、端末が手元にない場合にも復元が可能です。無料で15GBまで利用できますが、容量超過時には有料プランへの切り替えが必要になります。

メーカー独自の移行アプリの活用

GalaxyのSmart SwitchやXperiaのXperia Transferなど、各メーカーが提供している専用アプリを利用する方法です。同じメーカー間であれば、より高い再現性でホーム画面や設定が復元されます。アプリによってはiPhoneからの移行にも対応しており、機種を問わず柔軟に利用できます。ただし、専用アプリのインストールや操作に多少の慣れが必要なケースもあります。

SDカードを使った手動移行

連絡先、写真、動画、音楽などをSDカードにコピーして移す方法です。クラウドを使いたくない人や、旧端末にしか保存されていないデータを保管する際に有効です。ただし、アプリや設定などは手動で再インストールが必要となり、手間がかかります。旧機種・新機種ともにSDカード対応である必要があるため、あらかじめ確認しておきましょう。

方法の選び方

• 初めての機種変更で失敗を避けたい人 → USBケーブル接続
• Wi-Fi環境が安定している人 → ワイヤレス接続
• 旧端末が使えない状態になった人 → Googleバックアップ
• 同じメーカーのスマホを使い続けている人 → 専用移行アプリ
• クラウドに頼りたくない人 → SDカード移行

自分の環境と目的にあわせて最適な方法を選ぶことで、Androidスマホの機種変更はストレスなく、確実に進められます。

移行できるデータとできないデータ一覧

Androidスマホの機種変更時に、すべてのデータがそのまま移行できるわけではありません。利用する移行方法やスマホのメーカーによっても再現性が異なります。以下に、一般的に移行できるデータと、手動対応や個別設定が必要なデータを一覧で整理しました。

一括移行が可能なデータ

手動引き継ぎや設定が必要なデータ

同一メーカーと異なるメーカーの違い

移行作業を始める前に、旧端末と新端末のメーカーの違いや、使用しているアプリの引き継ぎ可否を確認しておくことで、トラブルを最小限に抑えることができます。必要に応じてバックアップとログイン情報の整理を済ませてから作業に取りかかることをおすすめします。

Androidスマホ完全移行の具体的な手順

1. 新端末の初期設定とWi-Fi接続

新しいAndroidスマホの電源を入れると、言語設定やWi-Fiの接続画面が表示されます。Wi-Fiはアプリインストールやデータ移行時に大量の通信が発生するため、安定したネットワークに接続してください。SIMカードの挿入はこの段階で行わなくても問題ありませんが、モバイルデータ通信を使用する場合は挿入が必要です。

2. 「アプリとデータのコピー」画面の操作

セットアップ中に「アプリとデータのコピー」という選択画面が出ます。「次へ」をタップし、旧スマホを用意します。この画面はセットアップ完了後には表示されないため、データ移行の失敗を防ぐためにも最初のセットアップで確実に進めてください。

3. 旧スマホとの接続と認証

USB Type-Cケーブルで旧スマホと新スマホを接続します。旧スマホのロックを解除すると、「新しいデバイスにデータをコピーしますか？」という通知が表示されるので「コピー」を選択します。必要に応じてGoogleアカウントのパスワードも入力してください。

4. コピーする項目の選択

移行対象となるデータの一覧が表示されます。写真・動画・音楽・連絡先・通話履歴・SMS・アプリなど、基本的にはすべてにチェックが入った状態ですが、不必要なデータは手動で外すことも可能です。確認後「コピー」をタップして転送を開始します。

5. Googleサービス設定と同意

データコピーの進行中に「Googleサービス」画面が表示されます。バックアップ設定や位置情報、使用状況の送信設定などが含まれます。必要に応じてON/OFFを選び「同意する」をタップしてください。

6. アカウント・ロック解除・顔認証等のセットアップ

引き続き、Googleアカウントや画面ロック、顔認証・指紋認証などのセキュリティ設定を行います。これらはすべて後から設定変更が可能です。

7. データコピーの完了とアプリの自動インストール

「コピーが完了しました」と表示されたら、新旧スマホの接続を解除してかまいません。その後、ホーム画面が表示され、以前使っていたアプリが自動的にダウンロードされ始めます。Wi-Fi接続を維持したまま数分〜数十分待機してください。

8. 移行内容の確認

すべてのアプリがインストールされたら、写真・動画、連絡先、アプリのアイコン配置、ウィジェット、壁紙、設定項目などが以前のスマホと同じように再現されているか確認しましょう。同じメーカー間での移行であれば、レイアウトや設定の再現性が特に高いです。

9. 個別アプリの再ログインとデータ引き継ぎ

SNS・決済アプリ・ゲームなどはセキュリティの関係で自動ログインが無効になることがあります。アカウント情報を用意し、順番に手動ログインしてください。また、LINEなど一部のアプリは、別途バックアップ・復元操作をしておかないとトーク履歴などが消失します。データ移行の直前に必ず引き継ぎ操作を完了させてください。

10. SIMカードの入れ替えとAPN設定

SIMカードを旧スマホから取り出して新端末に挿入し、電源を入れます。モバイル通信ができない場合は、通信事業者のAPN設定が必要です。設定→ネットワークとインターネット→SIM→アクセスポイント名の順に進み、各キャリア指定の設定を入力してください。

このように、Androidスマホの完全移行は、各ステップを正確に踏めば誰でも自力で実施できます。特にUSBケーブルによる移行は精度が高く、短時間で完了するため、最もおすすめの方法です。

アプリごとの引き継ぎ方法

Androidスマホの機種変更では、アプリ自体は一括で移行されるものの、アプリ内のデータは個別に引き継ぎ作業が必要な場合があります。以下に代表的なアプリ別の引き継ぎ方法を紹介します。

LINEの引き継ぎ

LINEは個人情報やトーク履歴を含むため、必ず事前にバックアップと引き継ぎ設定を行ってください。

1. 旧スマホでの準備

• LINEを最新版にアップデート
• 「設定」→「トーク」→「トーク履歴のバックアップ」→Googleアカウントを選択しバックアップ
• 「アカウント」からメールアドレス・パスワードの登録
• 「アカウント引き継ぎ設定」をオン

1. 新スマホでの復元

• LINEをインストールしログイン
• GoogleアカウントとPINを使用してトーク履歴を復元
• スタンプや着せかえは「スタンプ管理」から再ダウンロード可能

電子マネーの引き継ぎ

モバイルSuicaや楽天Edyなどの電子マネーは、アカウントと紐づいたサーバー管理が基本です。

• Suica / PASMO
• 旧スマホでログアウトし、残高をサーバーに退避
• 新スマホで同じGoogleアカウントまたは会員情報で再ログイン
• 楽天Edy / WAON / nanaco
• 残高や履歴の移行は、公式アプリから「機種変更手続き」を実行
• 再発行扱いになるため、残高移行までに数日かかることもあり

ゲームアプリの引き継ぎ

ゲームごとに引き継ぎ方法が異なるため、事前確認が重要です。

• ポケモンGO：Google/Facebookアカウント連携で再ログイン
• モンスト / パズドラ：引き継ぎコードまたはIDとパスワードを発行
• ウマ娘 / プリコネR：DMMやApple ID、Googleアカウント連携で再開可能
• 引き継ぎIDの発行・引き継ぎ設定は旧端末側で事前に行う必要あり

SNS・ショッピングアプリの再ログイン

以下のアプリは再インストール後、IDとパスワードの手動入力が必要です。

• SNS系：Instagram、X（旧Twitter）、Facebook、Threadsなど
• ショッピング系：Amazon、楽天市場、メルカリ、Yahoo!ショッピングなど
• 金融・決済系：PayPay、楽天ペイ、銀行アプリ、証券アプリ

二段階認証が必要な場合もあるため、電話番号の切り替え前にログイン済みにしておくのがおすすめです。

アプリの引き継ぎは事前準備が鍵です。特にLINEや電子マネー、ゲーム系は、旧端末が手元にあるうちに設定・バックアップを済ませておくことでトラブルを防げます。ログイン情報のメモや確認も忘れずに行いましょう。

移行後のトラブル対処法と確認項目

モバイル通信ができない場合のAPN再設定

SIMカードを挿入してもインターネットに接続できない場合は、APN設定の不備が原因であることが多いです。設定アプリから「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名（APN）」を選択し、契約している通信事業者が指定する設定値を手動で入力してください。特に格安SIMやeSIMユーザーは、自動設定が適用されない場合があるため要注意です。

アプリが起動しない・ログインできない場合

データ移行後、一部のアプリでログイン情報が初期化されることがあります。SNSや銀行アプリ、決済アプリなどでは再ログインが必要です。旧端末で利用していたメールアドレスやパスワード、2段階認証用コードが必要になるため、事前に控えておきましょう。また、SMS認証を求められるケースもあるため、SIMカードの認識と通信確認も忘れずに行ってください。

データが見つからない・一部消失している場合

移行後に写真や連絡先、アプリ内データが一部欠損している場合、まずは以下を確認してください。

• GoogleフォトやGoogleドライブにバックアップされていないか
• LINEなどのアプリで独自の復元手順が完了しているか
• SDカードやクラウドの保存先にファイルが残っていないか

必要に応じて、旧端末から再転送するか、クラウドから手動復元を行うことで対処できます。

バッテリー異常や発熱、動作不良

機種変更直後はアプリの初期化や同期がバックグラウンドで多数実行されるため、一時的にバッテリー消費や発熱が増加することがあります。数日経過しても改善されない場合は、不要なアプリや同期設定の見直し、再起動、OSアップデートの確認を行ってください。それでも改善しない場合は初期化やメーカーサポートの利用を検討します。

セキュリティ設定や通知設定の引き継ぎ確認

機種変更後は、通知が届かない、画面ロックが甘くなったなど、設定の一部が初期化されていることがあります。以下の項目を確認してください。

• 通知設定（「設定」→「アプリと通知」→各アプリの通知オン/オフ）
• ロック画面のセキュリティ（PIN、パターン、指紋の再設定）
• Googleアカウントのログイン状況と同期項目
• 自動バックアップ設定（Google Oneなど）

これらの確認を怠ると、情報漏洩や通知漏れなどのリスクが高まります。

データ復元漏れを防ぐチェックリスト

1. モバイル通信・Wi-Fiの動作確認
2. 通話とSMSの送受信確認
3. Googleアカウントへのログイン状態
4. LINE・SNS・金融アプリのログインと復元確認
5. 写真・動画・連絡先の存在確認
6. おサイフケータイ・電子マネーの残高移行確認
7. アプリのインストール漏れチェック
8. 通知とセキュリティ設定の再確認

トラブルを最小限に抑えるため、移行後すぐにこのチェックリストをもとに確認作業を行うことが重要です。

よくある質問と注意点

機種変更時にデータが消えることはあるのか

アプリごとの個別対応を怠った場合や、バックアップが未完了のまま初期化を行った場合に消失するリスクがあります。LINEのトーク履歴や電子マネーの残高、ゲームのセーブデータは特に注意が必要です。

キャリアショップに頼むべきか、自分でやるべきか

キャリアショップでは2,000〜3,000円程度の料金が発生し、LINEやゲームアプリなどの個別引き継ぎは対象外であることが多いです。操作に不安がなければ、自分でGoogleアカウント・USBケーブル・バックアップアプリを使った移行がコストも抑えられ安心です。

eSIM利用者が注意すべき点

eSIMは物理的なSIMカードと異なり、再発行や再設定が必須です。旧端末で削除を済ませ、新端末でプロファイルのダウンロードを行わなければモバイル通信やSMS認証が使えなくなります。事前に通信会社のeSIM再発行手順を確認してください。

USBケーブルに関する注意点

データ移行には「データ通信対応」のUSB-Cケーブルが必要です。「充電専用」と明記された安価なケーブルでは認識されません。USB 3.1以上、両端がUSB-Cでかつ認証済みの製品が推奨されます。

Wi-Fi接続が不安定な場合の影響

データ復元中にWi-Fiが切断されると、Googleバックアップからの復元やアプリの再インストールが中断されることがあります。可能な限り5GHz帯のWi-Fiや安定した回線環境下で作業を行ってください。

アプリの配置やホーム画面が再現されない

同一メーカー間での移行では高い再現性が期待できますが、異なるメーカー間では壁紙、ウィジェット、アプリアイコンの位置などが初期化される場合があります。これはOSやUIの仕様差異によるもので、手動での再配置が必要になるケースもあります。

ゲームデータが消えた場合の対応

バックアップコードやアカウント連携が未設定だった場合、データの復旧はほぼ不可能です。移行前に各ゲーム内でのバックアップ設定、ID控え、SNSやGoogleアカウントとの連携が済んでいるか必ず確認してください。

Googleバックアップだけで十分か

Googleバックアップで移行できるのは、連絡先、通話履歴、SMS、アプリ一覧、Wi-Fi設定などです。写真や動画、音楽ファイルなど大容量データはGoogleフォトやSDカード、またはメーカー専用ツールでの併用が推奨されます。信頼性の高いバックアップ体制を構築することで、万一のトラブルに備えることができます。