ノートンセキュアVPNは必要か?用途別に向いている人・いない人



ノートンセキュアVPNの基本性能と特徴

ノートンセキュアVPNは、世界的なセキュリティ企業「ノートン」が提供する個人向けVPNサービスです。ウイルス対策ソフトで知られるノートンのブランド力とともに、セキュリティ機能に特化した設計が特徴です。

強力な暗号化とキルスイッチ搭載

ノートンセキュアVPNは、AES-256という軍事レベルの暗号化技術を採用しています。これは銀行や政府機関でも使用されている水準で、通信内容を第三者から完全に守ることが可能です。さらに、VPN接続が途切れた際に通信を遮断する「キルスイッチ」も搭載されており、不意の情報漏洩も防止できます。

ノートン360との連携による統合的セキュリティ

ノートンセキュアVPNは単体でも利用可能ですが、ノートン360シリーズと併用することで、ウイルス対策やファイアウォール、パスワードマネージャーなどと統合的に活用できます。これにより、セキュリティ管理が一元化され、特にITが苦手なユーザーでも扱いやすい設計となっています。

対応端末と同時接続台数の制限

対応OSはWindows、Mac、iOS、Androidと幅広く、基本的なデバイスでの利用に問題はありません。ただし、同時接続台数には制限があり、個人利用向けに1台版または3台版のプランが選択肢となります。家族や複数端末での併用を前提とする場合は不便に感じることがあります。

通信速度と接続の安定性にはやや難

複数のレビューによると、ノートンセキュアVPNの通信速度は他の大手VPNサービスと比較してやや遅めです。日常的なウェブ閲覧やメール利用には問題ないものの、高速通信を求める動画ストリーミングやオンラインゲームには不向きです。

安価な価格設定と長めの返金保証

価格は年間3,290円(1台版)からと比較的リーズナブルで、VPN初心者にとって導入しやすい料金体系です。また、返金保証期間は60日と業界でも長めに設定されており、初めてVPNを試す方でも安心して利用できます。

ノートンセキュアVPNは、必要最低限のセキュリティを確保したい個人ユーザー向けに、バランスの取れた機能を提供しています。高性能なVPNを求めるユーザーには物足りない面もありますが、コストと安全性の両立を重視する方には適した選択肢といえるでしょう。

ノートンセキュアVPNが必要な人とは?

ノートンセキュアVPNは、特定のニーズを持つユーザーにとって非常に有効なVPNサービスです。以下のような方には、ノートンセキュアVPNの導入を検討する価値があります。

公共Wi-Fiを日常的に利用している人

外出先でカフェや駅、空港などのフリーWi-Fiをよく利用する人は、通信内容が第三者に盗み見られるリスクが高くなります。ノートンセキュアVPNは、軍事レベルの暗号化技術(AES-256)を採用しており、こうした通信を強固に保護してくれます。キルスイッチ機能も搭載されており、接続が不安定になった際にも情報漏洩のリスクを最小限に抑えます。

ノートン360をすでに利用している人

ノートンセキュアVPNは、セキュリティソフト「ノートン360」に統合されているため、すでにノートン製品を使っている人にとっては導入の手間が少なく、設定もスムーズに行えます。ウイルス対策とVPNを一体で管理できるのは大きな利点です。

セキュリティを重視しつつもコストを抑えたい人

価格面でも、ノートンセキュアVPNは非常にリーズナブルです。1台用の年間プランで3,290円、3台用でも3,890円と他の有名VPNサービスに比べて安価に提供されています。返金保証期間も60日と長く、試用期間にじっくり判断することが可能です。

難しい設定を避けたい初心者

VPNに不慣れな初心者にとって、難解な設定や複雑なアプリはハードルとなります。ノートンセキュアVPNはノートンブランドならではのシンプルで直感的な操作画面を採用しており、特別な知識がなくてもすぐに使い始められます。自動接続や自動保護といった機能もあるため、設定ミスの心配も少なく安心です。

海外の動画視聴やP2Pに関心がない人

ノートンセキュアVPNは、ジオブロック解除やトレント通信に最適化されていないため、これらの用途を重視する方には向いていません。しかし、Web閲覧やネットショッピング、銀行取引など、日常的なネット利用を安全に行いたいという目的であれば、十分に対応可能です。

以上のように、ノートンセキュアVPNは「普段使いのネット環境を安全に保ちたい」「コストは抑えつつ、セキュリティも妥協したくない」というユーザーに向いています。全方位型ではありませんが、限定的なニーズにはしっかり応えてくれるVPNです。

ノートンセキュアVPNが不要なケース

ノートンセキュアVPNは、セキュリティ特化型のVPNとして一定の評価を得ていますが、すべてのユーザーに最適とは限りません。以下のような利用目的や環境に該当する方には、他のVPNサービスの方が適している可能性があります。

海外動画配信サービスの視聴が主目的の方

NetflixやDisney+などの海外限定コンテンツを視聴したい場合、ノートンセキュアVPNではジオブロック(地域制限)の解除に対応していないケースが多く報告されています。対応サーバーの設置国数も29カ国と少なく、選択肢が限られるため、動画視聴を主目的とするユーザーには向いていません。

中国や中東など検閲の厳しい国での利用

中国やイランなど、政府によるネット検閲が行われている国では、ノートンセキュアVPNが接続できない、または非常に不安定になることがあります。検閲回避を目的にVPNを利用する場合は、検閲対策に強い専業VPN(例:ExpressVPN、NordVPN)の利用が推奨されます。

通信速度や応答性を重視する用途

オンラインゲーム、動画配信、ライブストリーミング、リモートワークなど、通信速度や遅延の少なさが重要な用途においては、ノートンセキュアVPNの通信速度に対する不満が複数のユーザーから挙がっています。サーバー性能や最適化の面で、より高速なVPNサービスを選ぶ方が満足度は高くなります。

P2Pやトレント利用を前提とする方

ノートンセキュアVPNでは、トレントやP2P通信がサポートされていません。これらの用途にVPNを活用したい場合、P2Pフレンドリーかつノーログポリシーを採用しているVPNを選ぶ必要があります。

同時接続台数を多く求める家庭や法人利用

ノートンセキュアVPNは1台または3台までの接続に制限されているため、家族全員や複数の端末で利用したい方には不向きです。8台以上の同時接続が可能なVPNも存在するため、利用環境に応じた柔軟なプランを選べる他社サービスの方が利便性が高いです。

プライバシー保護を最優先するユーザー

ノートンセキュアVPNは明確なノーログポリシーが公表されておらず、完全な匿名性を求めるユーザーにとっては不安要素となり得ます。匿名性やプライバシー重視でVPNを選ぶのであれば、ログを一切保持しないと公言しているVPN(例:NordVPN、Surfshark)の方が適しています。

このように、VPNの用途や重視するポイントによっては、ノートンセキュアVPNでは満たせないニーズも存在します。目的に合ったVPNを選ぶことが、満足度の高い利用につながります。

実際の評判と利用者の声から見る評価

ノートンセキュアVPNの評価は、利用者のニーズによって大きく分かれています。特にセキュリティ面の安心感を評価する声がある一方で、通信速度や利便性に不満を持つ意見も少なくありません。

セキュリティへの信頼感が高い

多くの利用者が「公共Wi-Fiでも安心して使える」「定期的な自動チェックがありがたい」といった点を評価しています。ノートン社のセキュリティソフトと連携して使っているユーザーからは、「ノートンならではの堅牢な防御力が心強い」といったコメントも見受けられます。

また、VPN接続が途切れた際に自動で通信を遮断するキルスイッチ機能の存在が「非常に心強い」との声もあり、セキュリティを重視するユーザーからの支持は高い傾向です。

通信速度や利便性には不満も

一方で、日常的なネット利用や動画視聴を目的とするユーザーからは「通信速度が遅くて使いにくい」「VPNをオンにすると一部サイトにアクセスできない」などの不満が見られます。特にNetflixやAmazonプライム・ビデオといった動画配信サービスの視聴ができなかったという報告が目立ちます。

また、「中国では接続できなかった」「速度が不安定」といった国や環境による制限に対する不満もあり、海外出張や留学用途では慎重な選定が必要です。

サポートやUIの評価は中立的

サポートに関しては「問い合わせへの対応が遅くはないが、やや手順が複雑」という意見があり、決して悪いわけではないものの、他の大手VPNサービスと比較するとやや手間取る印象を持つ人もいます。また、UI(ユーザーインターフェース)については「シンプルで迷いにくい」との評価がある反面、「自宅LANに警告が出て不安になった」といった声も見られ、使い方によってはストレスを感じることもあるようです。

総評

ノートンセキュアVPNは、「セキュリティ重視でVPN初心者の人」や「ノートン360を既に使っている人」にとっては好意的な評価が多い一方で、「高速通信を必要とする人」や「VPNを使って多目的に活用したい人」には物足りなさがあるという評価に分かれます。利用目的にマッチすれば非常にコストパフォーマンスの良い選択肢と言えます。

ノートンセキュアVPN以外のおすすめVPNサービス

ノートンセキュアVPNはセキュリティ面で安心できる反面、通信速度やジオブロック解除には不向きです。より多用途で快適に使えるVPNを求める方には、以下のようなサービスをおすすめします。

ExpressVPN|高速通信とグローバル対応を求める方に最適

  • 通信速度と安定性がトップクラス
    大手メディアや専門レビューサイトでも常に上位評価。ストリーミングやオンラインゲームにも最適です。
  • 広範なサーバーネットワーク
    105カ国以上に3,000台以上のサーバーを設置しており、Netflix・Disney+・BBC iPlayerなど海外サービスの視聴にも強みがあります。
  • ノーログポリシーと強固な暗号化
    プライバシー保護を徹底しており、政府機関やISPからの追跡を防げます。
  • 日本語サポート対応・直感的なUI
    初心者でも簡単に設定でき、万が一のときのサポート体制も安心です。

NordVPN|価格と機能のバランスを重視するなら

  • リーズナブルな長期契約プラン
    2年プランでは1ヶ月あたり373円と、業界でもコストパフォーマンスは非常に高いです。
  • 7,000台以上のサーバーと豊富なロケーション
    118カ国に対応しており、海外渡航者や在宅ワーカーにもおすすめです。
  • セキュリティ機能が充実
    脅威対策機能「Threat Protection」やダブルVPN機能など、ノートンにはない多層防御が可能です。
  • 10台まで同時接続可能
    家族利用や複数端末での活用に向いています。

1位

NordVPN

NordVPN

本拠地パナマ
月額料金最低価格1,960円
年額料金最低価格10,350円
無料体験○30日間
VPNサーバー台数6,327台以上
VPNサーバー設置国数111カ国
対応OSWindows、macOS、Linux、Android、iOS、Chrome、Firefox、Edge、tvOS

NordVPNがおすすめの理由

NordVPNがおすすめの理由は「圧倒的なサーバー台数・サーバー設置国の多さ」「マルウェア検知などのセキュリティ」「最大10台の利用」です。

NordVPNは、サーバー設置台数で業界1位、2位を争う世界標準のVPNサービスです。圧倒的なサーバー台数・サーバー設置国が多く、安定した通信速度でVPN利用ができます。暗号化による保護、マルウェア対策、広告ブロックなどのセキュリティも万全です。

さらに最大10台まで利用できるため、多くのデバイスをお持ちの方やご家族での利用などのシチュエーションで活躍します。

デメリットは、高機能な分、若干料金が高い点です。

ポイント圧倒的なサーバー台数・サーバー設置国の多さで安定・高速通信
本拠地パナマ
月額料金最低価格1,960円
年額料金最低価格10,350円
プラン別の月額料金ベーシック:1,960円
プラスワン:2,110円
コンプリート:2,260円
プラン別の年額料金ベーシック:10,350円
プラスワン:12,450円
コンプリート:14,700円
無料体験○30日間
VPNサーバー台数6,327台以上
VPNサーバー設置国数111カ国
対応OSWindows、macOS、Linux、Android、iOS、Chrome、Firefox、Edge、tvOS
同時接続台数ベーシック:6(プラスワン:10、コンプリート:無制限)
ノーログポリシー
セキュリティマルウェア保護、トラッカーと 広告ブロッカー、クロスプラットフォーム対応のパスワー ド管理アプリ、情報漏えいスキャナー、1TBの暗号化されたクラウドストレージ
サポートライブチャット、メール
日本語対応

MillenVPN|日本国内サービスとの相性を重視する方へ

  • 日本企業が提供する信頼性の高いVPN
    日本語のサポートはもちろん、国内サービスとの親和性が高く、AbemaTVやTVerにも強いです。
  • 固定IPアドレスやP2P対応オプションあり
    ビジネス利用やトレント用途にも対応可能です。
  • 30日間の返金保証付き
    万が一合わなかった場合でもリスクなく試せます。

2位

MillenVPN

アズポケット

本拠地日本
月額料金最低価格1,738円
年額料金最低価格7,128円
無料体験○30日間
VPNサーバー台数1,300台以上
VPNサーバー設置国数72カ国
対応OSWindows、macOS、Android、iOS

MillenVPNがおすすめの理由

MillenVPNがおすすめの理由は「日本のVPNサービス」「月額396円と激安」「中国、ロシアからアクセス可能」という点です。

MillenVPNの最大のメリットは、日本の国産VPNですので、日本人には使い方もわかりやすく、サポートも安心して利用できるVPNサービスです。さらに月額396円(税込)~と格段に月額料金が安く、さらに一回限りの利用のワンタイムプランも最短7日から利用できるため、短期の旅行でも活躍するVPNサービスとなっています。

さらに中国やロシアからVPNを通して、日本のVODサービスなども利用することが可能です。

デメリットは、サーバー台数が世界企業のVPNサービスと比較すると少ない点です。

ポイント日本国産のVPNで使い勝手抜群。月額396円と料金も激安
本拠地日本
月額料金最低価格1,738円
年額料金最低価格7,128円
プラン別の月額料金7日プラン:638円
15日プラン:1,078円
30日プラン:1,738円
プラン別の年額料金1年プラン:7,128円
2年プラン:9,504円
無料体験○30日間
VPNサーバー台数1,300台以上
VPNサーバー設置国数72カ国
対応OSWindows、macOS、Android、iOS
同時接続台数10台
ノーログポリシー
セキュリティ通信の盗聴や改ざん防止、金融機関レベルの高度なセキュリティ、暗号化通信など
サポートメール
日本語対応

それぞれのVPNには得意分野があります。ノートンセキュアVPNがカバーしきれない動画視聴、トレント利用、高速通信、匿名性の確保といったニーズに合わせて、上記のサービスを比較検討することをおすすめします。

結論|ノートンセキュアVPNは「限定用途向け」

ノートンセキュアVPNは、セキュリティ特化型のVPNとして「限定的な用途」には適しています。とくにフリーWi-Fi利用時の情報漏えい防止や、ノートン360と組み合わせたセキュリティ強化を重視するユーザーには安心して利用できるサービスです。

しかし、ジオブロック解除や高速通信、多用途対応といった「多機能性」を求めるユーザーにとっては不向きな面が目立ちます。NetflixやDisney+などの海外配信サービス視聴、トレント利用、中国などの検閲国での使用、複数端末による同時接続など、一般的なVPNの活用シーンにおいては対応力に限界があります。

価格が安価で返金保証も60日と長いため、必要最低限のセキュリティ対策を講じたい初心者には十分な選択肢です。一方で、通信速度や安定性、使い勝手、匿名性を重視するなら、ExpressVPNやNordVPNといった他の専業VPNサービスの利用を検討するべきです。

VPNに何を求めるのかを明確にし、「セキュリティ対策だけでよいのか」「それ以上の用途も期待するのか」を基準に判断することが重要です。ノートンセキュアVPNは万能型ではなく、あくまで用途を絞って使うことで真価を発揮するVPNといえます。