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目次
AirDropとは?基本の仕組みと対応デバイス
AirDrop(エアドロップ)は、Apple(アップル)が提供する近距離無線通信機能で、ケーブルやインターネット回線を使わずにデータを送受信できる便利な仕組みです。iPhoneやiPad、Macなど、Apple製デバイス同士であれば簡単な操作で写真・動画・書類などを共有できます。
AirDropの基本仕組み
AirDropは主に「Bluetooth」と「Wi-Fi」の2つの通信技術を組み合わせて動作します。
- Bluetooth:近くのデバイスを検出し、接続相手を見つけるために使用します。
- Wi-Fi(ピアツーピア通信):検出後はWi-Fiを使って直接データを転送します。これにより、インターネット回線やモバイルデータ通信を消費せずに、高速かつ安全にファイルをやり取りできます。
この2段階の仕組みにより、AirDropは数メートル以内の距離であれば、複数のデバイス間でも安定して通信できるのが特徴です。
対応しているデバイス
AirDropはApple製品限定の機能であり、以下のデバイスで利用できます。
- iPhone:iPhone 5以降(iOS 7以降)
- iPad:第4世代以降、iPad mini以降、iPad Airシリーズ、iPad Proシリーズ
- Mac:OS X Yosemite以降を搭載したMac(2012年以降のモデル)
- iPod touch:第5世代以降(iOS 7以降)
それぞれの機器でAirDropを使うには、BluetoothとWi-Fiがオンになっていることが前提条件です。なお、AndroidスマートフォンやWindows PCでは利用できません。
送受信できるデータの種類
AirDropでやり取りできるファイル形式は幅広く、日常的なデータ共有をカバーします。
- 写真・動画(カメラロール内のデータ)
- 連絡先やメモ
- Webページ(Safariから共有可能)
- ファイルアプリ内のドキュメント
- 音声メモ、位置情報、PDFファイル など
アプリによっては、AirDropの共有メニューが表示されない場合がありますが、「共有」ボタンのあるアプリであれば、基本的にAirDropを利用できます。
安全性とプライバシー保護
AirDropは暗号化された通信を採用しているため、第三者がデータを傍受することは極めて困難です。また、設定で「受信しない」「連絡先のみ」「すべての人(10分間のみ)」を選べるため、不特定多数からのファイル送信を防ぐことも可能です。プライバシーを重視した使い方をすれば、安全にデータ共有が行えます。

AirDropはシンプルだけど奥が深い機能なんです。仕組みを理解しておくと、いざ“できない”ときに原因をすぐ見つけられますよ
AirDropできないとき最初に確認すべき設定項目
AirDrop(エアドロップ)は、設定が少しでもずれていると簡単に通信できなくなることがあります。送る側・受け取る側のどちらか一方に設定ミスがあるだけでも機能しないため、まずは基本設定を順に確認していくことが大切です。
Wi-FiとBluetoothをONにする
AirDropはWi-FiとBluetoothの両方を使って通信します。どちらか一方でもオフになっていると、デバイスを検出できません。
確認手順は以下のとおりです。
- 設定アプリを開く
- 「Wi-Fi」を選択し、スイッチをONにする
- 続けて「Bluetooth」を開き、スイッチをONにする
また、機内モードがONになっていると通信が無効になるため、必要に応じて解除しましょう。コントロールセンターからの確認でも構いません。
インターネット共有(テザリング)をOFFにする
iPhoneでインターネット共有(テザリング)を有効にしていると、AirDropが動作しないことがあります。
確認手順は次のとおりです。
- 設定アプリを開く
- 「モバイル通信」→「インターネット共有」を選択
- 「ほかの人の接続を許可」のスイッチをOFFにする
テザリングがオンのままだと、Wi-Fi接続が別の機能に割り当てられてしまうため、必ずオフにしておきましょう。
AirDropの受信設定を確認する
受信側のAirDrop設定が「受信しない」になっていると、相手のデバイスに表示されません。
設定を開いて、受信可能なモードに変更します。
- 設定アプリ → 「一般」 → 「AirDrop」
- 「連絡先のみ」または「すべての人(10分間のみ)」を選択
なお、「連絡先のみ」を選んだ場合は、送信相手の連絡先がiCloudに登録されている必要があります。登録されていない場合は、一時的に「すべての人(10分間のみ)」を選ぶと確実です。
iCloudにサインインしているか確認する
AirDropの「連絡先のみ」モードでは、iCloudを利用して連絡先情報を照合します。そのため、送受信のどちらかがiCloudにサインインしていないと通信できません。
確認方法は次のとおりです。
- 設定アプリを開く
- 画面上部の「[ユーザー名]」をタップ
- サインインしていない場合は「iPhoneにサインイン」を選び、Apple IDとパスワードを入力
iCloudにサインインしておくことで、AirDrop以外のデータ共有(メモ、写真など)もスムーズに行えます。
受信側の画面をスリープさせない
意外に多いのが「画面が消えている(スリープ状態)」のまま待っているケースです。
AirDropは画面がロックされていると、相手にデバイスが検出されにくくなります。受信時は画面をオンにして、AirDropウィンドウを開いた状態にしておきましょう。
コントロールセンターで素早く再設定する
設定アプリを開かなくても、コントロールセンターから簡単に確認できます。
画面右上から下へスワイプし、ネットワーク設定パネル(飛行機アイコン付近)を長押しします。
その中にある「AirDrop」をタップし、受信設定を変更できます。再設定するだけで通信が回復することもあります。

こうした基本設定の確認を怠ると、複雑なトラブルに見えても実は単純な設定ミスだったということが多いです。焦らず順番にチェックしてみてくださいね
距離・電波干渉・環境の影響と対処
AirDrop(エアドロップ)は、Wi-FiとBluetoothを組み合わせてデータを直接転送する仕組みです。そのため、距離や周囲の電波環境が悪いと、接続が不安定になったり、送受信自体が失敗することがあります。ここでは、物理的な要因による通信不具合の原因と解決策を詳しく解説します。
デバイス間の距離が離れすぎている
AirDropは「近距離無線通信」を利用しており、推奨される距離は9〜10メートル以内です。壁や家具が間にあると、通信が途切れることがあります。特に以下のような状況では注意が必要です。
- 隣の部屋やフロアをまたいで送ろうとしている
- ドアや壁に金属製やコンクリート素材が含まれている
- デバイスの向きが逆でアンテナ位置が遮られている
対処法
- なるべく同じ部屋で、見通しの良い位置にデバイスを近づける
- 送信側と受信側を平面に置き、向きを合わせる
- ケースやカバーを外してみる(磁気・金属素材のケースは電波を妨げることがあります)
電波干渉による通信不良
AirDropが利用するBluetoothとWi-Fiは、主に2.4GHz帯の電波を使用しています。したがって、同じ周波数帯の機器が近くにあると、干渉によって通信が不安定になることがあります。特に以下のような機器は要注意です。
- Wi-Fiルーター、モバイルルーター
- 電子レンジ、IH調理器
- ワイヤレスイヤホン、Bluetoothスピーカー
- ワイヤレスマウスやキーボード
対処法
- ルーターや電子レンジなど電波源から離れた場所でAirDropを使う
- 他のBluetooth機器の電源を一時的に切る
- ルーターの設定でWi-Fiの周波数を5GHz帯に切り替える(対応機種のみ)
遮蔽物や環境要因による影響
通信の妨げになるのは距離や電波干渉だけではありません。物理的な遮蔽物や周囲の環境も通信品質を左右します。
- 壁や家具:特に鉄骨や金属部材を含む構造物は電波を通しにくい
- 混雑した場所:多数のデバイスが同じ周波数帯を使用していると、干渉が増える
- 屋外での使用:風や湿度の変化によって電波が減衰することもある
対処法
- 障害物を避け、できるだけ見通しのよい位置で操作する
- 電波が混雑する場所(イベント会場や駅など)では、他の手段(iCloud共有など)も検討する
- 屋外では天候条件にも注意し、安定した場所で送受信を行う
一時的な電波ノイズをリセットする
環境を整えても改善しない場合は、ネットワーク関連のリセットを試すのも有効です。
- Wi-FiとBluetoothを一度OFFにしてから再度ONにする
- 「設定」→「一般」→「転送またはデバイスをリセット」→「ネットワーク設定をリセット」
- デバイスを再起動してAirDropを再試行する
これにより、キャッシュや古い接続情報がクリアされ、通信の安定性が向上するケースがあります。

距離や環境の影響を見落としがちですが、AirDropは“近距離通信”であることを意識するだけで多くのトラブルを防げます。デバイスを近づけて、周囲の電波を整理してから再送信してみてください。
ファイルサイズ・形式・ストレージ空き容量の確認
AirDropがうまく送受信できないときは、通信設定以外にも「ファイルサイズ」「ファイル形式」「ストレージ容量」に問題があるケースが少なくありません。これらの要素は、見落とされやすい原因のひとつです。
大容量ファイルは分割・圧縮で送る
AirDropは基本的に数GB規模のファイルでも転送可能ですが、ファイルが大きすぎると転送中に通信が不安定になり、途中で止まることがあります。特に高画質動画や複数の画像を一括送信する場合は注意が必要です。
以下の対処法を試してみてください。
- 動画をトリミングして短くする
- ZIP形式で圧縮してから送信する
- 写真や動画を数回に分けて送る
圧縮には、iPhoneなら「ファイル」アプリでZIP圧縮が可能です。Macの場合もFinderで右クリック→「圧縮」を選ぶだけでOKです。分割して送信することで通信負荷を下げ、失敗を防げます。
受信側デバイスの空き容量を確認
AirDropで受信できない大きな理由のひとつが「ストレージ不足」です。受信側の空き容量が足りないと、ファイルを受け入れられません。
確認手順は次の通りです。
- iPhone・iPadの場合:「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」
- Macの場合:Appleメニュー →「このMacについて」→「ストレージ」タブ
空き容量が少ない場合は、不要な写真・アプリ・動画を削除するか、iCloudなどのクラウドストレージに移動して容量を確保しましょう。
特に4K動画やLive Photosなどは1つあたりの容量が大きいため、知らないうちにストレージを圧迫していることがあります。
非対応形式ファイルの送信に注意
AirDropはApple製アプリで扱える形式を中心に対応しています。たとえば、以下のようなファイルはうまく送れない、または開けない場合があります。
- Windows専用の実行ファイル(.exeなど)
- 一部の特殊な拡張子(.rar、.isoなど)
- DRM(著作権保護)付きコンテンツ
これらのファイルはAirDropではなく、iCloud Driveや共有リンク、USBケーブル経由の転送を利用するのが確実です。
また、送信先がアプリ未対応の形式の場合、受信後に開けないこともあるため、あらかじめ互換性を確認しておきましょう。

ファイルが送れないときは、通信設定だけでなく「容量」と「形式」も疑うのがコツです。特に受信側のストレージ不足は見落としやすいので、送信前に確認しておくとトラブルを防げますよ
OS/ソフトウェアの不具合・アップデートによる影響
AirDrop(エアドロップ)が突然使えなくなった場合、ハードウェアや設定の問題ではなく「OSやソフトウェアの不具合」が原因のことがあります。特に、iOS・iPadOS・macOSのアップデート直後や、異なるバージョンのデバイス間で送受信を行う際に発生しやすいのが特徴です。
OSバージョンの差異による接続トラブル
AirDropは、OSの仕様変更によって通信プロトコルや認証方法が更新されることがあります。そのため、古いiOSやmacOSを使っていると、最新バージョンの端末とうまく通信できないケースがあります。
特に次のような状況では注意が必要です。
- iOS 16以前とiOS 17以降のデバイス間でAirDropが認識されない
- macOS Monterey以前のMacが、最新iPhoneを検出できない
- アップデート後にAirDropの共有設定が初期化されている
このような場合は、送信側・受信側の両方を最新バージョンに更新することで解消することが多いです。
最新アップデートの適用方法
OSのアップデートは、Appleが提供するバグ修正や通信安定化のための重要な対応です。更新の確認は以下の手順で行います。
iPhone/iPadの場合
- 「設定」を開く
- 「一般」をタップ
- 「ソフトウェアアップデート」を選択
- 「今すぐインストール」をタップ
Macの場合
- 画面左上のAppleメニュー()をクリック
- 「システム設定」>「一般」>「ソフトウェアアップデート」を選択
- 利用可能なアップデートがあれば「今すぐアップデート」をクリック
アップデート後は再起動を行い、再度AirDropを試してみましょう。
アップデート直後の一時的な不具合
アップデート直後には、AirDropの設定ファイルや通信キャッシュが一時的に不安定になる場合があります。送信・受信の設定を一度オフにして再度オンに切り替える、または再起動することで改善されることがあります。
もしそれでも解消しない場合は、以下を試してみてください。
- 「ネットワーク設定のリセット」(Wi-FiやBluetoothの設定を再構築)
- 「AirDropの受信設定」を「すべての人(10分間のみ)」に変更して再接続
- 一度Apple IDからサインアウト→再サインインしてiCloud連携を再構成
バグ発生時の回避策
アップデート後に特定の機種でAirDropが動作しない事例は、Apple公式フォーラムやニュースで報告されることがあります。正式な修正版が配信されるまでの間は、以下の代替手段を使うのも有効です。
- iCloud共有リンクでファイルを送信
- メッセージアプリ経由で共有
- USBケーブルで直接転送(MacとiPhone間など)
AirDropに限定せず、Apple純正の共有機能を組み合わせて利用することで、一時的な不具合に影響されずにデータをやり取りできます。

OSやソフトウェアのアップデートは、AirDropの安定性に直結します。古いままにしておくと、相性やセキュリティの問題が起きやすいんですよ。特にメジャーアップデートの後は、必ず再起動と設定確認をセットで行うのがおすすめです
ネットワーク設定のリセットとキャッシュクリア
AirDropがうまく動作しない場合、内部のネットワーク設定や通信キャッシュが原因になっていることがあります。BluetoothやWi-Fiを使うAirDropでは、通信経路の不整合やキャッシュの蓄積によって送受信が不安定になることがあるため、ネットワーク設定のリセットやキャッシュのクリアを試すことが効果的です。
ネットワーク設定をリセットする方法(iPhone/iPad)
ネットワーク設定をリセットすると、Wi-FiやBluetooth、VPN、モバイル通信の設定が初期化されます。通信エラーや接続不良を一度リフレッシュすることで、AirDropの検出・接続が改善するケースが多いです。
手順
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「転送またはiPhoneをリセット」を選択
- 「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」をタップ
- パスコードを入力して実行
リセットが完了すると端末が再起動し、通信設定が初期状態に戻ります。
その後、以下の項目を再設定してください。
- 使用していたWi-Fiネットワークへの再接続
- Bluetooth機器との再ペアリング
- VPNやプロキシ設定の再構成
ネットワーク設定をリセットすると、保存していたWi-FiパスワードやVPN構成も消去されます。重要な情報は事前にメモを取っておくと安心です。
Macでネットワーク関連をリフレッシュする方法
Macには「ネットワーク設定をリセット」という項目はありませんが、以下の操作で同等のリセット効果を得られます。
- ネットワーク設定ファイルの削除
Finderで「/Library/Preferences/SystemConfiguration/」を開き、com.apple.airport.preferences.plist
、NetworkInterfaces.plist
、preferences.plist
をバックアップ後に削除して再起動します。 - Bluetoothの再起動
ターミナルでsudo pkill bluetoothd
を実行するとBluetoothプロセスが再起動されます。 - VPN/プロキシ設定を無効化
「システム設定」→「ネットワーク」→「詳細設定」でプロキシ項目をすべてオフにします。
通信キャッシュのクリアとリフレッシュ方法
AirDrop自体にはキャッシュ削除機能はありませんが、通信系のキャッシュをリフレッシュすることで安定することがあります。
iPhone/iPadの場合
- 端末を再起動する
一時的なキャッシュや通信プロセスをリセットできます。 - 機内モードのオン/オフ切り替え
通信回線を一度遮断することで、Wi-Fi/Bluetoothの再接続がスムーズになります。 - Wi-Fi/Bluetoothを一時オフ→再オン
コントロールセンターや設定から再切り替えすることで、接続情報を更新できます。
Macの場合
- DNSキャッシュのクリア
ターミナルで以下を実行します。
sudo dscacheutil -flushcache sudo killall -HUP mDNSResponder
これによりネットワーク通信やAirDrop検出に関わるキャッシュが初期化されます。
リセット後に確認すべきポイント
- Wi-Fiを再接続し、Bluetoothを再度オンにする
- AirDropの受信設定を「すべての人」または「連絡先のみ」に設定
- 受信側の画面をスリープさせず、2〜3m以内で再試行
- VPNやインターネット共有はすべてオフにする
これらを行うことで、通信環境が初期化され、AirDropの送受信が再び安定するケースが多いです。

ネットワーク設定をリセットすると、通信の土台が一度まっさらになります。再設定は少し手間ですが、固まった通信経路をリセットする最も確実な方法です。焦らず、一つずつ設定を戻していきましょう
特殊な制限設定やセキュリティ設定が邪魔しているケース
AirDropが正常に動作しない原因の中には、ユーザーの意思とは関係なく設定上の「制限」や「セキュリティ機能」によって通信がブロックされているケースもあります。特に、企業・学校などで配布された端末や、スクリーンタイムによる制限が有効になっている場合は注意が必要です。
スクリーンタイムによる「コンテンツとプライバシーの制限」
iPhoneやiPadの「スクリーンタイム」機能では、利用できるアプリや機能を細かく制限できます。AirDropも対象機能の一つで、保護者設定や自己管理のために制限されていると送受信ができません。
確認手順は次の通りです。
- 「設定」アプリを開く
- 「スクリーンタイム」をタップ
- 「コンテンツとプライバシーの制限」を選択
- 「許可されたアプリ」または「AirDrop」がオフになっていないか確認
もし「AirDrop」がオフになっている場合は、スイッチをオンに切り替えましょう。パスコードが設定されている場合は解除が必要です。
一度設定をオフにして再度オンにすることで、内部設定の不具合が解消される場合もあります。
企業・学校などのMDM(モバイルデバイス管理)設定
会社や教育機関から貸与されているiPhoneやiPadには、「MDM(モバイルデバイス管理)」と呼ばれるシステム管理機能が入っている場合があります。
この設定により、管理者がセキュリティポリシーとしてAirDropの使用を制限しているケースがあります。
以下のような場合はMDMの影響が考えられます。
- AirDropの設定項目がグレーアウトして変更できない
- 「AirDropを許可されていません」などの表示が出る
- BluetoothやWi-Fiの設定も変更できない状態になっている
この場合は個人で設定を解除することはできません。管理者に問い合わせて、ポリシーの変更や一時的な許可を依頼する必要があります。
VPNやプロキシ設定の影響
VPN(仮想プライベートネットワーク)やプロキシ設定を有効にしていると、AirDropの通信がうまく確立できないことがあります。AirDropはApple独自のピアツーピア通信(Wi-Fi直結)を使うため、VPNによって通信ルートが変更されると検出に失敗することがあります。
一時的にVPNをオフにして再試行してみましょう。
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「VPNとデバイス管理」を選択
- 使用中のVPNがオンになっていれば、一度オフに切り替える
VPNアプリをインストールしている場合は、アプリ内でも無効化してください。
また、セキュリティアプリや広告ブロッカー系アプリがネットワークを監視しているとAirDropを妨げるケースもあります。
ファイアウォールやセキュリティアプリの干渉
Macを使っている場合は、macOSのファイアウォール設定がAirDropを妨げることもあります。
- 「システム設定」→「ネットワーク」→「ファイアウォール」
- ファイアウォールがオンの場合、「受信接続をすべてブロック」が有効になっていないか確認
- 「AirDrop」または「Finder」がブロック対象になっている場合は許可リストに追加
企業PCの場合はセキュリティソフト(ESET、McAfeeなど)がローカル通信を制限している場合もあります。その際は、セキュリティソフトの一時停止またはネットワーク保護の一時解除で動作を確認します。

AirDropが動かない時って、つい機器の不具合を疑いがちですが、実は設定の「制限」や「セキュリティ保護」がブロックしていることも多いんです。特にMDMやVPNを使っている方は要注意ですよ。いったん無効化して試すだけでも解決するケースが多いです!
どうしても送れないときの代替手段と補足対策
AirDropを何度試しても送れない場合、設定や通信環境の見直しだけでは解決しないケースもあります。特に、デバイスの制限やOSの互換性、電波状況などが関係している場合には、別の手段を使ってデータを共有するほうが確実です。ここでは、AirDropが使えないときに役立つ代替方法と補足対策を紹介します。
iPhone・Macユーザー向けの代替共有方法
AirDropが動作しない場合でも、Appleデバイスには複数のファイル共有手段があります。
- iCloudリンク共有
写真や動画をiCloudにアップロードし、「リンクを共有」することで、受信側はSafariなどから簡単にアクセスできます。特に大容量ファイルを送りたいときに便利です。 - メール添付またはメッセージ送信
小さなファイルであれば、メールやiMessage経由でも問題なく送信できます。iCloudメール以外でもGmailやOutlookなどのアプリを利用すれば安定して転送できます。 - Macの場合:AirDrop代替アプリの活用
「Snapdrop」「SHAREit」「Send Anywhere」など、ブラウザベースで動作するアプリを利用すれば、Wi-Fi経由でデータを共有できます。Apple以外のデバイスともやり取り可能です。
Android・Windowsとの共有に使える手段
AirDropはApple専用の機能のため、AndroidスマホやWindows PCには対応していません。異なるOS間でデータを送る場合は、次の方法が有効です。
- LINEやGoogleドライブなどのクラウド共有
複数端末でアクセスでき、ファイル形式の制限も少ないのが特徴です。特にLINEのトーク内共有は画像や動画の転送に手軽です。 - Nearby Share(ニアバイシェア)
Android同士のファイル共有に対応している機能で、AirDropと似た仕組みで動作します。iPhoneとやり取りしたい場合は「Googleドライブ経由」での共有が安定します。 - USB接続・有線転送
写真や動画などの大容量ファイルを確実に送りたい場合、有線接続が最も安定します。特にPCへの転送ではLightningケーブルまたはUSB-Cケーブルを使うのが確実です。
転送トラブル時に試す補足対策
代替手段を使う前に、以下の補足対策を実施しておくと通信成功率が上がります。
- 一度「機内モード」をオン・オフして通信モジュールを再起動する
- デバイス名を変更して認識不良を回避する(設定>一般>情報>名前)
- Bluetooth機器(イヤホンなど)の接続を一時的に切る
- 送受信ログを確認して、エラーが発生していないかチェックする
これらの基本操作を行うことで、AirDrop機能が復帰するケースもあります。
Appleサポートへの問い合わせ準備
自分で試せる対処をすべて行っても送れない場合は、Appleサポートへの相談が最も確実です。問い合わせの際は以下の情報を準備しておくとスムーズです。
- 使用中のiOSまたはmacOSのバージョン
- 問題が発生する相手デバイスの機種名
- 発生タイミング(特定ファイル/全ファイルなど)
- すでに試した対処方法の内容
これらを伝えることで、再現確認や機能診断が短時間で行えます。

AirDropが使えないときは焦らず、まずは「通信環境の再確認」と「別ルートでの送信」を意識してみてください。無理にAirDropにこだわるより、iCloudリンクやLINE共有などを併用する方が早く解決できますよ。