減債基金係数(SFF)計算 Sinking Fund Factor

減債基金係数(SFF)計算は、「目標額(将来必要額)」「金利」「積立年数(+積立頻度)」を入力するだけで、毎期の積立額・年換算額・総積立額・利息合計(運用益)を自動計算できるツールです。期末/期首積立の指定に対応し、積立推移表(利息・積立の内訳)とグラフで残高の増加を可視化できます。
使い方
- 表示された入力欄に「目標額(将来必要額)」「金利」「積立年数(+積立頻度)」を入れる準備をしてください(任意で「期首積立」「積立推移表を表示」を設定できます。※残存価値欄は本ツールでは未使用)。
- 「スタート」ボタンを押して入力開始(または数値を入力すると自動計算が始まります)。
- 数値を正確に入力してください。必要に応じて「月積立/年積立(年あたりの積立回数)」「期末/期首(アニュイティ・デュー)」などのオプションを切り替えます。
- 入力完了時に結果が表示されます(減債基金係数〈SFF〉、毎期積立額、年換算額、総積立額、利息合計、積立推移表とグラフ)。
減債基金係数とは?わかりやすく解説
減債基金係数(SFF)とは?
将来の一定額を用意するために、毎期いくら積み立てればよいかを求める係数。ローンの「毎期返済額」を出すCRF(資本回収係数)の“逆方向版”(=貯める側)です。
数式
SFF = i / ((1 + i)n - 1)
i
:1期あたり金利(年利r
・年m
回ならi = r / m
)n
:積立回数(年数 × 頻度)
毎期積立額 A
は A = 目標額 F × SFF
期首積立(アニュイティ・デュー)の場合は利息が1期分多く効くので、
SFFdue = SFF / (1 + i)
、A = F × SFFdue
使いどころ
- 設備更新や修繕のために「○年後に○円」を貯めたい
- 社債の減債基金や、将来支出の準備金の積立設計
- 教育資金・車の買い替え・更新投資の積立計画
直感的な理解
- 金利が高い/期間が長いほど、利息が助けてくれる → 必要な積立額は小さく
- 金利が低い/期間が短いほど、自分で積む比率が大きい → 積立額は大きく
かんたん計算例
10年後に100万円、年利2%、年1回積立(期末)
i = 0.02
、n = 10
SFF = 0.02 / (1.0210 - 1) ≈ 0.0892
毎年の積立額:1,000,000 × 0.0892 ≈ 89,200
円
期首積立なら SFF / (1 + i)
を使うため、必要額はさらに少し下がります。
よくある注意点
- 金利がほぼ0のとき:
SFF ≈ 1 / n
(単純な割り勘に近づく) - 頻度の扱い:年利
r
で月積立ならi = r / 12
、n = 年数 × 12
- インフレや税コスト:実務では手取り利回りで設計するのが安全
CRFとの違い(1行で)
SFF:将来額を作るための「積立額」を出す / CRF:借入元本を返すための「返済額」を出す
減債基金係数(SFF)と資本回収係数(CRF)の違い
減債基金係数(SFF)と資本回収係数(CRF)の違い
要点
- SFF(減債基金係数):将来の目標額
F
を作るために、毎回いくら積み立てるか(預け入れ)を出す係数。
式:A = F × SFF(i, n)
- CRF(資本回収係数):現在の元本
P
を等額返済するために、毎回いくら支払うか(返済)を出す係数。
式:A = P × CRF(i, n)
定義(式)
- SFF:
SFF(i, n) = i / ( (1 + i)^n − 1 )
(年金終価係数 FVAF の逆数) - CRF:
CRF(i, n) = i(1 + i)^n / ( (1 + i)^n − 1 )
(年金現価係数 PVAF の逆数)
関係式(重要)
CRF = i + SFF
毎回の返済は「利息(i)」+「元本を返すための積立(SFF)」に分解できる。
直感
- SFF は「将来の目標額に向けた貯金の等額割り」
- CRF は「借入の返済の等額割り」。金利分(i)だけ、SFF に上乗せがあるイメージ
例(年利 3%、10 回)
(1 + 0.03)^10 ≈ 1.343916
- SFF:
0.03 / (1.343916 − 1) ≈ 0.0872305066
- CRF:
0.03 × 1.343916 / (1.343916 − 1) ≈ 0.1172305066
- 確認:
CRF − SFF = 0.03 = i
使い分けの計算例
- 将来
F = 1,000,000
円を作る積立:
A = F × SFF ≈ 1,000,000 × 0.0872305 ≈ 87,231 円/回
- 現在
P = 1,000,000
円を借りて等額返済:
A = P × CRF ≈ 1,000,000 × 0.1172305 ≈ 117,231 円/回
補足
- 極限(
i → 0
):SFF も CRF も≈ 1 / n
(単純な等分)。 - 名目年率
r
・年m
回なら期利i = r / m
、回数n = 年数 × m
。 - 対応関係:SFF は終価年金係数(FVAF)の逆数、CRF は現価年金係数(PVAF)の逆数。
まとめ
SFF は「貯めるための等額」、CRF は「返すための等額」。そして CRF = i + SFF の関係が成り立つ。
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注意事項
このツールは無料でご利用いただけます。
※このプログラムはPHP8.2.22にて作成、動作確認を行っております。
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