スイスドロー計算 Swiss Draw Calculation

スイスドロー計算は、参加者を入力して初回ペアリング(ランダム/シード)を選ぶだけで、各ラウンドの対戦表を自動生成し、プリセットや「勝数・負数・引分数」の入力で即時に集計・順位反映できるツールです。勝ち点に加えて OMW%・GWP%・OGW% のタイブレークも自動計算し、CSV出力やドロップ(途中棄権)・BYE処理にも対応します。
使い方
- 「参加者管理」に1行1名(例:
山田太郎,T1
)を入力し、「参加者を反映」を押します。 - 「初回ペアリング」(ランダム/シード)・「Best of」・「勝ち点」・「過去対戦の回避」・「BYE付与」を設定します。
- 必要があれば参加者一覧で「ドロップ(途中棄権)」にチェックを入れて対象外にします。
- 「次のラウンドを生成」を押してペアリングを作成します。
- 各対戦の結果を、プリセット(2–0/2–1/1–1/1–2/0–2)をクリックするか、「勝数」「負数」「引分数」に直接入力します。
- 入力と同時に「勝ち点」「OMW%(相手の試合勝率平均)」「GWP%(自分のゲーム勝率)」「OGW%(相手のゲーム勝率平均)」が自動更新されます。
- 参加者が奇数の場合は、未BYEで低勝ち点のプレイヤーに自動でBYE(勝ち扱い、Boの半分勝ち)が付きます。
- 下部の「順位表」でタイブレーク込みの順位(Points/OMW%/GWP%/OGW%/Matches/Games)を確認します。
- 表示が崩れた・再集計したい場合は「全再計算」を押します。
- 成績を保存したい場合は「CSV出力」でダウンロードします(UTF-8 BOM・全セルクォート)。
- 次ラウンドも「生成 → 入力 → 順位確認」を繰り返します。
- 大会をやり直す場合は「リセット」でラウンドと結果をクリアします(参加者と設定は保持)。
スイスドロー計算の使い方
1. 参加者を入れる
- 参加者管理に、1行1名で入力(形式は
名前,ID
。IDは任意)
例)山田太郎,T1
/佐藤花子,H1
- 参加者を反映 を押す。参加者一覧に「名前(ID)」とドロップのチェックが表示される。
- 名簿を修正したら、再度「参加者を反映」を押す(ラウンドはリセット)。
備考:推奨ラウンド数は概算(おおむね ceil(log2(人数))
)。()内はプレイヤーIDで、CSVキーや同姓同名の区別に使用。
2. ラウンド設定を決める
- 初回ペアリング:
・ランダム … 名簿をシャッフルして隣同士で対戦。
・シード … 名簿順をシード順として隣同士で対戦(必要なら上位半分対下位半分方式に差し替え可)。 - Best of(ゲーム数):Bo3 なら先に2本先取。
- 勝ち点:既定は 勝=3 / 引=1 / 負=0。
- 過去対戦の回避:2回戦以降、同一カードを避けるように組む。
- BYE付与:奇数人数時、未BYEかつ低勝ち点を優先して自動BYE(勝ち扱い、ゲームはBoの半分勝ち)。
3. ラウンドを作る(ペアリング)
次のラウンドを生成 を押すとラウンド #1 が作成される。2回戦以降は勝ち点帯(OMWを補助)で並べ替え、過去対戦を避けて組む。ドロップ済みの参加者は以降のペアリング対象外。
4. 試合結果を入れる
次のいずれかで入力でき、入力と同時に集計される。
- プリセットボタン:各対戦の
2–0 / 2–1 / 1–1 / 1–2 / 0–2
をクリック。 - 直接入力:勝数(Aの勝ち本数)・負数(Bの勝ち本数)・引分数 を数値入力。
備考:BYEは自動で勝ち扱い(Bo3なら 2–0)。
5. 順位を見る・出力する
- 順位表にタイブレーク込みの順位を表示。
- 指標の意味:
・Points … 勝ち点。
・OMW% … 対戦相手の試合勝率平均(各相手のMWPは下限33%、BYE除外)。
・GWP% … 自分のゲーム勝率(下限33%)。
・OGW% … 相手のゲーム勝率平均(下限33%)。
・Matches / Games(W-L-D) … 試合数とゲーム内訳。 - CSV出力:ワンクリックでダウンロード(UTF-8 BOM、全セルクォートでExcelの文字化け・列ズレ対策済み)。
6. よく使う操作
- ドロップ(途中棄権):参加者一覧のチェックをオン。以降のラウンドで自動的に除外。外せば復帰。
- リセット:全ラウンドと結果をクリア(参加者・設定は保持)。
- 全再計算:表示の再描画や再集計に使用。
7. 進行のコツ(運営向け)
- 各ラウンドは「生成 → 入力 → 順位確認」を繰り返す。
- 上位人数の抽出はCSVを活用(決勝トーナメント移行など)。
- 参加者が増減したら名簿を修正して参加者を反映(その時点でラウンドはリセット)。
- 画面幅が狭い場合はプリセットボタン中心で入力すると高速。
スイスドロー計算とは?
スイスドロー(Swiss-system)計算は、 「近い実力(=勝ち点が近い相手)同士を毎ラウンド組ませて、全員が同じ回数だけ試合し、最後に順位を決める」 方式のための組み合わせ・集計ルールです。早期敗退がなく、少ないラウンド数でも上位がはっきりしやすいため、カードゲームやチェス、eスポーツの大会で広く使われます。
基本の流れ
- 初回はランダムまたはシードで対戦組み合わせを作る(奇数なら1人はBYE=不戦勝)。
- 勝敗(必要ならゲーム単位の本数)を入れて勝ち点を集計(例:勝=3、引=1、負=0)。
- 2回戦以降は同じ勝ち点帯の中で、過去に当たっていない相手を優先してペアリング。
- 全ラウンド後、勝ち点が同じなら OMW%(対戦相手の試合勝率平均)、GWP%(自分のゲーム勝率)、OGW%(相手のゲーム勝率平均)などのタイブレークで順位を並べる。
この仕組みを実装したのが「スイスドロー計算ツール」で、ペアリング生成・勝ち点集計・タイブレーク計算・BYEやドロップ(途中棄権)の処理まで自動で行います。
スイスドローの狙いと基本設計
- 狙い:少ないラウンド数で実力順に近づける。全員同じ回数プレーでき、早期敗退がない。
- 設計思想:
- 直前までの成績が近い者同士を当て続ける(スコアグループ内で対戦)。
- 同じ相手とは原則当てない(再戦回避)。
- 奇数なら1名がBYE(不戦勝)。同じ人に複数回BYEが行かないよう配慮。
ペアリングの具体手順(典型)
- 参加者をスコア(勝ち点)順に並べる。初回だけランダム/シード。
- 同じ勝ち点の塊(スコアグループ)ごとに上からペアリング。
- グループ内で相手が見つからない場合、上下グループからフローターを借りて調整。
- それでも決まらなければ再戦許容(最後の手段)。
- BYEは未BYEかつ勝ち点が低い人を優先。
勝ち点とラウンド数
- 勝ち点:多くは勝=3、引=1、負=0。
- 必要ラウンド数の目安:
ceil(log2(参加人数))
。例:32人なら5回戦。 - 上位〇名で決勝トーナメント移行する方式も多い。
タイブレーク(同点の並び替え)
- MWP:自分の試合勝率(下限0.33)。
- OMW%:対戦相手のMWP平均(BYEは除外、各相手は下限0.33)。
- GWP%:自分のゲーム勝率(下限0.33)。
- OGW%:相手のゲーム勝率平均(下限0.33)。
ミニ例
Bo3・勝=3/引=1/負=0の場合、あるプレイヤーが2勝1敗なら勝ち点6。ゲーム勝率が62.5%、対戦相手の勝率平均が65.3%なら、同点者より順位が上になる。
BYE(不戦勝)の扱い
- 実質「勝ち」扱い(勝ち点付与、ゲーム勝も付与)。
- OMW/OGW計算には含めない。
- 同一選手に複数回当たらないよう未BYE者を優先。
ドロップ(途中棄権)
- 以後のペアリング対象外になる。
- それまでの結果は成績に残る。
- ドロップが多いとOMW/OGWが歪むため、下限0.33が重要。
代表的なバリエーション
- FIDE Dutch / Monrad:チェス用の詳細規則。
- Accelerated Swiss:序盤に加点し、強者同士を早めに当てる。
- McMahon:初期点を持った状態で開始(囲碁など)。
- スプリット&フォールド:上位半分と下位半分を初回で当てる。
ラウンド設計と「カット」
スイスのみで順位確定なら十分なラウンド数が必要。実際はスイス5〜8回戦後に上位を「カット」してトーナメント移行する方式が多い。
よくある疑問とコツ
- なぜ33%下限? 極端に低い勝率による不公平を防ぐため。
- 直接対決を見ないの? 種目による。チェスはSonneborn–Berger、カードゲームはOMW優先など。
- 途中参加・増減:原則開始前に確定。やむを得ない場合は名簿更新して次ラウンドから反映。
まとめ
- スイス方式は「実力が近い者同士を当て続ける」設計。
- 順位は「勝ち点 → OMW% → GWP% → OGW% → 細則」で決まる。
- ツール化の要点は、グループ管理・再戦回避・BYE配分・ドロップ処理・33%下限・CSV出力。
- 大会運営ではラウンド数と上位カットの設計が重要。
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注意事項
このツールは無料でご利用いただけます。
※このプログラムはPHP8.2.22にて作成、動作確認を行っております。
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