WBGT

暑さ指数

暑さ指数計算は、「気温(Ta)」と「相対湿度(RH)」を入力するだけで簡単に「暑さ指数」が計算できるツールです。「自然湿球温度(Tnw)」「黒球温度(Tg)」を入力すればより正確な「暑さ指数」が計算できます。

使い方

  1. 「環境(屋外・屋内/日陰)」と「単位(℃/℉)」を選びます(初期値:屋内・日陰/摂氏(℃))。
  2. 「入力値」に 気温(Ta)=30.0相対湿度(RH)=70 を入力します(初期値はこの2つだけがセットされています)。
  3. センサー値がある場合は任意で 自然湿球温度(Tnw)黒球温度(Tg) を入力します。
    未入力でも計算できます(屋内/日陰では Tnw≈Tw(推定)Tg≈Ta とみなします)。
  4. 屋外(直射あり)を選ぶ場合は、可能なら Tnw と Tg を入力してください(直射日射では推定誤差が増えるため)。
  5. 入力は即時反映され、WBGT=0.7×Tnw+0.2×Tg+0.1×Ta(屋外)WBGT=0.7×Tnw+0.3×Tg(屋内・日陰) を小数1桁で表示します。
  6. センサーが無い場合は 気温(Ta)と湿度(RH)からStull近似で湿球温度Twを推定し、Tnw≈Tw として計算します。
  7. 出力エリアには WBGT(℃/℉)リスク帯(注意/警戒/厳重警戒/危険)アドバイス計算モード(直接/半直接/推定/簡易) が表示されます。
  8. 初期表示の例:屋内・日陰/Ta=30.0℃・RH=70%(Tg未入力)→ WBGT≒27.2℃(警戒〜厳重警戒の境界目安)。
  9. 単位を℉に切替すると入出力とも自動換算されます(内部計算は℃で実施、表示は小数1桁に丸め)。
  10. 入力チェック:Taは概ね -40〜60℃、RHは 0〜100%、Tnw/Tgは現実的な範囲で入力してください。範囲外は「-」表示または修正を促します。
  11. 注意:本計算はJIS/ISOの重み係数に基づく簡易推定です。強い直射・低風速・黒体放射の影響が大きい環境では、Tnw/Tgの実測入力を推奨します。

暑さ指数とは?

暑さ指数(WBGT)とは?

暑さによる体への負担(熱ストレス)をひとつの数値で表す指標です。熱中症のなりやすさを、気温だけでなく湿度・日射(ふく射)・風通しまで含めて評価します。単位は℃ですが、体感温度ではなく安全管理用の指数だと考えると分かりやすいです。

何を使って計算するの?

WBGTは、測る場所によって式が少し変わります。

  • 屋外(直射日光あり)
    WBGT = 0.7 × 自然湿球温度(Tnw)+ 0.2 × 黒球温度(Tg)+ 0.1 × 気温(Ta)
  • 屋内・日陰(直射なし)
    WBGT = 0.7 × 自然湿球温度(Tnw)+ 0.3 × 黒球温度(Tg)

各量の意味

  • Tnw(自然湿球温度):湿りタオルを巻いた温度計を通風させずに測る温度。主に湿度と汗の蒸発しやすさを反映。
  • Tg(黒球温度):黒く塗った球の中の温度(グローブ温度とも呼ぶ)。日射や周囲からのふく射を反映。
  • Ta(気温):通常の気温。

ポイント:湿度の重み(0.7)が最も大きく、汗が乾きにくいほど危険度が上がるという考え方です。

どの値なら安全?(目安の区分)

  • 31℃以上:危険 … 激しい運動は原則中止。屋外作業は中断・短時間に。
  • 28~31℃:厳重警戒 … 強い運動は避け、休憩・水分・電解質を頻繁に。
  • 25~28℃:警戒 … こまめな休憩と給水。高齢者・子どもは特に注意。
  • 21~25℃:注意 … 長時間の直射を避け、のどが渇く前に水分補給。
  • ~21℃:ほぼ安全 … 無理は禁物。基本的な熱中症対策は継続。

同じWBGTでも日差し・衣服・体調・作業強度でリスクは変わります。

気温や湿度だけ見ればいいのと、何が違う?

  • 気温だけだと、湿度や直射日光の影響を過小評価しがちです。
  • 熱中症の発生率は、気温よりも湿度の高さに強く影響されます。WBGTはその点を反映します。
  • 「不快指数」や「体感温度」とは目的が異なり、WBGTは安全管理・運動指導・作業基準のための実務指標です。

どうやって測るの?

最も正確なのは専用計(WBGT計)を使う方法です(Tnw・Tg・Taを同時に測定)。専用計がない場合は、

  • 屋内/日陰の簡易評価なら、気温と湿度から湿球温度(Tw)を近似してTnw≈Twとして概算する方法もあります。
  • ただし屋外の強い直射では、Tg(黒球温度)の影響が大きく、概算の誤差が大きくなります。

生活・現場での使い方(実践のコツ)

  1. 時間帯で見直す:WBGTは日中に上がりやすい。活動は朝夕へ移す。
  2. 休憩計画:帯に応じて作業—休憩サイクルを決める(例:厳重警戒→作業15分+休憩15分など)。
  3. 水分+電解質:発汗量に応じて塩分も補給。のどが渇く前に。
  4. 服装と直射回避:通気・吸汗速乾、帽子・日陰の確保。
  5. 個人差を尊重:高齢者、子ども、体調不良、睡眠不足は特に慎重に。
  6. 室内でも油断しない:風が弱く湿度が高い部屋はWBGTが高止まり。空調・除湿を。

よくある疑問Q&A

Q1. グローブ温度(Tg)は“黒球温度”と同じ?
A. はい。同義です。標準は直径150mmの黒球で測定します。

Q2. 自然湿球温度(Tnw)と“湿球温度(Tw)”は同じ?
A. 似ていますが厳密には別です。Tnwは通風させずに測る湿球、Twは通風式。簡易推定ではTnw≈Twと置くことがありますが、屋外直射・強日射では差が出ます。

Q3. 風が強いとどうなる?
A. 風が強いと汗が乾きやすくTnwが下がり、黒球も冷えやすくTgが下がるため、WBGTが低めに出やすいです。ただし脱水・日焼け等のリスクは別として残ります。

まとめ

  • WBGTは湿度・日射・気温を組み合わせた熱中症リスクの実務指標
  • 屋外:0.7Tnw+0.2Tg+0.1Ta / 屋内:0.7Tnw+0.3Tg。
  • 28℃超で厳重警戒、31℃超で危険が目安。
  • 正確に使うなら専用計、概算なら気温+湿度からの推定も可(屋外直射では誤差注意)。
  • 数値を見ながら、休憩・給水・服装・時間帯を計画する。

暑さ指数の計算方法

暑さ指数(WBGT)の計算方法

暑さ指数(WBGT)は、熱中症リスクを気温だけでなく湿度・ふく射(日射)・風の影響まで含めて評価する安全管理用の指標です。単位は℃です。

1) まず、必要な温度の意味を整理

  • Tnw(自然湿球温度):湿ったガーゼを巻いた温度計を通風させずに測る温度。湿度と汗の蒸発しやすさを強く反映。
  • Tg(黒球温度/グローブ温度):黒く塗った球の温度。直射日光や周囲からのふく射の影響を反映。
  • Ta(気温):通常の乾球温度。

ポイント:湿度を表す Tnw の重みが最も大きく(0.7)、汗が乾きにくいほど危険度が上がる設計です。

2) 基本式(JIS/ISO の重み)

  • 屋外(直射あり)
    WBGT = 0.7 × Tnw + 0.2 × Tg + 0.1 × Ta
  • 屋内・日陰(直射なし)
    WBGT = 0.7 × Tnw + 0.3 × Tg

表示は小数 1 桁(例:31.3℃)。内部は℃で計算し、必要なら最後に℉へ換算(℉=℃×1.8+32)。

3) センサーがないときの簡易推定(屋内/日陰向け)

気温(Ta)と相対湿度(RH)から湿球温度 Tw を近似し、Tnw ≈ Tw として扱います。よく使われる近似の一つ(Stull 式、単位は℃・%):

Tw ≈ Ta × atan(0.151977 × √(RH + 8.313659))
     + atan(Ta + RH)
     - atan(RH - 1.676331)
     + 0.00391838 × RH^1.5 × atan(0.023101 × RH)
     - 4.686035

Tg が無い場合、屋内や日陰なら Tg ≈ Ta と近似できます(屋外の強い直射では不可/非推奨)。

4) 手順まとめ(実務フロー)

  1. 環境を決める:屋外(直射あり)か、屋内・日陰(直射なし)か。
  2. 入力をそろえる:センサーありなら Tnw・Tg・Ta を測定。センサーなし(屋内/日陰向け)なら Ta・RH から Tw を近似し Tnw=Tw、Tg は Taで代用。
  3. 式を選ぶ:上の基本式(屋外/屋内)を適用。
  4. 結果を丸める:小数 1 桁に丸めて表示(帯判定もこの数値で可)。

5) 例題で理解(計算例)

例A:屋内・日陰、センサーなし(Ta=30.0℃、RH=70%)

  • Tw を近似 → およそ 26.0℃
  • Tnw ≈ 26.0℃、Tg ≈ Ta = 30.0℃。
  • WBGT = 0.7×26.0 + 0.3×30.0 = 18.2 + 9.0 = 27.2℃

例B:屋外(直射あり)、センサーあり(Tnw=27℃、Tg=45℃、Ta=34℃)

  • WBGT = 0.7×27 + 0.2×45 + 0.1×34 = 18.9 + 9.0 + 3.4 = 31.3℃

6) よくある落とし穴と対処

  • Tnw と Tw の混同:Tw(通風湿球)と Tnw(自然湿球)は厳密には別。Tnw≈Tw の置き換えは屋内・日陰の簡易評価に限定。
  • Tg 欠測の屋外評価:直射では Tg の有無が重要。Ta で代用すると過小評価になりやすい。
  • 球のサイズ:標準 Tg は直径150 mm 黒球。50 mm ミニ黒球は風の影響で数℃低めに出ることがある。
  • 単位の混在:内部は℃で統一し、必要に応じて出力だけ℉表示へ変換。
  • 丸めのタイミング:表示時に0.1℃丸め(判定の一貫性が出る)。

7) 判定の目安(日本でのよくある運用)

  • 31℃以上:危険 … 激しい運動は原則中止。屋外作業は中断・短時間に。
  • 28~31℃:厳重警戒 … 強い運動は避け、休憩・水分・電解質を頻繁に。
  • 25~28℃:警戒 … こまめな休憩と給水。高齢者・子どもは特に注意。
  • 21~25℃:注意 … 長時間の直射を避け、のどが渇く前に水分補給。
  • ~21℃:ほぼ安全 … 無理は禁物。基本的な熱中症対策は継続。

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