退職代行で損害賠償を請求されるのは本当?会社とのトラブル事例と対処法を徹底解説!



目次

退職代行を使っただけで損害賠償されることはあるのか

退職代行を利用しただけで、会社から損害賠償を請求されることは基本的にありません。労働者には「退職の自由」が憲法第22条で保障されており、どのような理由であっても退職の意思を表明すること自体は労働者の権利として認められています。つまり、退職代行サービスを利用するという行為そのものが、違法行為や損害賠償の対象になることはありません。

退職代行の利用は「退職意思の伝達」に過ぎない

退職代行業者の役割は、労働者の「退職したい」という意思を会社に伝える「使者」としての行為です。これは弁護士法で定められる「非弁行為(法律事務の代理行為)」には該当しません。したがって、退職代行を使うこと自体に法的な問題はありません。

ただし、業者が「退職金の交渉」や「未払い残業代の請求」などの交渉を代行する場合は、弁護士資格を持たない限り非弁行為となり、違法行為にあたるため注意が必要です。

退職代行を使っても損害賠償を請求されるケースは例外的

退職の自由が認められているとはいえ、退職の方法によって会社に実際の損害を与えた場合には、例外的に損害賠償を請求される可能性があります。

具体的には次のようなケースです。

  • 無断欠勤を続けたまま退職し、業務が停止した
  • 顧客対応を放棄して契約トラブルが発生した
  • 機密情報を漏洩したり、SNSで会社の信用を失墜させた

このような場合には、「退職代行を使ったこと」が問題なのではなく、「退職時の行為」が債務不履行や不法行為とみなされ、会社から損害賠償を請求されることがあります。

民法上の退職ルールを守れば損害賠償のリスクは低い

民法第627条第1項によれば、期間の定めがない雇用契約の場合、退職の意思を会社に伝えてから2週間が経過すれば、退職の効力が発生します。

この2週間ルールを守り、引き継ぎなど最低限の誠実な対応を取っていれば、会社側が損害賠償を請求しても法的に認められる可能性は非常に低いです。

退職代行を通してこのプロセスを踏むことは、あくまで「適切な退職手続きの代行」であり、責任を問われるものではありません。

非弁行為に該当する代行業者への注意

一部の悪質な退職代行業者は、弁護士資格を持たないにもかかわらず「会社との交渉も代行します」と宣伝していることがあります。こうした業者に依頼した場合、トラブルに発展するリスクが高まります。

退職代行を利用する際は、弁護士が運営するサービスまたは労働組合が行う代行であるかを必ず確認しましょう。法的交渉を必要としない「退職意思の伝達」に限定されたサービスであれば、損害賠償を心配する必要はありません。

退職代行を利用すること自体はまったく問題ありません。重要なのは、退職の手順を守り、会社に実害を与えないことです。誠実に行動していれば、損害賠償を請求されるような心配はまずありませんよ

会社が損害賠償を請求してくるケースとは

退職代行を使って退職したからといって、すぐに会社が損害賠償を請求してくるわけではありません。

しかし「退職の仕方」に問題があり、会社に実際の損害が発生したと認められる場合には、法的に請求されることがあります。ここでは、どのようなケースで損害賠償の対象になりうるのかを具体的に見ていきます。

引継ぎを放棄して業務に支障を与えた場合

退職時の引継ぎは、信義則上の義務とされています。

そのため、まったく引継ぎを行わずに退職し、会社の業務が停止・遅延するなどの実害が生じた場合には、損害賠償請求が行われる可能性があります。

例えば、重要な取引先の案件を担当していたにもかかわらず、引継書や顧客情報を残さずに退職してしまい、契約の遅延や失注が発生した場合などです。

ただし、「損害との因果関係」や「引継ぎを怠ったことの悪質性」を会社側が立証しなければならないため、実際に高額の損害賠償が認められるケースは多くありません。

無断欠勤や突然の退職で損害を発生させた場合

無断欠勤を続けた結果、業務が滞ったり、プロジェクトが中断したりした場合も、債務不履行として損害賠償を請求される可能性があります。

特に、欠勤期間が2週間を超えると「悪質」とみなされやすく、裁判でも会社側の請求が認められる例があります。

一方で、退職の意思を事前に伝え、有給消化を申請している場合は無断欠勤にはあたらないため、このようなトラブルを避けるためにも、できる限り正式な手続きを取ることが重要です。

機密情報の漏洩やSNSでの信用毀損

退職時に会社の内部資料や顧客情報などの機密情報を持ち出したり、SNSで会社の内部事情や悪口を投稿した場合、損害賠償を請求されるリスクが極めて高くなります。

これらは「秘密保持契約違反」や「不正競争防止法違反」「名誉毀損」に該当するおそれがあります。

とくに、顧客リストや製品情報などを競合他社に流出させた場合には、高額な賠償金が認められるケースもあります。

退職時には、会社に関するデータ・資料・アカウント情報などを完全に返却し、私的な利用をしないことが鉄則です。

研修・留学費用の返還請求が生じるケース

会社が費用を負担して実施した研修・資格取得・海外留学などを終えた直後に退職した場合、会社から費用の一部または全額の返還を求められることがあります。

この場合、労働基準法第16条が禁止する「違約金の予定」には該当しないよう、あらかじめ「〇年以内に退職した場合は費用を返還する」といった誓約書を交わしているケースが多いです。

こうした合意書に署名している場合は、返還義務が発生する可能性が高いため、契約内容を必ず確認しておきましょう。

その他の損害賠償が発生しうるケース

次のような行為も、損害賠償の対象となるおそれがあります。

  • 社内備品や貸与物(PC・制服・携帯など)の未返却・破損
  • 顧客とのトラブルや暴言による契約解除
  • 故意・過失による会社財産の損壊

いずれも「退職代行を使ったから」ではなく、「退職時の行為に問題があったため」に損害が発生したと判断されるケースです。

法的には、会社側が損害の発生と労働者の行為との因果関係を証明する必要があります。

トラブルを防ぐためには、退職の意思を早めに伝え、最低限の引継ぎを行うことが大切です。誠実な対応をしておけば、会社から不当な損害賠償を求められるリスクはほとんどありません。

実際に損害賠償が認められた判例と金額の目安

退職代行を利用した場合でも、基本的に「退職の自由」は憲法で保障されており、通常の退職で会社が損害賠償請求を行っても認められるケースはほとんどありません。しかし、退職の仕方が極端に不誠実だったり、会社に具体的かつ重大な損害を与えた場合には、例外的に賠償が認められた判例があります。ここでは代表的な判例と、裁判所がどのような基準で判断しているのかを紹介します。

ケイズインターナショナル事件 ― 突然退職による一部賠償を認めた例

代表的な判例が「ケイズインターナショナル事件(東京地裁 平成4年9月30日判決)」です。

この事件では、ビルのインテリアデザイン契約を結んでいた企業の担当者が、入社からわずか数週間で突然退職したため、会社が契約を失い損害が生じたと主張しました。

会社側は約1,000万円の利益を失ったとして200万円の損害賠償を請求しましたが、裁判所は次のように判断しました。

  • 労働者にも病気などやむを得ない事情があった
  • 会社側にも労務管理上の問題が見られた
  • 実際の損害は会社の主張より限定的

その結果、損害額の一部(約70万円)+年5%の遅延損害金のみを認めました。

つまり、突然の退職であっても全額が認められるわけではなく、労働者の事情や会社の管理責任も総合的に考慮されることが分かります。

判例から分かる損害賠償認定のポイント

裁判で損害賠償が認められるかどうかは、次の3点が重要視されます。

  1. 退職方法の悪質性
  • 無断欠勤や突然の出社拒否など、誠実さを欠いた行為があるか
  • 会社に対して引き継ぎの意思表示を全くしていないかどうか
  1. 損害の具体性と因果関係
  • 「この退職によって業務が止まり、契約が失われた」など、損害と退職行為の間に明確な因果関係があるかどうか
  • 単なる不便や一時的混乱では損害と認められにくい
  1. 会社側の管理体制や過失の有無
  • 退職リスクを想定した引継ぎ体制が不十分だった場合、会社にも一定の過失があると判断される
  • 労務管理や人員配置の不備が指摘されると、請求が減額される傾向がある

損害賠償額の相場と現実的な目安

過去の判例を分析すると、損害賠償が認められたとしても、その金額は数万円〜数十万円程度にとどまるケースが多いです。

なぜなら、退職による損害は多くの場合「間接的・推定的」なもので、明確に金銭換算することが難しいからです。

  • 引継ぎ放棄や無断欠勤などの悪質ケース:数十万円前後
  • 機密情報漏洩や取引先トラブルなど重大損害:数百万円規模
  • 通常の突然退職や体調不良による退職:賠償が認められないことが多い

また、会社側が損害の発生を証明できない限り、損害賠償請求は棄却される傾向にあります。

実務上のまとめ

判例を見ると、会社が損害賠償請求をしても、「裁判で認められる損害額は限定的」というのが実情です。

むしろ、労働者側が「不当請求」として逆に損害賠償を請求できる場合もあります。

そのため、退職代行を利用する際は、次のような点を意識しておくことが重要です。

  • 最低限の引継ぎや業務整理をしておく
  • 私物・貸与物の返却や情報管理を徹底する
  • 退職意思や引継ぎ努力を証拠として残しておく

これらを行えば、仮に会社から損害賠償を請求されても、法的に不利になる可能性は低いといえます。

裁判で損害賠償が認められるケースはごく一部です。多くの場合、退職方法の誠実さや会社側の管理体制も考慮されるため、過度に恐れる必要はありません。重要なのは、退職の意思を明確に伝え、引継ぎや証拠をきちんと残すことですよ。

損害賠償を回避するためにやっておくべきこと

退職代行を利用して円満に退職するためには、事前の準備と正しい手順が欠かせません。

ここでは、会社から損害賠償を請求されないようにするための具体的なポイントを整理します。

退職の意思は「早め・確実」に伝える

民法第627条では「2週間前に退職の意思表示をすれば退職できる」と定められていますが、実際の職場では1か月以上前の申告を求めるケースもあります。

たとえ退職代行を使う場合でも、可能であれば「余裕をもって退職を伝える」ことでトラブルの芽を摘むことができます。

特に営業職や管理職のように引き継ぎが必要なポジションでは、突然の退職は「業務妨害」「契約違反」と捉えられるリスクがあるため、代行業者を通してでも退職日を調整するのが安全です。

最低限の引継ぎを「証拠」として残す

引継ぎを一切行わずに辞めると、損害賠償を主張される余地が生まれます。

たとえ直接出社できなくても、以下のような方法で「誠実に引き継ぎを行った」証拠を残すことが重要です。

  • 業務マニュアル・顧客リストなどをデータ化して共有サーバーに保存する
  • メールやチャットで引継ぎ内容を記録に残す
  • 担当業務の現状・課題・対応履歴をメモにまとめて提出する

証拠があれば、後から「引継ぎ義務違反」を理由に損害賠償を請求されても、誠実な対応を示す根拠になります。

有給休暇の扱いを事前に整理する

有給休暇をどのように使うかもトラブルになりやすいポイントです。

「退職前に有休を全部使っていいのか」「欠勤扱いになるのか」を明確にしておきましょう。

  • 退職日をまたいでの有給申請は基本的に認められません
  • 業務に支障が出る場合、会社は時季変更権を行使できることがあります
  • 有給を取得する場合は「退職日=最終有給取得日」として申請するのが安全です

退職代行を使う際も、有給消化の意思を伝えてもらい、書面またはメールで証跡を残すことが望まれます。

機密情報や備品は確実に返却する

退職前に社用PC・スマートフォン・顧客情報・営業資料などを必ず返却・削除しておきましょう。

会社の情報を持ち出したままだと、「不正競争防止法違反」や「機密保持義務違反」として高額な損害賠償を請求されることもあります。

また、退職後にSNSなどで会社の内部情報を投稿する行為も「信用棄損」「名誉毀損」と見なされるおそれがあります。

退職時は感情的な発信を控え、記録・データを含めてきちんと整理しておくことが大切です。

弁護士対応の退職代行を選ぶ

退職条件の交渉や有給消化・未払い賃金請求などが関わる場合、弁護士以外の退職代行業者では対応できません

非弁業者に依頼すると、交渉ができずトラブルが長期化するリスクがあります。

損害賠償の請求を回避する観点からも、法的に交渉可能な弁護士対応型の退職代行を選ぶことで、手続きの正当性が担保されます。

記録と連絡を残しておく

退職に関するやり取りは、後で「言った・言わない」の争いを防ぐためにもすべて記録化しておきましょう。

退職届のコピー、メール送信履歴、退職代行との契約内容などは必ず保管しておきます。

特に内容証明郵便を使って退職届を送付すると、「会社が退職の意思を受け取った日」が明確になり、法的トラブルを防止できます。

誠実に退職準備を進めて、記録を残しておくことが損害賠償回避の最大の防御策です。焦らず段階的に行動すれば、会社と争わずにスムーズな退職ができますよ

退職代行サービスの種類とリスクの違い

退職代行サービスには、提供主体や権限の範囲によって複数のタイプが存在します。利用者からすれば「どれを選んでも会社に退職の意思を伝えてもらえる」と思いがちですが、選び方を誤ると損害賠償や法的トラブルに発展するリスクがあります。ここでは、代表的な3種類の退職代行サービスの特徴と、それぞれに潜むリスクの違いを整理します。

弁護士が行う退職代行サービス

弁護士による退職代行は、最も法的に安全性が高い方法です。弁護士は弁護士法に基づいて、依頼人に代わり企業と交渉する権限を持ち、次のような対応が可能です。

  • 退職の意思表示の伝達
  • 未払い残業代や有給休暇の消化交渉
  • 会社側の損害賠償請求への対応
  • 内容証明郵便や法的手続きの代理

弁護士が代行を行う場合、仮に企業側から不当な請求があっても、法的根拠をもとに反論や交渉が可能です。費用は民間業者より高額になりがちですが、損害賠償などの重大なトラブルに発展するリスクを抑えたい場合に最適です。

労働組合(ユニオン)による退職代行

労働組合が提供する退職代行サービスは、「団体交渉権」を活かして退職条件を話し合える点が特徴です。

弁護士でなくても、労働組合法に基づき企業と交渉できる権限を持っており、残業代や有給休暇の消化、退職日の調整などの交渉も行えます。

ただし、労働組合型の退職代行を利用する際には以下の点に注意が必要です。

  • 組合員として加入する手続きが必要
  • 一部の業者では「実体のない組合」を名乗るケースがある
  • 弁護士監修ではない場合、法的対応範囲が限定される

適法に設立された労働組合が運営しているかどうかを確認し、団体交渉権を適正に行使できるかを見極めることが重要です。

民間業者(一般企業)による退職代行

最も利用者が多いのが、一般の企業が運営する民間の退職代行サービスです。料金が安く、即日対応をうたうケースも多いことから人気ですが、法的にできることが「退職意思の伝達のみ」に限定されるという点を理解しておく必要があります。

弁護士法第72条では、弁護士以外の者が報酬を得て法律事務(交渉や請求など)を行うことを禁止しています。そのため、民間業者が以下のような対応を行うと「非弁行為」にあたる可能性があります。

  • 有給休暇の取得交渉
  • 残業代や退職金の請求
  • 会社とのトラブル解決や示談交渉

非弁行為と判断された場合、利用者自身もトラブルに巻き込まれたり、退職手続きが無効とされる可能性もあります。

したがって、民間業者を利用する場合は、「使者」として退職の意思を伝えるだけに限定しているか、弁護士監修が入っているかを確認することが大切です。

違法業者を利用した際に起こりうるトラブル事例

一部の悪質な退職代行業者では、弁護士資格を持たないにもかかわらず「交渉可能」「法的対応します」といった誇大広告を掲げているケースがあります。こうした業者を利用した結果、次のようなトラブルが実際に発生しています。

  • 退職の意思が正式に伝わらず、無断欠勤扱いにされた
  • 業者が会社とトラブルを起こし、損害賠償を請求された
  • 個人情報が流出したり、追加料金を請求された

これらの問題はすべて、弁護士資格のない業者が法的な範囲を超えて対応したことが原因で発生しています。

料金の安さだけで判断せず、公式サイトに「弁護士監修」「労働組合加盟」などの明確な表示があるかを必ず確認しましょう。

安全に退職代行を利用するためのチェックポイント

退職代行を選ぶ際は、以下の3つを基準に検討するのが安全です。

  • 弁護士または労働組合が運営・監修しているか
  • 「交渉可能」としている場合、その法的根拠が明示されているか
  • 契約内容や料金体系、返金条件が明確か

特に営業職や管理職など、顧客情報や取引データを扱う職種では、会社から損害賠償請求を受けるリスクが高くなります。そのため、弁護士型の退職代行を選ぶことが最も安全といえます。

退職代行の仕組みはシンプルに見えて、法的な線引きがとても重要なんです。安易に安い業者を選ぶと、後で損害賠償や交渉トラブルに発展することもあります。しっかり法的に守られたルートで退職を進めましょうね

会社が損害賠償を請求してきたときの対処法

会社から「損害賠償請求」を受け取ったときは、焦って感情的に対応するのではなく、冷静かつ法的根拠に基づいた行動が重要です。請求書や内容証明が届いた場合でも、慌てて支払ったり無視したりするのは危険です。ここでは、トラブルを最小限に抑えるための正しい対処手順を解説します。

内容証明が届いたらすぐに弁護士へ相談する

会社から損害賠償請求の通知が届いた場合、まずすべきことは弁護士への相談です。

内容証明郵便には、請求の理由や金額、支払期限などが記載されていますが、これが法的に妥当な請求かどうかを自分で判断するのは困難です。

弁護士に依頼すれば、以下のようなサポートを受けられます。

  • 請求の法的根拠や金額の妥当性をチェック
  • 不当請求の場合は、会社側へ正式な反論書を作成
  • 裁判に発展した場合の代理対応

特に、非弁業者の退職代行を利用していた場合は、業者には交渉権がないため、弁護士による法的対応が不可欠です。

不当請求の可能性を確認する

会社の損害賠償請求の多くは、法的根拠が曖昧な不当請求であるケースもあります。

退職者が業務上の義務違反をしていない、または損害の因果関係が証明できない場合、請求は認められません。

不当請求が疑われる場合は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 損害が発生したという客観的証拠があるか
  • その損害が自分の行為によって発生したと立証できるか
  • 請求額が実際の損害額に見合っているか

根拠が不十分であれば、弁護士を通じて「不当請求として無効」を主張できます。

場合によっては、精神的苦痛や名誉毀損などを理由に逆に損害賠償を請求できることもあります。

請求を放置するのは絶対にNG

内容証明や訴状を無視して放置すると、裁判で一方的に敗訴するリスクがあります。

裁判所からの呼出状や訴状を受け取った場合、出廷しないまま判決が下されると、会社側の主張がそのまま認められてしまうことがあります。

特に、支払督促や少額訴訟などの形式で進む場合、短期間で判決が確定するため注意が必要です。

対応を怠らず、必ず専門家のアドバイスのもとで手続きを進めましょう。

会社との直接交渉は避ける

感情的になって会社へ直接連絡するのは避けるべきです。

発言内容が「責任を認めた」と解釈される可能性があり、不利に働くことがあります。

弁護士を通して正式な書面でやり取りすることで、証拠を残しつつ安全に交渉できます。

また、退職代行業者が間に入っていた場合でも、弁護士が窓口を引き継ぐ形で交渉できるため安心です。

証拠を整理しておく

損害賠償請求を受けた際は、自分を守るために退職前後の記録や証拠を整理しておきましょう。

これにより、弁護士が迅速かつ有利に交渉を進められます。

  • 退職意思を伝えた日時・方法(メール・LINE・書面など)
  • 引継ぎを行った証拠(引継書・チャット履歴・送付記録)
  • 会社側からのハラスメントや不当要求の記録
  • 業務上の責任分担が明確である資料(契約書・職務記述書など)

これらの証拠があることで、「損害を与えたのは自分ではない」という主張を裏付けることができます。

弁護士費用の負担が不安な場合

損害賠償請求の対応は、法テラスや弁護士保険を活用することで、費用負担を抑えることが可能です。

また、初回相談を無料で受け付けている事務所も多く、早期に相談することで無駄な出費を防げます。

会社から損害賠償を請求されたときは、焦らず冷静に対応することが大切です。請求書が届いたら放置せず、まずは弁護士に相談しましょう。不当請求であれば支払う必要はなく、証拠を整理して専門家のサポートを受けることで、安心して解決に向かえますよ

退職代行を安全に使うためのチェックリスト

退職代行サービスは、精神的負担を減らしスムーズに退職を進められる一方で、利用方法を誤ると会社とのトラブルや損害賠償リスクを生む恐れがあります。安全に退職するためには、事前確認と正しい準備が不可欠です。以下のチェックリストを参考に、リスクを最小限に抑えましょう。

1. 就業規則で退職代行の禁止規定がないか確認する

まず最初に確認すべきは、会社の就業規則です。

一部の企業では「退職代行の利用を禁止する」「管理職は退職代行を使えない」といった規定を設けている場合があります。

禁止規定が明記されている場合、利用が「服務規律違反」とされる可能性もあるため、退職前に必ず確認しておきましょう。

2. 契約書や誓約書に返還・損害条項があるか確認する

入社時に交わした「雇用契約書」や「誓約書」「研修契約書」などに、
退職時の費用返還義務や損害賠償条項が含まれていないかをチェックしてください。

特に以下のような条項がある場合は注意が必要です。

  • 研修・留学費用の返還義務
  • 機密情報保持や競業避止の義務
  • 会社資産の返却に関する条項

これらを確認せず退職代行を利用すると、後日法的トラブルに発展するリスクがあります。

3. 弁護士が対応する退職代行を選ぶ

退職代行には、弁護士対応型民間業者型の2種類があります。

会社との交渉や請求対応が発生する可能性を考えると、弁護士が行う退職代行を選ぶのが安全です。

  • 弁護士対応型:法的交渉や損害賠償請求への対応が可能
  • 民間業者型:本人の意思伝達のみ可能(交渉は不可)

会社が不当な対応をしてきた場合でも、弁護士型であれば適切に法的手段を取ることができます。

4. 最低限の引継ぎ内容を整理しておく

退職前に体調や状況が許す範囲で、最低限の引継ぎ情報を整理しておくことが望ましいです。

引継書や業務メモ、顧客・取引先のリストなどを残しておくことで、
「業務放棄による損害」を理由とした請求を防げます。

実際の引継ぎができない場合でも、文書で対応した記録を残しておくと安心です。

5. 有給休暇の消化と退職日を事前に整理する

退職代行を利用する前に、自身の有給残日数を確認し、退職日との関係を整理しておきましょう。

退職意思を伝えてから2週間経過すれば退職可能ですが、
有給を組み合わせることで実質的に出勤せずに退職できる場合があります。

ただし、有給申請を代行する場合は弁護士型退職代行でなければ対応できません。

6. 機密情報や社内データを持ち出さない

退職時に顧客リスト、社内マニュアル、ソースコードなどのデータを持ち出すのは絶対に避けましょう。

不正競争防止法や個人情報保護法に抵触する可能性があり、
「不正競争防止法違反」や「機密漏洩」として高額な損害賠償を請求されるリスクがあります。

7. 無断欠勤をせず、早めに退職代行を依頼する

「出社できない」「連絡したくない」と思っても、無断欠勤は避けるべきです。

退職代行に依頼して正式に意思を伝えてもらえば、無断欠勤にはなりません。

一方で、無断欠勤が長引くと「債務不履行」とされる可能性があるため、
早めの依頼・連絡が安全です。

8. 証拠を残す(退職意思・引継ぎ記録・契約内容など)

後日トラブルになった際に備えて、以下の証拠を残しておきましょう。

  • 退職代行業者とのやり取り(LINEやメールのスクリーンショットなど)
  • 引継ぎ内容や業務データの送付記録
  • 契約書・就業規則・誓約書のコピー

これらの証拠は、損害賠償請求を受けた際に「誠実な対応をしていた」と主張する有力な材料になります。

安全に退職代行を使うためのまとめ


退職代行は、精神的な負担を軽減する強力な手段ですが、「使い方次第」でトラブルの危険も伴います。

弁護士対応型を選び、事前確認と記録を徹底することで、法的にも安心して退職できる環境を整えましょう。

退職は“逃げ”ではなく、“再スタート”の第一歩です。準備を怠らなければ、会社からの損害賠償リスクは十分に防げますよ

トラブルを防ぐための企業・個人それぞれの心構え

退職代行に関するトラブルの多くは、企業と従業員の間で「意思のすれ違い」や「準備不足」が原因で発生します。損害賠償にまで発展するケースは稀ですが、信頼関係を維持し、法的リスクを最小化するためには、双方に共通の意識と対策が必要です。ここでは、企業・個人それぞれが持つべき心構えを整理します。

企業側の心構え:制度整備と心理的安全性の確保

1. 退職ルールを明文化し、従業員に周知する

退職手続きや引継ぎの手順が不明確だと、退職代行を利用されるリスクが高まります。

就業規則や退職マニュアルに以下を明確にしておくと良いでしょう。

  • 退職の申し出期限(例:30日前)
  • 引継ぎの具体的な方法や範囲
  • 退職届の提出方法と窓口
  • 貸与品やデータ返却の手順

制度が明確であれば、従業員側も安心して手続きを進められます。

2. 職場環境のストレス要因を定期的に点検する

退職代行を使う従業員の多くは、直接上司や人事と話すことが難しい心理状態にあります。

パワハラ・長時間労働・評価の不透明さなどの問題を早期に把握するため、
定期的なアンケートや匿名相談窓口を設けることが効果的です。

3. 引継ぎをチーム単位で共有できる体制を作る

「その人がいなくなると業務が止まる」状態は、損害賠償トラブルの温床です。

属人化を防ぐために、日常的に以下のような仕組みを取り入れましょう。

  • 業務マニュアルの共有クラウド化
  • プロジェクト進捗を複数人で管理
  • 定期的な引継ぎ訓練や引継ぎテンプレートの導入

これにより、突然の退職にも柔軟に対応できます。

4. 弁護士・社労士との相談体制を持つ

退職代行を利用された場合の初動対応を間違えると、企業の信頼低下につながります。

非弁行為への対応や内容証明の受領など、法律的判断が必要な場面に備え、
顧問弁護士や外部社労士と連携しておくことが安全です。

従業員側の心構え:誠実な意思表示と証拠の確保

1. 退職の意思は「証拠が残る形」で伝える

口頭やチャットだけで退職を伝えると、後に「聞いていない」と争いになる可能性があります。

退職代行を利用する場合でも、本人が「退職届」をメールまたは書面で提出しておくと安心です。

2. 最低限の引継ぎを準備しておく

退職代行を利用する際も、後任者への資料整理やデータ共有など、できる範囲の引継ぎをしておくことで、
「誠実な対応をした」という証拠になります。

損害賠償リスクを防ぐためには、引継書・業務一覧・顧客連絡先などを整理して残すことが重要です。

3. SNS投稿や情報持ち出しを厳禁とする

退職時に感情的になってSNSへ投稿したり、社内情報を持ち出す行為は、
信用毀損や不正競争防止法違反など、法的リスクを伴います。

特に営業職・企画職などは情報保護契約の対象となることが多く、慎重に対応すべきです。

4. 弁護士対応型の退職代行を選ぶ

トラブルを未然に防ぐためには、交渉権限のある弁護士型退職代行を選ぶのが安心です。

非弁業者では法律的なトラブルに介入できず、企業からの請求に対応できない場合があります。

双方に共通するポイント:冷静なコミュニケーションと記録

企業も個人も、退職トラブルの本質は「情報の不一致」にあります。

感情的な対応ではなく、メール・書面・議事録などの客観的証拠を残す姿勢が最も有効です。

退職の意向・やり取り・引継内容などを時系列で整理しておくことで、
万一の損害賠償請求が発生しても、冷静に事実で反論できます。

退職は「争い」ではなく「整理」です。企業も個人も、準備と誠実さを持って臨めば、退職代行によるトラブルはほとんど防げます。誠実な手続きが、自分の信頼とキャリアを守る最大の防御になりますよ

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