引っ越しやること完全チェックリスト。手続き・荷造り・当日から引越し後まで網羅解説



目次

新居探しと契約で最初にやること

引っ越しを決めたら、まず取りかかるべきは新居探しと契約に関する準備です。生活の基盤となる場所を選ぶ工程なので、条件整理から契約締結まで慎重に進めることが求められます。

希望条件を整理して内見する

新居探しは、いきなり物件を探し始めるのではなく、まず「どんな暮らしをしたいか」を整理することが大切です。勤務地や学校までのアクセス、周辺環境の利便性、間取りや家賃の上限など、優先順位を決めて条件をリスト化しておきましょう。そのうえで複数の物件を内見し、日当たりや騒音、収納スペース、搬入経路など現地でしか分からない点を確認します。内見は時間帯を変えて複数回行うと、生活環境をより具体的にイメージできます。

契約内容と初期費用を確認する

気に入った物件が見つかったら、次は契約に進みます。賃貸契約では敷金・礼金、仲介手数料、火災保険料などの初期費用が発生します。物件によっては更新料や管理費も含まれるため、事前に総額を把握しておくことが重要です。また、契約書の内容は必ず隅々まで読み、退去時の原状回復条件や禁止事項を理解してから署名しましょう。不明点はその場で質問し、納得してから契約を進めることがトラブル防止につながります。

駐車場や現住居の解約手続きも忘れない

車を所有している場合は、新居近くで駐車場を確保する必要があります。物件に付属していない場合は、近隣の月極駐車場を早めに探して契約しておきましょう。あわせて現在の住居や駐車場の解約手続きも行います。賃貸物件は解約予告が1カ月前までと定められているケースが多いため、引っ越し日程が決まり次第、管理会社や大家に連絡するのが安心です。

引っ越しは新居探しがスタートラインです。条件整理、内見、契約確認を順序立てて進めることで、理想の住まいにスムーズに移行できますよ

引越し業者選びと見積もり準備

引越しの費用や作業の質は、業者の選び方で大きく変わります。料金だけでなく、サービス内容や作業の丁寧さ、希望日に対応してもらえるかを総合的に判断することが大切です。

複数社から見積もりを取る

まずは必ず複数の引越し業者に見積もりを依頼しましょう。一括見積もりサービスを使えば効率よく比較できますが、最低でも3社以上から直接見積もりを取り、料金の相場を把握するのがおすすめです。料金に大きな差が出る場合もあるため、比較検討を怠ると余分な出費につながります。

訪問見積もりで正確に把握

電話やオンライン見積もりだけでは荷物量の把握に限界があります。実際に担当者が訪問して荷物を確認する訪問見積もりを利用すれば、搬出経路の確認も含め、より正確な金額を提示してもらえます。訪問見積もりは無料で行う業者がほとんどなので、特に荷物が多い家庭や大型家具・家電がある場合には活用すべきです。

希望日に予約できるよう早めに動く

引越しの繁忙期である2月から4月、特に月末や土日は予約が集中します。希望日にスムーズに引越しを行うためには、少なくとも1カ月前、できれば2カ月前から見積もり依頼と予約を進めておくことが重要です。直前になって空きがなく、費用が高騰する「引越し難民」にならないよう注意しましょう。

サービス内容と信頼性を確認

料金だけで決めるのではなく、以下の点もチェックしておくと安心です。

  • ダンボールや緩衝材の無料提供の有無
  • 不用品回収や家電取り外しなどの付帯サービスの有無
  • 荷物破損時の補償内容
  • 電話対応や現場スタッフの態度

口コミや評判を調べると、サービスの質やトラブル対応について具体的な情報が得られます。

契約前の注意点

見積もりの際には「追加料金が発生しないか」を必ず確認しておきましょう。階段作業の有無や当日の作業時間延長などで思わぬ費用がかかるケースがあります。また、見積書には有効期限があるため、決定を先延ばしにしすぎないことも大切です。

引越し業者を選ぶときは料金比較だけでなく、信頼できる対応かどうかを見極めることが大事ですよ。訪問見積もりで正確に把握し、希望日を確保するためには早めの動きが欠かせません。準備を怠らなければ、安心して当日を迎えられます

荷造りの基本と効率化のコツ

引っ越し準備の中でも最も時間と労力を要するのが荷造りです。思い出の品や日常的に使うものが混在しているため、計画的に進めないと「どこに何を入れたか分からない」「必要な物がすぐ出せない」といったトラブルにつながります。ここでは基本の流れと効率化のコツを解説します。

荷造りを始めるタイミングと順序

荷造りは引っ越しの1カ月前から少しずつ始めるのが理想です。まずは季節外れの衣類やしばらく使わない趣味用品など、生活に直結しないものから取りかかります。引っ越し直前に使う食器や生活雑貨は、最後の数日でまとめれば無理なく進められます。

段ボールの使い分けとラベリング

段ボールは大・中・小をバランスよく用意し、重い物は小さな箱に、軽くてかさばる物は大きな箱に入れると運びやすくなります。段ボールには「中身」と「搬入先の部屋」を大きく記載しましょう。側面に書くと積み重ねても一目で分かり、荷ほどきが格段にスムーズになります。

割れ物や貴重品の扱い方

食器やガラス製品は新聞紙や緩衝材で1つずつ包み、箱の隙間には丸めた紙やタオルを詰めると安心です。刃物は厚紙で刃先を覆い「危険」と明記します。現金・通帳・貴重品は必ず手荷物で管理し、段ボールに入れないことが基本です。

荷物を減らす工夫

効率的な荷造りの第一歩は不用品の整理です。使っていない家電や衣類は「捨てる」「売る」「譲る」のどれかに分類しましょう。フリマアプリやリサイクルショップを活用すれば、引っ越し費用の一部を補えることもあります。荷物を減らすことで作業も楽になり、新居の収納にも余裕が生まれます。

荷造りを効率化する小技

  • ハンガーにかけたまま衣類を専用ケースやゴミ袋でまとめると時短になる
  • 本や雑誌は重くなりやすいため、小さめの箱に分けて詰める
  • 引っ越し当日に必要な「生活必需品セット(衣類1日分・洗面道具・充電器など)」を別のバッグにまとめておくと安心

荷造りは段取りと工夫次第でぐっと楽になります。無計画に始めると余計な労力を使ってしまうので、「いつ・どこから・どうやって」の3点を意識して進めるのがポイントですよ

役所や公共料金の手続き一覧

引っ越しをスムーズに進めるためには、役所での届け出やライフラインの契約手続きが欠かせません。これらは期限が定められているものも多く、後回しにするとトラブルや余計な出費につながることがあります。ここでは、引っ越しに伴う役所関連と公共料金の代表的な手続きをまとめます。

住民票・マイナンバー関連の手続き

市区町村をまたいで引っ越す場合は、まず転出届を提出し、引っ越し先では転入届を提出します。期限は引っ越しから14日以内と決められています。同じ市区町村内の移動なら転居届を提出します。あわせてマイナンバーカードの住所変更も必須で、役所の窓口で処理してもらえます。

保険や年金の住所変更

国民健康保険に加入している人は、転出時に資格喪失手続きを行い、転入先で新たに加入します。国民年金の住所変更も必要です。会社員の場合は勤務先を通じて処理されますが、自営業やフリーランスの方は役所で直接手続きすることになります。

印鑑登録や各種証明

引っ越し先で印鑑登録をする場合は、転入届後に再登録が必要です。銀行や不動産取引などで印鑑証明を使う方は忘れないようにしましょう。児童手当や福祉手当、医療制度に関する変更も役所でまとめて行うと効率的です。

自動車・バイク関連の手続き

車やバイクを所有している場合は、車庫証明や自動車検査証の住所変更が必要です。軽自動車や原付も同様に手続きを行います。ナンバープレートの変更が必要なケースもあるため、早めに運輸支局や警察署で対応しておきましょう。

犬の登録変更

ペットの中でも犬は登録が義務付けられており、引っ越し先の市区町村で住所変更をしなければなりません。狂犬病予防接種の証明書も必要になる場合があるので、事前に準備しておきましょう。

電気・ガス・水道の手続き

ライフラインの停止と開始は必ず行う必要があります。電気や水道はインターネットや電話で手続き可能ですが、ガスの開栓には立ち会いが必要です。希望日に利用を始められるように、2週間前には予約しておくのがおすすめです。

郵便物や通信関連

郵便局で転送届を出すと、1年間は旧住所宛の郵便物を新居に転送してくれます。さらにNHKや新聞、各種配達サービスも住所変更が必要です。ネットや電話で簡単にできる場合が多いため、早めにまとめて処理しておきましょう。

引っ越しの手続きは、期限を過ぎると追加の負担が生じることもあるので、チェックリストを作って一つずつ確実に片づけていくのがコツですよ。役所でまとめて処理できるものは一度に済ませ、ライフラインは早めに予約しておくと安心です

インターネットや通信関連の準備

引っ越しに伴ってインターネットや通信環境を整えることは、新生活をスムーズに始めるうえで欠かせません。オンラインでの手続きが中心となるため、繁忙期には申し込みから開通までに数週間かかるケースもあります。早めの計画を意識しましょう。

インターネット回線の解約と新規契約

現在利用しているプロバイダーや回線業者に解約手続きを行います。解約には違約金や機器返却が発生する場合があるため、契約内容を確認しましょう。同じ業者で移転手続きができる場合は、引越し先でも利用可能かどうかを必ず確認しておくことが大切です。特に集合住宅では回線が限定されるケースが多く、事前に工事の可否や対応可能なサービスを調べておくと安心です。

新規契約をする場合は、開通工事の日程が引越し後すぐに設定できるよう、少なくとも1か月前には申し込みをしておくのがおすすめです。テレワークやオンライン学習を利用する方は特に優先度を高く考えると良いでしょう。

固定電話・テレビ・宅配サービスの移転手続き

固定電話を利用している場合は、NTTなどの業者に移転手続きを依頼します。番号が変わる場合もあるため、仕事や家族との連絡で利用している方は周知の準備も必要です。ケーブルテレビや衛星放送も住所変更や撤去・設置工事が必要になることがあります。

また、新聞や食材宅配、ネット通販など定期サービスを利用している場合も、配送先住所を変更しておかないと旧住所に届いてしまうことがあるため注意が必要です。

携帯電話やクレジットカードの住所変更

携帯電話会社やクレジットカード会社の契約住所は、請求書や重要なお知らせの送付先となります。オンライン手続きで簡単に変更できるため、引越し前後のタイミングで早めに済ませましょう。インターネットバンキングや動画配信サービスなどのアカウント系サービスも忘れがちなポイントです。

パソコンやデータのバックアップ

インターネット関連の手続きとあわせて、パソコンや外付けHDDのバックアップも行っておくと安心です。引っ越し時の振動や破損でデータが失われるリスクを避けるため、クラウド保存や外部メディアへのコピーを習慣づけておくことをおすすめします。

引越しではネット回線の確保や通信関連の住所変更が後回しにされがちですが、生活の利便性に直結する重要な部分です。余裕を持った申し込みとチェックリスト管理を意識して進めると安心ですよ

引っ越し前日までにやること

引っ越し当日をスムーズに迎えるためには、前日までの準備がとても重要です。冷蔵庫や洗濯機などの大型家電の処理から、近隣への挨拶、データのバックアップまで、直前ならではのタスクを整理しておきましょう。

冷蔵庫と洗濯機の準備

冷蔵庫は前日までにコンセントを抜き、中を空にして霜取りを行います。内部の水分が残っていると運搬時に水漏れの原因となるため注意が必要です。洗濯機もホースに残った水を排出する「水抜き」を忘れずに行いましょう。取扱説明書を確認し、正しい方法で準備しておくと安心です。

貴重品と手回り品の整理

通帳や印鑑、パスポート、現金などは段ボールに入れず、自分で持ち運ぶ準備をしておきます。当日すぐに必要となるスマホの充電器や歯ブラシ、着替えなどもひとまとめにして、手荷物として管理できるようにしましょう。

荷物とダンボールの最終チェック

すでに梱包を終えたダンボールの個数を数えて、搬出時に確認できるようリスト化しておくと安心です。特に「開けたらすぐ使うもの」を分けておくと、新居での生活立ち上げがスムーズになります。

旧居と新居の掃除

退去前の旧居は敷金精算に影響するため、しっかり掃除をしておくことが大切です。新居も家具が入る前に清掃をしておくと、入居後の快適さが格段に違います。床や換気扇、浴室など、荷物が入ってからでは手間がかかる場所を中心に済ませておきましょう。

近隣への挨拶

引っ越しの前日までに、旧居の近隣住民へ「明日引っ越し作業でご迷惑をおかけするかもしれません」と一言挨拶をしておくと、騒音や出入りの多さによるトラブルを防ぐことができます。簡単なお菓子などの手土産を添えると印象も良くなります。

データのバックアップ

パソコンやスマートフォンは運搬時に破損や紛失のリスクがあるため、写真や書類などのデータは外付けHDDやクラウドにバックアップしておきましょう。特に仕事や学業に関わる重要ファイルは必須です。

引越し業者との最終確認

業者から日時や到着予定時間の連絡があることが多いため、忘れずに内容を確認しましょう。不明点があれば当日ではなく前日のうちに解消しておくと安心です。

引っ越しの前日は、気持ちも作業も慌ただしくなりがちですが、こうして一つずつチェックしておけば安心です。当日の混乱を防ぐには「前日にどれだけ整えておくか」が勝負ですよ

引越し当日にやることリスト

引越し当日は、最も慌ただしくトラブルも起こりやすい一日です。荷物の搬出入、ライフラインの切り替え、旧居の明け渡しなど、ひとつでも抜け漏れがあると後々の生活に影響します。当日の流れを整理し、効率よく行動できるように準備しておきましょう。

旧居でやること

朝から業者の到着に備えて動けるようにしておきましょう。

  • 最後に使った日用品(歯ブラシ、タオルなど)を梱包し、ダンボールの個数を最終確認する
  • 引越し業者に搬出の指示を出し、壊れやすい物や注意が必要な荷物を伝える
  • 電気はブレーカーを落とし、ガス閉栓は立ち会い、水道は停止を確認する
  • 全室を回って忘れ物チェック。押入れやベランダ、照明の取り外し忘れも見落としやすいポイント
  • 最後に掃除をして、管理会社や大家へ鍵を返却。敷金精算の立ち会いがある場合は現場で確認する

新居でやること

搬入前に最低限の確認を済ませておくと安心です。

  • 搬入前に床や壁の傷をチェックし、写真で記録しておく
  • 水回りやキッチン、床などを簡単に掃除しておくと荷物配置後の負担が減る
  • 引越し業者には家具や家電の配置を明確に伝える
  • ダンボールの数を業者と一緒に確認し、破損や紛失がないかチェック
  • 電気はブレーカーを上げればすぐ使用可能。水道は開栓手続き済みなら使用可能。ガスは開栓立ち会いを忘れずに行う
  • 料金の精算は業者の指示に従い、現金の場合は事前に準備した金額を支払う

ご近所への挨拶

戸建ての場合は向こう三軒両隣、集合住宅では両隣と上下の住戸へ簡単な手土産を持って挨拶に行くと良いでしょう。時間帯は午前10時〜夕方18時ごろまでが目安です。

荷ほどきの優先順位

すぐに使う日用品(トイレットペーパー、タオル、調理器具など)から取り出すと、生活がスムーズに始められます。荷造りの段階で部屋ごとにラベルをつけておくと効率的です。

引越し当日は、段取りをしっかり決めておくことが一番大事ですよ。旧居の閉め忘れやライフラインの停止忘れ、新居での開栓予約忘れなどは後々大きな手間になります。朝からリストを見ながら落ち着いて行動すれば、想定外のトラブルも防げます

引越し後に必ずやるべきこと

住民票やマイナンバーカードの変更

引越しが終わったら、まず役所で住民票の手続きを行います。市区町村をまたぐ場合は転入届、同じ市区町村内なら転居届を提出しましょう。あわせてマイナンバーカードや通知カードの住所変更も必要です。変更を怠ると行政サービスの利用や本人確認で不便が生じるため、引越し後14日以内の手続きが原則となります。

健康保険・年金・印鑑登録の手続き

国民健康保険や国民年金に加入している場合は、新住所での資格取得や住所変更の届け出が必要です。会社員の場合は勤務先が対応してくれることもありますが、念のため確認しておくと安心です。また、印鑑登録も旧住所では自動的に抹消されるため、新居で再登録が必要になります。

自動車やバイク関連の登録変更

自動車やバイクを所有している場合、車検証や車庫証明などの登録変更を運輸支局や警察署で行う必要があります。ナンバープレートが変わるケースもあるため、期限内に忘れずに対応しましょう。原付や小型二輪車は役所での手続きになる場合もあります。

各種ライフライン・契約サービスの住所更新

銀行口座やクレジットカード、携帯電話、保険契約など、生活に関わるサービスの住所変更を行います。郵便物が旧住所に届き続けると、重要書類を受け取れなかったり、個人情報が漏れるリスクがあります。オンラインで変更できるサービスも多いため、リストを作ってまとめて対応すると効率的です。

荷ほどきと新生活の環境整備

最低限の生活用品から荷ほどきを始め、段ボールを減らしていきます。収納場所をあらかじめ決めて整理整頓することで、後々の生活がスムーズになります。不要な梱包資材は引越し業者が回収してくれることもあるので、確認しておくと良いでしょう。

近隣への挨拶と地域ルールの確認

集合住宅や戸建てに関わらず、両隣や上下階への挨拶はトラブル防止につながります。ゴミ出しのルールや自治会への加入など、地域独自の決まりもあるため、早めに確認しておくと安心です。

引越し後は「役所の手続き」「ライフラインや金融機関の住所更新」「荷ほどきと生活環境の整備」の3本柱を押さえることが大切です。特に期限があるものを優先して、生活に直結するサービスから順に片づけると失敗しませんよ