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目次
iPhoneクイックスタート(Quick Start)とは?仕組みとできること
iPhoneの「クイックスタート(Quick Start)」は、Appleが公式に提供しているデータ移行機能です。旧iPhoneと新しいiPhoneを近づけるだけで、Wi-FiやBluetoothを使って設定やデータを自動的に転送できます。iCloudやパソコンを使う必要がなく、画面の指示に従うだけで、誰でも安全に移行が完了する点が特徴です。
クイックスタートの仕組み
クイックスタートは、旧端末が持つApple ID情報をもとに新端末を認識し、Bluetoothを介して初期設定を開始します。その後、Wi-Fi経由でデータを転送する仕組みです。これにより、ユーザーは手動でバックアップやログインを繰り返す手間を省くことができます。
通信は暗号化されており、Appleが設計したセキュアなプロトコルを使用しています。そのため、個人情報や写真・メッセージなどのプライバシーを安全に移行できます。
クイックスタートでできること
クイックスタートを使うと、次のようなデータをまとめて移行できます。
- 連絡先、メッセージ、写真、動画、アプリ、設定情報などの転送
- Face IDやTouch ID、Apple IDなどの初期設定の引き継ぎ
- eSIMやWi-Fi設定の自動移行
- Apple Pay、Siri、位置情報などの設定再現
また、iCloudを使わずに「端末間直接転送」が可能です。ネットワーク環境に左右されにくく、データ量が多い場合でも高速で安定した移行ができます。
一方で、LINEやSuicaなど一部のアプリは個別の設定が必要なため、クイックスタート後に再ログインや再登録が求められる場合があります。
クイックスタートの対応条件
この機能は、iOS 12.4以降を搭載したiPhoneで利用できます。両方の端末が近くにあり、Wi-FiとBluetoothが有効になっていることが前提です。また、データ転送中は2台の端末を操作できないため、時間に余裕のあるタイミングで実行するのがおすすめです。

クイックスタートは、複雑なバックアップ作業をしなくても、数分で新しいiPhoneを今までの状態に復元できる便利な機能です。特にiCloud容量を節約したい方や、即日でデータを移したい方にぴったりですよ
クイックスタートを使う前の準備と確認ポイント
旧端末・新端末のiOSを最新バージョンにアップデート
クイックスタートを利用する前に、旧端末と新端末の両方が最新のiOSバージョンになっているか確認してください。バージョンが古いままだと転送が途中で止まったり、エラーになることがあります。
設定アプリの「一般」→「ソフトウェア・アップデート」から、更新がある場合は事前に実行しておきましょう。
Wi-Fi・Bluetoothを有効化して安定した環境で実施
クイックスタートはWi-FiとBluetoothの通信を利用します。どちらもオンになっているかを確認し、可能であればWi-Fiルーターの近くで作業してください。通信が不安定だと、接続が切れたり転送に時間がかかることがあります。
Apple ID・パスコードを準備し、「探す」設定を確認
データ移行中にApple IDの入力や認証を求められることがあります。パスワードを思い出せないまま進めると作業が止まってしまうため、事前に確認しておきましょう。
また、「iPhoneを探す」がオンになっている場合は、アクティベーションロックがかかる可能性があります。旧端末の設定画面でオン・オフの状態を確認しておくことが大切です。
バッテリー残量を確保し、できれば電源に接続
転送途中で電源が切れると、データが欠損する恐れがあります。両端末とも50%以上のバッテリー残量があることを確認し、可能であれば充電ケーブルを接続した状態で行うと安心です。
新しいiPhoneのストレージ容量を確認
新端末のストレージが不足していると、移行できないデータが出てしまいます。不要な写真やアプリを削除するなどして、容量に余裕を持たせておきましょう。転送前に「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」から空き容量をチェックできます。
アプリや電子マネーの個別引き継ぎを準備
LINEやSuicaなど、一部のアプリや電子マネーは自動転送されません。
次のような事前準備を行っておくと安全です。
- LINE:アカウント引き継ぎ設定とトーク履歴バックアップ
- Suica:旧端末から削除後、新端末で再登録
- 銀行・証券・ゲームアプリなど:各公式サイトで手順を確認
作業時間を十分に確保する
クイックスタートの転送時間は、データ量やWi-Fi環境によって変わります。1時間以上かかることもあるため、時間に余裕のあるときに実施しましょう。作業中は2台とも操作できなくなる点にも注意してください。
念のためiCloudやPCにバックアップを取る
クイックスタートは便利ですが、万一途中で中断された場合に備えて、旧端末のデータをiCloudまたはPC(FinderやiTunes)にバックアップしておくと安心です。

クイックスタートを成功させる最大のコツは「準備を怠らないこと」です。Wi-Fi環境やiOSバージョン、Apple ID、ストレージ容量など、どれか一つでも抜けると失敗する原因になります。特にバッテリーやバックアップの確保は見落としやすいので、移行前に落ち着いてチェックしておきましょう。
クイックスタートによるデータ移行の手順(iPhoneからiPhone)
旧端末(移行元)から新端末(移行先)へ「クイックスタート」を使ってデータ移行を行う際の、具体的で失敗しにくい手順をわかりやすくまとめます。ITが苦手な方でも安心して進められるよう、ポイントを整理しています。
ステップ1:旧端末と新端末を近くに準備する
まず、旧端末と新端末の両方を以下の状態にしておきましょう。
- 両方のiPhoneが十分に充電されている(できれば電源に接続)
- 新しいiPhoneの電源を入れ、「こんにちは(Hello)」画面が表示されている
- 両方の端末を数十センチ以内に近づける
クイックスタートはBluetoothとWi-Fiを使って接続します。端末が離れすぎていると接続が切れることがあるため、常に近くに置いておきましょう。
ステップ2:「新しいiPhoneを設定」を選択
新端末の初期画面を進めると、旧端末の画面に「新しいiPhoneを設定」というポップアップが表示されます。
この画面で「続ける」をタップしてください。
もし表示されない場合は、旧端末のWi-FiとBluetoothがオンになっているかを確認し、両方の端末を再起動してから再度試してください。
ステップ3:旧端末のカメラでアニメーションを読み取る
新端末に青い円のアニメーションが表示されるので、旧端末のカメラをその上にかざしてスキャンします。
読み取りが完了すると、「新しいiPhoneでFace IDまたはTouch IDを設定」と表示されるので、指示に従って進めましょう。
次に旧端末のパスコードを入力し、本人確認を行います。
ステップ4:Face ID/Touch ID・Apple ID設定を行う
新端末側で以下の設定を進めます。
- Face IDまたはTouch IDを登録する
- Apple IDでサインインする
- Wi-Fiネットワークを選択する(モバイル通信でも可)
Apple IDの二段階認証が設定されている場合、旧端末に確認コードが届くことがあります。その場合は表示された6桁のコードを新端末に入力してください。
ステップ5:データ転送方法を選ぶ
次に表示される「データをどのように転送しますか?」の画面では、2つの方法から選べます。
- 直接転送(iPhoneからiPhoneへ):旧端末のデータをWi-Fi経由で直接コピー。速度は端末間の距離やデータ量で変わります。
- iCloud経由で復元:iCloudに保存したバックアップを利用。旧端末が手元になくても復元できますが、通信環境によっては時間がかかる場合があります。
直接転送を選ぶ場合は、両端末を電源につないだまま待機しましょう。転送中に片方を動かしたり離したりすると、途中で止まることがあります。
ステップ6:転送完了後の確認
転送が完了すると、新端末にホーム画面が表示され、基本設定が完了します。
以下の点を確認しましょう。
- 写真、連絡先、アプリが正しく表示されているか
- 旧端末で使っていたアプリのログインが必要なもの(LINEや銀行アプリなど)は別途再設定が必要
- 旧端末のデータを削除(初期化)するのは、新端末で全データの移行が完了していることを確認してから
移行が終わったら、旧端末を「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」から初期化することで、次に使う準備ができます。
よくあるトラブルと対処法
- ポップアップが出ない:BluetoothまたはWi-Fiが無効になっている可能性。両方をオンにして再起動。
- 転送が途中で止まる:端末の距離を近づけて再接続し、電源に接続して安定させる。
- 新端末がすでにセットアップ済み:初期化して「Hello」画面から再設定が必要。
- ストレージ不足:旧端末で不要データを削除し、容量を確保してから再試行。

旧端末と新端末を近くに置いて、Wi-Fiと電源を確保した状態で手順を進めれば、短時間で安全にデータ移行ができます。焦らず、画面の案内に従って順番に操作するのがポイントです。
eSIM・電話番号をクイックスタートで転送する方法
事前に確認しておきたいポイント
クイックスタートでeSIMを転送するには、いくつかの条件が整っている必要があります。次の点を確認してから作業を始めてください。
- 旧iPhoneと新iPhoneのiOSが対応バージョンであること(双方とも最新化を推奨)
- 旧iPhoneでモバイル通信が有効、通信できる状態であること
- 旧iPhoneと新iPhoneが近接し、Wi-FiとBluetoothがオンになっていること
- 旧iPhoneの画面ロック解除用パスコードを把握していること
- 物理SIMからの移行か、eSIMからeSIMの移行かを把握していること
法人・学校管理下の端末や、キャリアの契約条件によってはクイックスタートでのeSIM転送が制限される場合があります。その場合はキャリア手続き(再発行やプロファイル再配布)が必要です。
eSIMをクイックスタートで転送する手順
以下はiPhoneからiPhoneへ、同一電話番号のモバイル通信プランをeSIMで移す流れです。
- 新iPhoneの電源を入れ、言語と地域を選び、Wi-Fiに接続します。旧iPhoneを近くに置きます。
- 旧iPhoneに「新しいiPhoneを設定」という通知が出たら続けるをタップし、画面案内に従います。
- 旧iPhoneのカメラで、新iPhoneに表示されるアニメーションを読み取ります。
- 旧iPhoneのパスコードを入力し、設定移行を進めます。
- 新iPhoneにモバイル通信の設定画面が表示されたら、別のiPhoneから転送を選びます。旧iPhone側で転送の承認を行います。
- 画面の案内に従ってeSIM転送を完了させ、新iPhoneで回線の有効化を待ちます。
- 新iPhoneでアンテナピクトが表示され、通話やデータ通信ができるかを確認します。必要に応じて再起動します。
手順の途中で「あとで設定でセットアップ」を選んだ場合は、クイックスタート完了後に設定→モバイル通信→eSIMを設定から転送を再開できます。
物理SIMや別パターンの移行
- 物理SIMからの移行
旧iPhoneの電源を切り、物理SIMを取り出して新iPhoneに装着します。新iPhoneの起動後、圏外のままなら設定→モバイル通信で回線を有効化します。対応バンドの違いにより通信が不安定な場合は、キャリアのeSIMへ切り替えると安定しやすいです。 - eSIMから物理SIMへの変更
事前にキャリアで物理SIMの発行手続きを行い、差し替え後に回線のアクティベーションを実施します。契約形態によっては即日切り替えができない場合があります。 - 異なるキャリアへ乗り換える場合
クイックスタートでは電話番号の契約移行は行えません。乗り換え先のキャリアでMNP手続きとeSIMプロファイルの発行を行い、新iPhoneに追加します。
デュアルSIM運用の注意点
2つの回線を使っている場合は、主回線と副回線の割り当て、デフォルトの音声回線、モバイルデータの切り替えを新iPhoneで再設定します。
設定→モバイル通信から各回線名の変更、iMessageとFaceTimeの紐付け番号の確認も行ってください。
転送後に必ず行うチェック
- 通話の発着信、SMSの送受信、モバイルデータ通信の動作確認
- 5G設定やデータローミング、テザリングの可否
- iMessage・FaceTimeのアクティベーション状態(有効化まで数分かかる場合があります)
- 銀行系や二段階認証アプリで、SMS認証が新iPhoneで受け取れるか
転送に失敗・進まないときの対処
- 旧iPhoneと新iPhoneの再起動、Wi-FiとBluetoothのオフ→オンを実施する
- 旧iPhone側のモバイル通信を一度オフ→オンにする
- 新iPhoneの機内モードを数秒オン→オフにして回線を再検索させる
- iOSを最新に更新し、再度クイックスタートをやり直す
- どうしても進まない場合は、クイックスタートではなく設定→モバイル通信→eSIMを設定→近くのiPhoneから転送を選び、単独でeSIM移行を試す
- 契約情報の再同期が必要な場合はキャリアサポートでeSIM再発行(再ダウンロード)を行う
よくあるつまずきと回避策
- 旧iPhoneが圏外のまま
契約停止や費用未納で回線が無効だと転送が始まりません。旧iPhoneで通話やデータ通信ができる状態に戻してから再挑戦します。 - 新iPhoneで回線が無効化される
別の端末に同じeSIMを入れている、または古いプロファイルが残存して競合しています。不要な回線プロファイルを削除し、正しい回線のみ残します。 - iMessageやFaceTimeが旧番号で止まる
設定→メッセージ→送受信で新iPhoneの番号にチェックがあるか確認し、サインアウト→サインインを試します。 - 海外での利用
渡航前にローミング設定と対応周波数を確認します。現地eSIMを併用する場合はデータ優先回線の切り替えを設定します。

eSIMの転送は「条件の確認」と「回線の有効化チェック」が肝です。焦らずに順を追って設定し、通話・SMS・データ通信の3点を必ずテストしてください。デュアルSIMの方は回線の優先設定も忘れずに見直しましょう。うまくいかない時は再起動とiOS更新、それでもダメならキャリアのeSIM再発行で一気に解決できます
LINEやSuicaなど個別設定が必要なアプリの扱い
クイックスタートで多くのデータや設定は移行できますが、アカウント認証や決済・交通系・2段階認証などは、各アプリの仕様により「個別の引き継ぎ手続き」が必要になる場合があります。ここでは利用頻度が高いアプリを中心に、失敗しない流れと注意点をまとめます。
まず押さえる基本方針
アプリごとに「引き継ぎの主体」が異なります。
iPhone間の転送だけでは完結せず、クラウド側のアカウントやサーバーと再同期・再認証が必要です。以下の順番で進めると安全です。
- 旧端末での事前準備(バックアップ・アカウント確認・端末紐づけ解除)
- 新端末でのサインインや復元(必要に応じてSMS/メール認証)
- 動作確認後に旧端末の削除・初期化
LINEの安全な引き継ぎ
LINEはサーバー連携型のため、アカウント情報とトーク履歴の扱いを分けて考えます。手順の抜け漏れがあると履歴が消える可能性があります。
- 旧端末で行うこと
- 電話番号・メールアドレス・パスワードを確認します。
- トーク履歴を[設定]→[トークのバックアップ]で最新状態にバックアップします(iCloud)。
- 2段階認証を設定している場合は認証方法を確認します。
- 新端末で行うこと
- LINEを起動し、電話番号またはAppleでサインイン等からアカウントを引き継ぎます。
- iCloudバックアップからトーク履歴を復元します。
- スタンプ・着せかえ・Keep・ノート・アルバムの同期状況を確認します。
- よくある落とし穴
- アカウント情報未設定のまま機種変更すると本人確認が通らず復元できないことがあります。
- バックアップの日時が古いと最新履歴が欠落します。引き継ぎ直前に必ずバックアップしてください。
Suica/交通系ICカード(Wallet)
Suicaは「カードをサーバーに退避してから新端末へ受け取る」考え方です。Apple Watchを併用している場合は端末ごとに操作が必要です。
- 旧端末で行うこと
- WalletのSuicaを選び、必要に応じて端末からカードを削除します(残高はサーバーに保管されます)。
- Watchに入っている場合はWatch側からも削除します。
- 新端末で行うこと
- Walletを開き、Suicaを追加→既存のカードを再登録します。本人確認や生体認証を求められることがあります。
- オートチャージ・定期券の有効期限や利用開始日を確認します。
- トラブル時の対処
- 再登録できない、残高が反映されない場合は、同じApple IDでサインインしているか、端末の地域設定やネットワークを確認します。
- 定期券表示の不整合は一度端末再起動→Wallet再追加で解消することがあります。
金融・本人確認系アプリ(銀行/証券/クレカ/保険)
金融系アプリは、不正利用防止のため端末認証やSIM/電話番号を用いた多要素認証を採用しています。新端末で「初回端末登録」や「生体認証の再設定」が必要になることが多いです。
- 旧端末での準備
- アプリ内の端末登録解除・機種変更手続きがある場合は実行します。
- ワンタイムパスワード(トークン)アプリを利用中なら、移行コードやシリアルを控えます。
- 新端末での初期設定
- 会員ID/ログインID、カード番号、暗証番号を用意します。
- 生体認証(Face ID/Touch ID)と通知設定を再構成します。
- 取引時のSMS認証番号が届くかを必ず確認します。
二段階認証・ワンタイムパスワード(Authenticator/SMS/メール)
2要素認証は最優先で移行します。これを失うと多くのサービスへログインできなくなります。
- Authenticator系
- 旧端末でエクスポート機能があれば、発行されたQRコード/ファイルを新端末でインポートします。
- クラウドバックアップ対応のアプリは、同一アカウントでサインインして同期します。
- バックアップコード(回復コード)は安全な場所に保管します。
- SMS/メール型
- 新端末で番号・メールが利用できるか早めにテストします。eSIM移行直後はSMS遅延が起きることがあります。
ゲームアプリ(引き継ぎID・外部連携)
ゲームはサーバー側にデータがあるものが多いですが、アプリごとの引き継ぎ方式が異なります。ゲーム内メニューにある「引き継ぎ」「アカウント連携」を必ず確認します。
- 代表的な連携先は、Appleでサインイン/Game Center/各種SNS連携です。
- 連携がないタイトルは「引き継ぎID・パスワード」や「バックアップコード」を事前発行します。
- 決済情報とセーブデータの地域・OS縛りの有無をあらかじめ確認します。
QRコード決済・ポイント(Pay系/会員アプリ)
決済・会員アプリは不正対策で端末認証・本人確認が厳格です。新端末での初回起動時に本人確認書類の再撮影や電話番号確認を求められる場合があります。
- 決済PIN・チャージ元のカード、本人確認の提出書類の有効期限を事前に確認します。
- 家族共有端末からの移行時は、支払い元の名義・電話番号が一致しているか注意します。
- ポイントカード系はバーコード再発行やログインで復元できますが、旧端末で表示中のコードは使い回しできません。
ウォレットの各種パス・鍵・ホーム/車のキー
搭乗券・会員証・スマートキーなどは発行元によって再取得が必要です。スマートホーム/車のキーは発行元アプリから「新端末にキーを追加」する手順になります。
- スマートロックや自動車キーは、オーナー権限端末の指定があるため手順に従って移行します。
- 学校/職場のIDカードは管理者発行の再割り当てが必要なことがあります。
旧端末の初期化前チェック(短時間で回せる最終確認)
- LINEでメッセージ送受信とトーク履歴の最新化ができている
- Suica残高・定期券が表示され改札通過できる
- 主要な銀行/証券/クレカでログイン・通知・生体認証が動く
- 2段階認証アプリの全サービスコードが新端末で生成できる
- 主力のQR決済でコード表示/決済テストができる
- 仕事用メール/カレンダー/ストレージにアクセスできる
トラブル時の復旧のコツ
- 認証が通らないときは、時刻設定の自動化・ネットワーク切替(Wi-Fi/5G)・端末再起動を試します。
- SMSが届かない場合は、圏外・迷惑SMS設定・デュアルSIMのデフォルト回線設定を見直します。
- アプリ内に「機種変更」「端末再登録」メニューがある場合は、そこから手続きすると早く通ります。
- どうしても復旧できない場合は、本人確認書類と契約情報を用意し、各社サポートの「名寄せ/再発行」フローに進みます。

大事なのは「旧端末で外す→新端末で受け取る」の順番を守ることです。LINEは直前バックアップ、SuicaはWalletからの削除再追加、金融・決済は端末登録のやり直し、2段階認証は最優先で移行します。ひとつずつ動作確認してから旧端末を初期化すれば、ほぼトラブルなく乗り換えできますよ
クイックスタートができない・エラーが出る場合の対処法
クイックスタートがうまく動作しない場合、多くは通信環境や設定の不備が原因です。焦らず一つずつ確認していくことで解決できるケースがほとんどです。ここでは、代表的なエラーの原因と対処法をまとめます。
1. クイックスタート画面が出ない場合
新しいiPhoneの電源を入れても「クイックスタート」画面が表示されない場合は、以下を確認してください。
- 両方のiPhoneでBluetoothとWi-Fiが有効になっているか確認する
- 旧端末のロックを解除して、画面がスリープ状態でないことを確認する
- iOSバージョンが古い場合は、両方を最新バージョンにアップデートする
- 両方のiPhoneを近く(10cm以内)に置く
それでも表示されない場合は、一度両方の端末を再起動してから再度試しましょう。再起動により通信モジュールや一時的なキャッシュ不具合が解消されることがあります。
2. データ転送が途中で止まる・進まない場合
転送が途中で止まる場合、通信が不安定になっていることが多いです。
- Wi-Fiの電波状況を確認し、可能であればルーターの近くで行う
- モバイル通信をオフにして、Wi-Fiのみに接続する
- 他のアプリや通知を開かず、転送に専念させる
- 電源ケーブルを接続し、バッテリー不足を防ぐ
転送に時間がかかる場合は、データ量が多い(写真や動画が大量)ことも原因です。その場合は、iCloud経由での復元を検討してもよいでしょう。
3. 「認識しない」「接続できません」と表示される場合
旧端末が新端末を認識しない、または「接続できません」と表示される場合の対処法です。
- Bluetoothを一度オフ→オンに切り替える
- Wi-Fi設定をリセットする(設定 → 一般 → 転送またはiPhoneをリセット → ネットワーク設定をリセット)
- 旧端末で「別のiPhoneとして認識されていないか」を確認
- 別の場所(電波干渉の少ない環境)で再度試す
また、セキュリティ設定やVPNが影響しているケースもあるため、VPNを利用中の方は一時的にオフにして試しましょう。
4. eSIM転送ができない場合
eSIM転送が失敗する場合は、通信事業者のシステムメンテナンス時間や設定不備が原因のことがあります。
- 通信キャリアによっては転送可能な時間帯が決まっている(例:7:00~23:50など)
- モバイル通信プランの削除や再設定を行う
- eSIMを再発行する場合は、キャリアのサポートページまたは店頭での手続きが必要
eSIMの転送が終わらないまま進行してしまうと通信が使えなくなるため、安易にリセットせず、キャリアに確認するのが安全です。
5. クイックスタートでの設定が途中で終了する場合
転送中に「設定を続けられません」「通信が切断されました」と出る場合は、環境を見直しましょう。
- 両方の端末を電源に接続し、途中でスリープしないようにする
- 距離を近づけて再試行
- 転送前に不要なアプリやキャッシュを削除してストレージを整理
再試行の際は、新端末を初期化してから再度クイックスタートをやり直すとスムーズに進む場合があります。
6. Apple IDやパスコードでエラーが出る場合
認証系のエラーが出る場合は、次の点をチェックしてください。
- 旧端末と同じApple IDでログインしているか
- 二段階認証のコード入力を誤っていないか
- 一時的にAppleサーバーが混雑している場合は、時間をおいて再試行
どうしても進まない場合は、Appleサポート(公式チャットまたは電話)に連絡するのが確実です。

クイックスタートが途中で止まる場合、多くは通信環境や設定ミスが原因です。焦らず、Wi-Fi・Bluetooth・iOSのバージョン・距離・再起動を一つずつ確認していけば、ほとんどのケースで改善しますよ。もしeSIM転送などで詰まったら、キャリアサポートに早めに相談するのが安心です
クイックスタート以外のデータ移行方法
クイックスタートは便利ですが、条件が合わず使えない場合や、手元の端末が壊れているときは他の方法を選ぶ必要があります。ここでは代表的な3つのデータ移行手段を紹介します。
iCloudバックアップから復元する方法
Wi-Fi環境さえあれば、パソコンを使わずに移行できるのがiCloudバックアップです。旧iPhoneであらかじめバックアップを作成し、新しいiPhoneの初期設定時に「iCloudバックアップから復元」を選びます。
手順の流れは以下の通りです。
- 旧iPhoneで「設定」→「ユーザー名」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」を開く
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
- 新しいiPhoneの初期設定画面で「iCloudバックアップから復元」を選択
- Apple IDでサインインし、最新のバックアップデータを選んで復元
iCloudバックアップではアプリや写真、設定、メッセージなど幅広く復元できますが、容量に上限があるため、無料プラン(5GB)の場合は容量オーバーに注意が必要です。容量不足の場合は一時的に「iCloud+」へアップグレードするのがおすすめです。
iTunes(またはFinder)を使ってPC経由で復元する方法
安定したバックアップを取りたい場合は、パソコンを使った移行が確実です。WindowsではiTunes、macOS Catalina以降ではFinderを使用します。
- パソコンに旧iPhoneを接続し、iTunesまたはFinderを起動
- 「今すぐバックアップ」を選んでローカルバックアップを作成
- 新しいiPhoneを接続し、「バックアップを復元」を選択
- 作成した最新バックアップを指定してデータを復元
この方法はiCloudよりも転送速度が速く、ローカルに完全なデータを保存できる点がメリットです。特に大容量データや動画を多く扱う人に向いています。
AndroidからiPhoneへ移行する場合
Android端末からの移行は、Apple公式の「iOSに移行」アプリを使うとスムーズです。
Google Playストアでアプリをインストールし、Wi-Fi接続した状態で操作します。
主な流れは次の通りです。
- 新しいiPhoneを起動し、「Androidからデータを移行」を選択
- Android側で「iOSに移行」アプリを開き、表示されたコードを入力
- 移行したいデータ(連絡先、メッセージ、写真など)を選択
- 転送が完了するまで端末を近くに置いたままにする
一部のアプリやeSIMは自動で移行できないため、後から手動で設定が必要です。特に金融系アプリやLINEなどは、別途アカウント連携やバックアップ設定を確認しておきましょう。
キャリアショップのデータ移行サポートを利用する
「自分で操作するのは不安」「古いiPhoneが壊れて動かない」といった場合は、キャリアショップの店頭サポートを活用できます。
各キャリアでは有料・無料の移行サービスを提供しており、連絡先・写真・アプリの移行をスタッフが代行してくれます。来店前に予約が必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

クイックスタートが使えないときも、焦らなくて大丈夫ですよ。iCloud・iTunes・iOSに移行アプリの3つを状況に応じて選べば、ほとんどのデータは安全に引き継げます。慣れていない方は、キャリアショップのサポートをうまく利用するのもおすすめです
安全かつスムーズに移行するためのコツと注意点
1. 移行作業の時間と環境を確保する
iPhoneのクイックスタートは、データ量やネットワーク環境によって数十分から数時間かかることがあります。
作業中は旧端末・新端末ともに操作できないため、使用しない時間帯に実行しましょう。
また、Wi-FiとBluetoothが安定している環境で行うことが重要です。通信が不安定だと、転送が中断されたりエラーが出やすくなります。
2. バッテリーと電源確保を忘れずに
両方のiPhoneは十分に充電しておくか、電源に接続した状態で移行を行うのが理想です。
移行中にバッテリーが切れると、転送が中断したりデータ破損の恐れがあります。
画面がスリープにならないよう設定を確認しておくと、作業がよりスムーズに進みます。
3. ストレージ容量の確認と整理
新しいiPhoneのストレージ容量が足りない場合、転送が完了しないことがあります。
移行前に「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」から空き容量を確認し、不要な写真・動画・アプリを削除しておきましょう。
これにより、移行時間も短縮できます。
4. Apple IDやパスコードなどの準備
クイックスタートではApple IDの入力や二要素認証が求められる場合があります。
スムーズに進めるため、事前にIDやパスワードをメモしておくことをおすすめします。
また、「iPhoneを探す」がオンになっていると、移行後にサインアウトが必要なケースもあるため、事前に設定を確認しておきましょう。
5. 端末の位置と通信安定性を意識する
旧端末と新端末はできるだけ近くに置き、30cm以内の距離を保ちましょう。
Bluetooth通信が切れたり、他の端末が干渉すると認識エラーが起きやすくなります。
移行中は両方の端末を操作せず、静かに待つのがポイントです。
6. 個別アプリやサービスの引き継ぎに注意
クイックスタートではLINEやSuicaなど、一部のアプリや電子マネーの情報が自動では引き継がれません。
LINEは「アカウント引き継ぎ設定」と「トーク履歴バックアップ」を旧端末で実施してから移行しましょう。
Suicaの場合は旧端末から削除し、新端末のWalletアプリで再登録が必要です。
金融系やゲーム系アプリも、各公式の引き継ぎ手順を確認しておくと安心です。
7. 万一に備えてバックアップを取る
クイックスタート前に、iCloudやPC(iTunes/Finder)でバックアップを取っておくことが大切です。
転送が途中で失敗した場合でも、バックアップから復元できればデータを失う心配がありません。
写真や動画、連絡先など大切なデータは必ず二重に保存しておきましょう。
8. 移行完了後の確認と初期化のタイミング
新しいiPhoneでアプリやデータがすべて正常に動作することを確認してから、旧端末を初期化しましょう。
メールやLINE、Suicaなどのデータが揃っているか一通りチェックすることが重要です。
初期化後は「iPhoneを探す」やApple IDのサインアウトも忘れずに行いましょう。

クイックスタートはとても便利な機能ですが、「準備」「環境」「確認」の3つを意識するだけで成功率がぐっと上がります。焦らず、しっかりと確認しながら進めてくださいね


