識別されていないネットワークとは?原因と解決方法を徹底解説



目次

識別されていないネットワークとは何か

Windowsを利用していると、タスクバーのネットワークアイコンに「識別されていないネットワーク」と表示されることがあります。これは、パソコンがネットワーク接続を認識できず、正常にインターネットにアクセスできない状態を示すメッセージです。具体的には、接続先のルーターやネットワーク機器との通信がうまく確立できていないときや、設定に問題がある場合に表示されます。

この状態は、必ずしも「完全にインターネットが使えない」ことを意味するわけではありません。ローカルネットワークにだけ接続できているケースもあれば、設定次第で外部のインターネットにアクセスできないこともあります。そのため、「識別されていないネットワーク」が出たときは、まずネットワークの認識状況や接続環境を確認する必要があります。

同じくWindowsで見られる「インターネットなし」「接続制限あり」といった表示とは意味が異なります。これらはすでにネットワークが特定されているものの、その先にあるインターネットへ接続できないことを指しています。一方で「識別されていないネットワーク」は、そもそもパソコンが接続先を識別できず、ネットワーク自体が不明確な状態です。

このように「識別されていないネットワーク」とは、パソコンとネットワーク機器の間で正しい通信経路が確立できていないことを知らせる重要なサインです。原因はさまざまですが、まずはネットワーク機器や接続方法に問題がないかを順に切り分けていくことが、トラブル解決の第一歩となります。

つまり「識別されていないネットワーク」という表示は、ネットワークそのものをパソコンが理解できていないサインなんです。インターネット以前の段階でつまずいている可能性が高いので、表示が出たらまずは機器や設定を確認していきましょう

識別されていないネットワークが起きる主な原因

Windowsで「識別されていないネットワーク」と表示されるとき、その背景には複数の要因が存在します。ここでは実際に多くのユーザーが直面する代表的な原因を整理します。

LANケーブルやWi-Fiの接続不良

有線接続の場合、LANケーブルの抜けや破損、内部の断線が原因でネットワークが認識されなくなることがあります。Wi-Fi接続の場合でも、電波干渉やルーターとの距離が遠すぎることで通信が不安定になり、ネットワークが識別できない状態になるケースがあります。

ONUやルーターの不具合や設定ミス

光回線で使用するONU(回線終端装置)やルーターに不具合が発生すると、正常なIPアドレスが割り当てられず「識別されていないネットワーク」と表示されます。また、ルーターのファームウェア更新が不十分だったり、初期設定の段階で誤った値が入力されている場合も原因となります。

ネットワークアダプターやドライバーの問題

パソコン側のネットワークアダプターが故障していたり、ドライバーが古い・破損していると通信が確立できません。Windowsの更新やソフトウェアのインストール後に不具合が出ることも多く、ドライバーの状態確認が欠かせません。

IPアドレスやDNS設定の不具合

ネットワークに接続する際、PCは自動的にIPアドレスやDNSサーバー情報を取得します。ここでアドレスの取得に失敗したり、固定IPや誤ったDNSが設定されていると、ネットワークは存在していても識別できない状態になります。特に複数のネットワーク環境を切り替える人に多いトラブルです。

セキュリティソフトやファイアウォールの干渉

セキュリティソフトの機能が強すぎる場合、ネットワーク通信自体がブロックされ、未識別ネットワークとして扱われることがあります。ファイアウォールのルールが厳格すぎる場合も同様に、正しいネットワークが遮断されるケースがあります。

「識別されていないネットワーク」が出ると焦ってしまいますが、多くの場合はケーブルやルーターの確認、設定の見直しといった基本的なチェックで解決できます。問題が複雑なケースもありますが、原因をひとつずつ切り分けることで必ず改善の糸口が見つかりますよ

有線接続で確認すべきポイント

「識別されていないネットワーク」と表示された場合、有線LANで接続しているときは物理的な接続やケーブルの状態を見直すことが基本になります。Wi-Fiに比べて安定した通信ができる有線接続ですが、その分ケーブルや機器の不具合が原因になりやすいのが特徴です。以下のポイントを順に確認すると、問題の切り分けや改善につながります。

LANケーブルの状態をチェックする

LANケーブルは日常的に抜き差しを繰り返すことで、内部で断線したり端子が摩耗したりすることがあります。また、差し込みが浅いと通信が安定せず「識別されていないネットワーク」が表示されるケースもあります。
ケーブルの爪が折れていないか、コネクタ部分にぐらつきがないかを確認してください。特に古いケーブルを長く使っている場合は、経年劣化による通信不良が発生しやすいので注意が必要です。

接続機器の再接続を試す

パソコンとルーターやONU(光回線終端装置)との接続が不安定になっているときは、一度LANケーブルを抜き、数秒待ってからしっかりと差し直すことで改善することがあります。
このとき、ルーターやONU側のLANポートを変更して試すのも効果的です。特定のポートだけが故障している場合、別のポートに接続し直すことで問題が解消されるケースがあります。

LANケーブルを交換してみる

手元に予備のLANケーブルがある場合は、別のケーブルに交換して接続を試してみましょう。見た目では正常でも内部が断線している場合があるため、新しいケーブルに替えることで正常に認識されることがよくあります。
特に古い規格(CAT5など)のケーブルは通信速度や安定性に影響するため、CAT5e以上の規格に交換するのがおすすめです。

ネットワーク機器の再起動を行う

LANケーブルの確認や交換でも改善しない場合は、ONUやルーター、パソコンの再起動を試すことが有効です。長時間の稼働によって機器内部にエラーが蓄積し、一時的に認識がうまくいかなくなることがあります。
再起動する際は、機器の電源を落とした後にコンセントも抜いて数十秒待ち、改めて電源を入れることでリセット効果が期待できます。

ネットワークカードやポートの確認

パソコン側のLANポートやネットワークカードに問題がある場合も考えられます。ほこりや汚れで接触が悪くなることがあるため、軽く清掃してから再接続してみてください。外付けLANアダプターを利用している場合は、ドライバーや設定に不具合が出ていないか確認することも大切です。

有線接続のトラブルは、まずケーブルの物理的な状態を疑うのが鉄則です。差し直しや交換で解決するケースは意外と多いので、難しい設定を触る前に基本的な確認をしっかり行ってくださいね

無線接続で見直すべき設定

無線接続を利用している場合、設定や環境の影響で「識別されていないネットワーク」と表示されることがあります。特にWi-Fi環境は有線に比べて不安定になりやすいため、以下のポイントを見直すことが重要です。

Wi-Fiの再接続とネットワーク削除・再設定

一度接続しているWi-Fiを削除してから、改めてパスワードを入力し直して再接続すると改善することがあります。Windowsの「ネットワーク設定」から対象のSSIDを削除し、再検索して接続し直す手順です。暗号化方式やセキュリティキーが変更されている場合もあるため、正しい情報を入力できているかも確認してください。

有線接続での切り分け

トラブルの原因がWi-Fiにあるのか、それともインターネット回線全体にあるのかを切り分けることも大切です。有線LANケーブルを使って接続したときに問題なく通信できるなら、Wi-Fi側の設定や無線環境が原因と考えられます。この確認で、不要な設定変更や修理依頼を避けられます。

ルーター設定画面の確認

ルーターの管理画面にアクセスし、SSIDや暗号化方式、MACアドレスフィルタリングなどの設定を確認してください。設定変更やファームウェア更新で改善することがあります。また、周囲のWi-Fiとチャンネルが重なっていると接続不良の原因になるため、自動設定ではなく空いているチャンネルに切り替えるのも有効です。

無線環境の見直し

電子レンジやBluetooth機器など、電波干渉を起こしやすい家電が近くにある場合、Wi-Fi接続が不安定になることがあります。ルーターの設置場所を高い位置や壁から離した場所に移動すると安定するケースがあります。可能であれば、2.4GHz帯よりも混雑の少ない5GHz帯を利用すると効果的です。

無線接続で不安定になるときは、まずはWi-Fi設定の削除と再接続、それでも改善しないときは有線接続での確認をしてみてください。原因がルーター側の設定や環境にあることも多いので、焦らず一つずつ見直していくのが解決の近道ですよ

Windowsの設定で改善できる対処法

Windows自体の設定を見直すことで「識別されていないネットワーク」の状態を解消できる場合があります。物理的な接続やルーターに問題がないのに改善しないときは、以下の手順を試すと効果的です。

ネットワークアダプターの無効化と有効化

ネットワークアダプターは、パソコンがインターネットに接続するための重要な部品です。一時的なエラーで動作が不安定になることがあり、その際には一度「無効」にしてから「有効」に戻す操作が有効です。手順は以下のとおりです。

  • スタートメニューから「コントロールパネル」を開く
  • 「ネットワークと共有センター」を選択
  • 左側メニューの「アダプターの設定の変更」をクリック
  • 使用中のネットワークアダプターを右クリックして「無効にする」を選択
  • 数秒後に再び右クリックして「有効にする」を選択

これにより、接続がリフレッシュされて正常につながることがあります。

トラブルシューティングツールの活用

Windowsには、ネットワーク関連の不具合を自動的に検出し、修復してくれる「トラブルシューティング」機能が用意されています。特に原因が特定できないときに有効です。

  • スタートボタンから「設定」を開く
  • 「更新とセキュリティ」を選択
  • 「トラブルシューティング」から「ネットワークアダプター」を実行

自動的に診断が行われ、必要に応じて修正が適用されます。

ネットワーク設定のリセット

複数の設定変更を行っても改善しない場合は、Windowsのネットワーク設定をリセットする方法があります。これにより、ネットワーク関連の構成が初期状態に戻り、不要な不具合を解消できることがあります。

  • スタートメニューから「設定」を開く
  • 「ネットワークとインターネット」を選択
  • 「状態」タブにある「ネットワークリセット」をクリック
  • 再起動後にネットワークが初期化され、再設定が必要になります

リセット後はWi-Fiの再入力やVPN設定の再構築が必要になるため、事前に設定情報を控えておくことをおすすめします。

Windowsの設定を見直すときは、まず簡単にできるアダプターの無効化と有効化から試してみてください。それで改善しなければ、トラブルシューティングやネットワークリセットのような少し踏み込んだ方法を実行すると良いですよ

IPアドレスとDNSの確認と修正方法

「識別されていないネットワーク」と表示される原因のひとつに、IPアドレスやDNSの設定不具合があります。これらはインターネット接続の基盤であり、誤った設定や取得エラーがあるとネットワークの識別に失敗してしまいます。ここでは、IPアドレスとDNSを確認・修正する具体的な方法を解説します。

IPアドレスの再取得

IPアドレスは通常、自動的に割り当てられますが、うまく取得できない場合があります。その際はコマンド操作でリセットすると改善することがあります。

  1. Windowsの検索欄に「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを「管理者として実行」する
  2. 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押す
  • ipconfig /release(現在のIPアドレスを解放)
  • ipconfig /renew(新しいIPアドレスを取得)
  1. 再取得後にインターネット接続が復旧するか確認する

この操作で解決しない場合、固定IP設定が残っている可能性があるため、次の手順を確認してください。

IPアドレスの自動取得設定を確認

固定IPが誤って設定されているとネットワークと適合せず通信ができません。設定を見直しましょう。

  1. コントロールパネルを開き、「ネットワークと共有センター」を選択
  2. 「アダプターの設定の変更」から利用しているネットワークを右クリックし「プロパティ」を開く
  3. 「インターネットプロトコル バージョン4(TCP/IPv4)」を選択し、「プロパティ」をクリック
  4. 「IPアドレスを自動的に取得する」にチェックを入れる

誤った固定値が入力されている場合は、この設定変更で改善されることがあります。

DNSサーバーの確認と変更

DNSサーバーは、Webサイトのドメイン名をIPアドレスに変換する役割を担っています。DNSが正常に機能していないと、ネットワークは認識できてもインターネットに接続できない状態になります。

  1. 上記と同じく「インターネットプロトコル バージョン4(TCP/IPv4)」のプロパティを開く
  2. 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択し、以下のように入力してみる
  • 優先DNSサーバー:8.8.8.8(Google Public DNS)
  • 代替DNSサーバー:8.8.4.4
  1. OKを押して再接続を試す

また、Cloudflare(1.1.1.1)やOpenDNSなど、信頼できるパブリックDNSに変更することで改善するケースもあります。

設定変更後の確認

設定を反映させた後は、コマンドプロンプトで ipconfig /all を実行し、IPアドレスとDNSサーバーが正しく反映されているか確認してください。問題が解消していれば、ネットワークの識別エラーは改善されます。

IPアドレスやDNSの確認と修正は一見難しそうですが、手順通りに進めれば安全に実行できます。特に固定設定が残っているケースやDNSの不具合は意外と多いので、試してみる価値がありますよ

セキュリティソフトやファイアウォールの影響

識別されていないネットワークが表示される原因のひとつに、セキュリティソフトやファイアウォールの干渉があります。これらの機能は不正アクセスやマルウェア感染からPCを守るために欠かせないものですが、過剰に通信を制限してしまうことで正しいインターネット接続まで遮断してしまうことがあります。

セキュリティソフトが影響するケース

セキュリティソフトには、外部との通信を監視してブロックする機能が備わっています。特にサードパーティ製のセキュリティソフトは、Windows標準の設定よりも厳しいルールを適用している場合があり、その結果としてネットワークを「識別できない」と判定してしまうことがあります。アップデート直後や新しいソフトをインストールした際に発生しやすい傾向があります。

ファイアウォールによるブロック

ファイアウォールは、通信をポートやプロトコルごとに許可・拒否を行う仕組みです。Windows標準のファイアウォール設定やセキュリティソフト内蔵のファイアウォールが原因で、ネットワーク通信が遮断されるケースがあります。特に業務用PCなどでセキュリティポリシーが厳しく設定されている場合に発生しやすくなります。

一時的に無効化して確認する方法

原因を切り分けるためには、一時的にセキュリティソフトやファイアウォールを無効化して接続を確認するのが効果的です。無効化した状態でインターネットに接続できるようになれば、ソフトや設定が原因である可能性が高いと判断できます。

ただし、無効化中は外部からの攻撃リスクが高まるため、確認後は必ず再び有効に戻す必要があります。また、無効化の手順はソフトごとに異なるため、利用している製品のマニュアルを確認してください。

再有効化時の注意点

再びセキュリティ機能を有効化する際には、必要に応じて例外ルールの追加や設定変更を行うことが重要です。たとえば、使用しているネットワークを「信頼できるネットワーク」として登録することで、セキュリティを維持しながら正常に通信できるようになります。

セキュリティソフトやファイアウォールは守りの要ですが、過剰な設定が逆に通信トラブルを引き起こすことがあります。一時的に無効化して原因を特定し、必要に応じて例外設定を追加するのがポイントです。確認後は必ず再び有効に戻すことを忘れないでくださいね

自力で解決できない場合の対処策

識別されていないネットワークのエラーは、多くの場合ご自身で解決できますが、状況によっては専門知識や設備が必要になります。自力で試せる方法をすべて行っても改善しない場合は、以下のような外部サポートを活用するのが確実です。

専門業者の訪問サポートを利用する

インターネット接続の設定や不具合の原因調査を代行してくれる訪問サポートサービスがあります。自宅に専門スタッフが来てくれるため、LAN配線やルーター設定など利用者自身では分かりにくい部分まで確認してもらえます。即日対応に対応している業者もあり、急ぎの場合に頼りになります。

メーカーや購入店舗に修理を依頼する

パソコンやルーター自体の故障が疑われる場合は、メーカーの修理窓口や購入店舗に相談するのが適切です。保証期間内であれば無償または低価格で対応してもらえる可能性があります。保証が切れている場合は修理費用と新規購入のコストを比較して判断すると良いでしょう。

回線事業者やプロバイダのサポート窓口を活用する

契約している回線事業者やプロバイダでも、電話やチャット、訪問などのサポートを提供しています。回線側の障害や機器設定の不備が原因であるケースも多いため、まずは契約先に問い合わせてみることをおすすめします。大手事業者であれば24時間対応のサポート体制を整えている場合もあります。

サポートサービス付きの契約を検討する

インターネット回線やプロバイダの中には、パソコンやルーターの不具合に幅広く対応するオプションサービスを提供しているところもあります。修理・訪問・代替機貸し出しなどがセットになっているため、頻繁にトラブルが起こる環境では長期的に安心できる選択肢になります。

自分で調べても直らないときは無理に試し続けるより、専門のサポートに頼るのが早くて安全ですよ。特に回線事業者やメーカーは原因を切り分けてくれるので、結果的に無駄な時間や費用を減らすことにつながります