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iPhoneのクイックスタートとは?基本機能と仕組みを理解する
iPhoneの機種変更時に「クイックスタート」を使えば、複雑な設定を行わずにデータを引き継ぐことができます。Appleが公式に提供している安全なデータ移行機能で、iOS 12.4以降の端末で利用可能です。ここでは、クイックスタートの基本構造と仕組みをわかりやすく解説します。
クイックスタートの基本概要
クイックスタートは、古いiPhoneと新しいiPhoneを近づけるだけで、ワイヤレス通信を通じてデータや設定を移行できる仕組みです。BluetoothとWi-Fiを使って2台を連携させ、ユーザーのApple IDをもとに安全に引き継ぎを行います。
この機能の最大の特徴は、パソコンやケーブルを使わずに直接転送できる点です。従来のiTunes経由のバックアップ復元と比べて、操作が簡単で時間の短縮にもつながります。
クイックスタートの仕組み
クイックスタートは、2台のiPhoneの間で一時的な接続を作り、データを暗号化して転送します。基本的な流れは以下のとおりです。
- 新しいiPhoneの電源を入れると、設定画面に「クイックスタート」が表示される
- 古いiPhoneを近づけると、自動的に新しいiPhoneを検出し、「新しいiPhoneを設定」というメッセージが出る
- カメラを使ってペアリング認証を行い、転送を開始する
- Apple IDの認証とWi-Fi設定を共有し、データ移行が進行する
この過程では、写真・連絡先・アプリ・設定情報などがまとめて移行され、元の環境をほぼそのまま再現できます。
クイックスタートを利用できる条件
クイックスタートを使うためには、いくつかの条件を満たしている必要があります。
- 2台のiPhoneがどちらもiOS 12.4以降であること
- BluetoothとWi-Fiがオンになっていること
- Apple IDにサインインしていること
- 十分なバッテリーまたは電源接続があること
これらを満たさない場合、画面にクイックスタートの案内が表示されない、または通信が途切れる可能性があります。
クイックスタートで移行できるデータ
クイックスタートでは多くの情報を安全に引き継げます。主な対象は以下のとおりです。
- 連絡先、メッセージ、写真、動画
- ホーム画面のレイアウトや設定情報
- Wi-Fiパスワード、Apple ID、Face ID/Touch ID設定
- アプリの配置やダウンロード履歴
一方で、モバイルSuicaなど一部のデータはセキュリティ上の理由で手動再設定が必要になることがあります。
クイックスタートの利点
クイックスタートを利用する最大のメリットは「簡単さ」と「安全性」です。Appleが開発しているため、サードパーティアプリを使う必要がなく、暗号化通信で個人情報も保護されます。
また、iCloudやiTunesのバックアップを取らなくても直接転送が可能で、初心者でもスムーズに機種変更が行えます。Wi-Fi環境が安定していれば、数十分〜1時間ほどで完了するケースが多いです。

クイックスタートは、Appleが提供する公式のデータ移行機能なので、安全かつ直感的に使えるのが魅力です。初めてiPhoneを買い替える方も、仕組みを理解しておくとスムーズにデータ移行ができますよ。
クイックスタートでできること・できないことを事前に確認
iPhoneの「クイックスタート」は、機種変更時にデータ移行を簡単に行える便利な機能ですが、すべてのデータが完全にコピーされるわけではありません。ここでは、利用前に知っておきたい「できること」と「できないこと」を整理しておきましょう。
クイックスタートでできること
クイックスタートでは、Apple IDに紐づく基本データや設定をワイヤレスでほぼ自動的に移行できます。移行対象は以下のようなものです。
- 連絡先、メッセージ、通話履歴
- 写真、動画、壁紙、カメラ設定
- アプリ一覧とその配置(App Store経由で再ダウンロードされる)
- Wi-FiやBluetoothの設定、Face ID・Touch ID設定
- Apple ID・iCloud設定情報
- メールアカウント・カレンダー・メモなどのデフォルトアプリデータ
これらは、同じApple IDでサインインしていればほとんど自動で引き継がれるため、ユーザーの手間を最小限に抑えられます。
クイックスタートでできないこと
一方で、セキュリティ保護やアプリ仕様の関係で自動では引き継げないデータもあります。これらは手動で再設定や移行が必要です。
- モバイルSuicaやPASMOなどの交通系ICカード(Walletアプリで削除→再登録)
- 2段階認証アプリ(Google Authenticatorなど)のアカウント情報
- 一部の金融・暗号資産系アプリのログイン情報
- ゲームアプリのセーブデータ(アカウント連携が必要な場合あり)
- Apple Watchのペアリング設定(再ペアリングが必要)
- キャリアメール設定(例:@docomo.ne.jpなど)
また、LINEなど一部のアプリは「クイックスタートではデータがコピーされても、トーク履歴だけは別途バックアップが必要」といったケースもあるため注意が必要です。
注意すべきデータ容量と互換性
クイックスタートを行う前に、新しいiPhoneのストレージ容量が旧端末よりも小さい場合、データ移行が途中で停止することがあります。
「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」から、使用容量を事前に確認しておきましょう。
さらに、クイックスタートはiOS 12.4以降のデバイスでしか利用できません。古い端末の場合は、ソフトウェアアップデートを行ってから実行してください。
移行をスムーズに行うためのポイント
スムーズに移行を進めるためには、以下の点を押さえておくと安心です。
- iCloudバックアップを事前に取得しておく
- 新旧両方のiPhoneを満充電または電源接続した状態で実行する
- Wi-FiとBluetoothを有効化しておく
- 移行中はiPhoneを操作せず、安定した通信環境を保つ
これらの準備ができていれば、途中でエラーが発生する可能性を大幅に減らすことができます。

クイックスタートはとても便利ですが、「全部移行できる」と思い込むのは危険です。特にSuicaや認証アプリなど、手動での再設定が必要な項目をあらかじめ把握しておくことで、トラブルを未然に防げますよ。
クイックスタート前に確認すべき準備チェックリスト
iPhoneの「クイックスタート」は確かに便利な機能ですが、事前準備を怠ると途中でエラーが起きたり、一部データが移行されなかったりすることがあります。スムーズに移行を完了するためには、開始前に以下のポイントを確実にチェックしておくことが大切です。
iOSバージョンを最新にアップデートする
クイックスタートはiOS 12.4以降で動作しますが、OSのバージョンが古いと認識されない場合があります。両方のiPhoneで「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」から最新版をインストールしておきましょう。
また、セキュリティアップデートや通信安定性の改善も含まれるため、最新化は必須です。
両方のiPhoneを十分に充電しておく
データ転送中に電源が落ちると、移行が中断される可能性があります。バッテリー残量は最低でも50%以上を確保し、可能であれば電源ケーブルを接続した状態で行いましょう。特に長時間の転送や大容量データの場合は、充電状態のまま進めるのが安全です。
Wi-FiとBluetoothをオンにしておく
クイックスタートはワイヤレス通信を利用してデータを転送する仕組みです。両方のiPhoneでWi-FiとBluetoothがオンになっているかを確認してください。
もし近距離で通信が安定しない場合は、不要なWi-Fi接続を切断したり、他のBluetooth機器を一時的にオフにしておくと成功率が上がります。
iCloudバックアップを作成しておく
クイックスタートは直接転送が基本ですが、念のためiCloudバックアップを取っておくことをおすすめします。転送中に不具合が起きても、バックアップがあればすぐに復元できます。
操作手順は次のとおりです。
- 「設定」→「ユーザ名」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」を開く
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
- Wi-Fiに接続したまま完了を待つ
特にLINEのトーク履歴やアプリデータを安全に残すためにも、バックアップの作成は重要です。
ストレージ容量を確認しておく
新しいiPhoneのストレージ容量が古いiPhoneより少ない場合、データが入りきらず転送が途中で止まることがあります。
古いiPhoneで「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」を開き、使用量が新端末の容量を超えていないかを確認しましょう。不要な写真やアプリを整理しておくと、転送も早くなります。
Apple IDとパスコードを確認しておく
クイックスタート中には、古いiPhoneのパスコード入力やApple IDでのサインインが求められます。
普段Face IDやTouch IDでログインしている人は、パスコードを忘れていないかを必ずチェックしておきましょう。Apple IDのパスワードも同様に確認しておくと安心です。
モバイルSuicaや二段階認証アプリを一時的に解除
モバイルSuica、PASMO、Google Authenticatorなどのアプリは、クイックスタートでは自動移行されません。
これらは事前にログアウトやサーバー退避(削除)を行い、新しいiPhoneで再設定する必要があります。データ移行後に登録ができないトラブルを防ぐため、開始前に整理しておくことが大切です。

クイックスタートの成功は「準備8割」といっても過言ではありません。OSの更新・充電・通信設定・バックアップの4点をしっかり整えておけば、データ移行はほぼ確実に成功します。慌てず、一つずつチェックしてから進めましょう。
クイックスタート中によくあるトラブルと原因
iPhoneのクイックスタートは便利なデータ移行機能ですが、実際には「途中で止まる」「一部のデータが移らない」などのトラブルが起こることがあります。ここでは、利用者がよく遭遇する具体的なトラブルと、その原因をわかりやすく解説します。
転送が途中で止まる・「転送できません」と表示される
クイックスタートで最も多いトラブルは、データ転送が途中で止まってしまうケースです。
主な原因は次の通りです。
- Wi-Fiが一時的に切断されて通信が不安定になる
- 片方のiPhoneがスリープ状態に入る
- バッテリー残量が少なく、転送中に電源が落ちる
- Bluetoothの干渉で認識が途切れる
特にWi-FiやBluetoothは、電子レンジや別の機器の電波干渉を受けやすいため、できるだけ電波干渉の少ない場所で実施することが重要です。
また、転送中は操作を控え、両方のiPhoneを電源につないだまま放置しておくと安定します。
「新しいiPhoneを設定できません」と表示される
初期設定の段階でこのエラーが出る場合、新しいiPhoneがクイックスタートの受信準備状態になっていないことが原因です。
- 新iPhoneがすでに別のApple IDで設定済み
- OSバージョンが古く、クイックスタートに対応していない(iOS 12.4未満)
- 古いiPhoneとの距離が離れすぎている
- Bluetoothがオフになっている
この場合は、新しいiPhoneを「すべてのコンテンツと設定を消去」して初期化し、再度クイックスタートをやり直すことで改善することが多いです。
アプリやデータが一部しか移行されない
「連絡先や写真は移ったのに、一部アプリが入っていない」というトラブルも多く見られます。
この場合は、以下のような理由が考えられます。
- アプリのデータがiCloud非対応で手動移行が必要
- モバイルSuicaやGoogle Authenticatorなどの認証系アプリはセキュリティ上、個別再設定が必要
- 古いiPhoneに入っていたアプリがApp Storeから削除されている
特にモバイルSuicaや二段階認証アプリはクイックスタートでは引き継がれないため、手動で再設定を行う必要があります。事前に対象アプリを確認しておくことが重要です。
ストレージ不足で移行が途中停止する
新しいiPhoneの容量が古いiPhoneより小さい場合、移行途中で「ストレージが足りません」と表示されて止まってしまいます。
原因と対策は次の通りです。
- 原因:新iPhoneのストレージ容量が転送データ量を下回っている
- 対策:古いiPhoneで不要な写真や動画を削除し、使用容量を減らす
「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で容量を確認し、移行前に整理することでトラブルを防げます。
また、容量の大きい動画やアプリをiCloud経由にするのも有効です。
認証コード・Apple IDまわりの不具合
データ移行の途中でApple ID認証が求められる場面もあります。ここでログインできない場合、次のようなトラブルが考えられます。
- 旧端末側に2段階認証コードが送られ、確認できない
- ネットワーク制限がかかっていて認証サーバーに接続できない
- 古いApple ID情報が残っていてサインインできない
一時的に別のデバイス(iPadやMacなど)で認証コードを受け取る設定を行うとスムーズに解決できます。

クイックスタートは便利ですが、通信・容量・アプリ互換性の3点でつまずくことが多いです。転送前にWi-Fi環境やストレージ、アプリの引き継ぎ条件をしっかり確認しておけば、ほとんどのトラブルは防げますよ。
データ移行を失敗しないための具体的な注意点
iPhoneのクイックスタートは便利な機能ですが、油断すると一部のデータが移行されなかったり、途中で止まったりすることがあります。ここでは、実際のトラブルを避けるために確認しておきたい具体的な注意点を紹介します。
ストレージ容量の差に注意する
新しいiPhoneのストレージが、古いiPhoneよりも少ない場合は転送が途中で失敗します。特に写真や動画を多く保存している人は要注意です。
以下の手順で、事前にストレージ使用量を確認しましょう。
- 「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で使用容量を確認
- 不要なアプリや動画を削除して容量を確保
- iCloudにバックアップしてデータを分散
容量に余裕があることを確認してからクイックスタートを開始すると安心です。
データ転送中は操作・移動をしない
データ転送中に端末を操作したり、Wi-Fiの電波が弱い場所へ移動すると、転送が中断する可能性があります。
以下の点を意識しておきましょう。
- 転送中はiPhoneを操作しない
- 途中でスリープに入らないよう電源に接続しておく
- Wi-Fiルーターの近くに2台のiPhoneを並べて置く
特にBluetoothが切断されるとクイックスタートが再接続を求めるため、途中での移動は避けてください。
Apple Watchのペアリングを解除する
Apple Watchを使用している場合、古いiPhoneとのペアリングを事前に解除しておくことが重要です。
ペアリングを解除すると、自動的にWatchのバックアップがiPhoneに保存され、新しいiPhoneで復元できます。
- 古いiPhoneの「Watch」アプリを開く
- 「すべてのWatch」から対象のWatchを選択
- 「i」→「Apple Watchとのペアリングを解除」をタップ
これを行わずにクイックスタートを進めると、Watchのデータが復元できないケースがあります。
大容量データはiCloudやiTunesを併用して管理
クイックスタートで全データを一度に転送すると、時間がかかったりエラーが出る場合があります。特に数十GBを超える写真や動画を持っている場合は、以下の方法で分散管理しましょう。
- 写真・動画はiCloudフォトやGoogleフォトにバックアップ
- 音楽・動画などはiTunes経由でパソコンに保存
- アプリのデータは必要なものだけ選んで転送
クイックスタートはあくまで「設定と主要データ」の転送が中心と考え、容量の大きいデータは別ルートで保管するのが安全です。
通信環境とバッテリーの安定を確保
転送エラーの多くは通信不良や電池切れが原因です。安定した環境で移行を行うことが成功の鍵になります。
- Wi-Fi接続が安定している時間帯に実施
- 両方のiPhoneを満充電にしておく
- モバイルデータ通信を一時的にオフにする(干渉防止のため)
特に夜間やルーターの負荷が少ない時間帯に行うと、よりスムーズに転送できます。

クイックスタートは一見シンプルですが、事前の準備が成功を左右します。ストレージ容量や通信環境をしっかり確認して、転送中は動かさないのがポイントです。焦らず落ち着いて進めれば、安全にデータを引き継げますよ。
クイックスタートがうまくいかないときの対処法
iPhoneのクイックスタートは非常に便利な機能ですが、通信環境や設定状況によっては「途中で止まる」「接続できない」「データが一部しか移行されない」といったトラブルが発生することがあります。ここでは、うまくいかないときの具体的な対処法を紹介します。
新しいiPhoneを初期化してやり直す
クイックスタートが開始できない場合、新しいiPhoneが既に設定済みになっている可能性があります。この場合は一度初期化して、完全な初期状態に戻してから再度試してみましょう。
初期化の手順
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」を選択
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
- 画面の指示に従って初期化を完了
初期化後に再度電源を入れ、クイックスタート画面からやり直すことで正常に転送できるケースが多いです。
安定したWi-FiとBluetooth接続を確保する
クイックスタートはWi-FiとBluetoothを使ってデータを転送します。通信が不安定だとエラーが起きやすく、途中で止まる原因になります。
改善ポイント
- Wi-Fiルーターの近くで転送を行う
- 不要なネットワーク機器(スマート家電や他の端末)を一時的にオフにする
- Bluetoothを一度オフにしてから再度オンにする
- 公共Wi-Fiではなく、自宅の安定した回線を使用する
それでも接続が不安定な場合は、有線ケーブル(LightningやUSB-Cケーブル)を使って転送する方法も検討しましょう。
ストレージ不足が原因の場合はデータを整理する
転送が途中で止まる原因の多くは、新しいiPhoneのストレージ容量不足です。旧端末のデータが新しいiPhoneに入りきらない場合、移行は完了しません。
確認と対策
- 「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で容量を確認
- 不要な写真・動画・アプリを削除
- 大容量のファイルはiCloudや外部ストレージにバックアップしておく
特に動画やアプリのキャッシュデータは容量を圧迫しやすいため、整理しておくとスムーズに移行できます。
クイックスタートが途中で止まる場合の再試行手順
転送中に進行が止まった場合は、以下の順で試してください。
- 両方のiPhoneを電源に接続し直す
- Wi-FiとBluetoothを一度オフ→オン
- 両端末を再起動
- 再度クイックスタートを開始
この手順で多くのケースは解決します。どうしても改善しない場合は、iCloudバックアップからの復元やiTunes経由の移行など、別の方法に切り替えましょう。
バックアップ復元での再設定も有効
クイックスタートが繰り返し失敗する場合は、iCloudまたはパソコンに保存したバックアップから復元する方法が確実です。
- iCloud復元:Wi-Fi経由で自動的にデータをダウンロード
- iTunes復元:有線接続で転送速度が安定しやすい
どちらの方法も、Apple IDにログインしてバックアップを選択すれば復元が可能です。

クイックスタートでエラーが出ても慌てなくて大丈夫です。多くのケースは通信やストレージの見直し、初期化によるやり直しで解決します。もし何度試しても改善しない場合は、iCloudやiTunesを使った復元方法に切り替えるのが確実ですよ。
クイックスタート以外のデータ移行方法を比較
クイックスタートは便利な方法ですが、通信環境や端末の状態によってはうまく進まないこともあります。そのため、iCloudやパソコン(iTunes/Finder)を使ったバックアップ経由の移行、さらにアプリごとの個別移行など、他の手段を理解しておくことが大切です。ここではそれぞれの特徴を比較して解説します。
iCloudバックアップを使ったデータ移行
iCloudを利用すれば、ワイヤレスで簡単にデータを復元できます。Apple IDさえ同じであれば、別の場所にいても安全にデータを引き継げるのが特徴です。
手順の概要
- 古いiPhoneでiCloudバックアップを作成
設定 → 自分の名前 → iCloud → iCloudバックアップ → 今すぐバックアップを作成 - 新しいiPhoneの初期設定で「iCloudバックアップから復元」を選択
- Apple IDでサインインし、最新のバックアップを選択して復元
メリット
- パソコンが不要で、Wi-Fi環境があればどこでも移行可能
- 自動バックアップ機能を使えば常に最新のデータを保持できる
- Apple公式のセキュアな仕組みで安心
デメリット
- 無料の5GB容量では不足しやすく、追加容量の購入が必要になる場合がある
- Wi-Fi速度が遅いと復元に時間がかかる
- アプリのログイン情報など一部データは再設定が必要
iTunes(Finder)を使ったパソコン経由の移行
パソコンを使った方法は、有線接続により転送が安定しやすく、バックアップの完全性も高いのが特徴です。
手順の概要
- パソコンでiTunes(Macの場合はFinder)を起動
- 古いiPhoneを接続して「今すぐバックアップ」を実行(暗号化をオンにすると健康データも保存可能)
- 新しいiPhoneを接続し、「バックアップを復元」を選択して実行
メリット
- 有線接続のため転送速度が速く、通信エラーが起きにくい
- iCloud容量の制限を受けない
- 暗号化バックアップでアプリのログイン情報やヘルスケアデータも移行できる
デメリット
- パソコンが必要で、ケーブル接続の手間がある
- 最新のiTunesまたはmacOSでないと認識エラーが出ることがある
- 復元中はiPhoneを操作できない
アプリごとの個別データ引き継ぎ
アプリによっては、Appleのバックアップとは別にデータ移行が必要な場合があります。特に次のようなケースは注意が必要です。
- モバイルSuica/PASMO:旧iPhoneで一度削除(退避)してから、新iPhoneで再登録
- Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticator:QRコードを使った手動移行が必要
- ゲームアプリ:アカウント連携や引き継ぎコードを利用
- LINE:トーク履歴のバックアップをiCloudに保存後、ログインして復元
この方法のポイント
- アプリごとに操作が異なるため、公式サイトの手順確認が必須
- クイックスタートだけでは引き継げないデータを確実に移せる
各移行方法の比較まとめ
移行方法 | 通信環境 | 必要機材 | 移行速度 | セキュリティ | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
クイックスタート | Wi-Fiまたはケーブル | 2台のiPhone | 速い | 高い(Apple公式) | 新旧iPhoneを並べるだけでOK |
iCloud | Wi-Fi | 不要 | やや遅い | 高い | ワイヤレスで場所を選ばない |
iTunes/Finder | 有線 | パソコン | 速い | 高い | フルバックアップで完全移行 |
個別移行 | アプリ依存 | アプリにより異なる | アプリごと | 中〜高 | 特定データを確実に引き継ぎ |
それぞれの方法に強みがあるため、通信環境・端末の状態・バックアップ容量に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

クイックスタートがうまく使えないときも、焦らず他の方法を選べば問題ありません。iCloudで手軽に復元したり、パソコンで確実に移行したり、自分の環境に合った手段を選ぶのがポイントですよ。
安全かつスムーズにiPhoneを乗り換えるためのポイント
iPhoneのクイックスタート機能は非常に便利ですが、「移行後の確認」や「旧端末の扱い方」まで正しく行わないと、思わぬトラブルに発展することがあります。ここでは、データ移行を終えた後に行うべきチェックや、スムーズに新端末へ完全移行するための重要なポイントをまとめます。
移行後に必ず確認すべき設定項目
データ移行が完了したら、まずは以下の項目を一つずつ確認して、正常に動作しているかチェックしましょう。
- Apple IDとiCloudサインイン状態
設定アプリからApple IDが正しくログインされているかを確認します。App Storeの購入履歴や写真同期が機能していない場合、再ログインが必要です。 - Face ID・Touch IDの再登録
セキュリティ機能は引き継がれないため、新しいiPhoneで再度登録します。これを行わないとApple PayやApp Store購入時の認証が使えません。 - モバイル通信・eSIMの設定
eSIMを利用している場合、クイックスタート後に通信が切れているケースがあります。設定 > モバイル通信 > SIMの状態 を確認し、通信が「オン」になっているかチェックしましょう。 - アプリの通知・バックグラウンド設定
一部アプリは通知許可がリセットされるため、重要なアプリ(銀行・LINE・認証系など)は通知設定を見直してください。
旧iPhoneを初期化するタイミングと注意点
データ移行が完了しても、旧iPhoneをすぐに初期化するのは避けましょう。以下の確認が完了してから初期化するのが安全です。
- 新iPhoneで全データが正しく動作するか確認(写真・LINEトーク・Suicaなど)
- eSIMまたは物理SIMが新端末で通信できているかチェック
- Apple WatchやAirPodsのペアリングを移行済みか確認
これらがすべて問題なく動作してから、旧iPhoneの「設定」>「一般」>「転送またはiPhoneをリセット」>「すべてのコンテンツと設定を消去」で初期化しましょう。
Apple IDに紐づいた「探す(Find My)」をオフにしないと、初期化後に「アクティベーションロック」がかかってしまうため注意が必要です。
通信プランやキャリア設定の再登録
機種変更後はキャリア設定も確認が必要です。クイックスタートで移行しても、SIMやプロファイル設定が最新でない場合、通話・データ通信が不安定になることがあります。
以下を確認しておきましょう。
- キャリアアップデートの確認:設定 > 一般 > 情報 で更新通知が出た場合は「アップデート」を選択。
- モバイル通信の動作確認:Safariなどでインターネットが正常に動作するかをチェック。
- Wi-Fi接続テスト:家庭内や外出先のWi-Fiが正常に切り替わるかも確認しておきます。
特に、格安SIMやeSIMユーザーはプロファイル再インストールが必要な場合があります。
データ移行後のトラブルを防ぐ実践チェック
- クレジットカード・電子マネー(Apple PayやSuicaなど)の再設定を忘れない
- バックアップアプリ(Google Authenticatorなど)の再登録を完了させる
- LINEやSNSの通知設定が移行できているか確認
- iCloud写真が完全に同期されるまで旧端末を保管しておく
一度でも同期エラーが起こると、バックアップからの復元が必要になるため、1〜2日は旧iPhoneを手元に残しておくのが安心です。

新しいiPhoneに乗り換えた後こそ、細かい設定確認が重要です。特にeSIMやApple IDまわりの再設定を忘れると通信や同期が止まることがあります。データが無事に移行できたら、一呼吸おいて確認作業を行うのが安全ですよ。