させていただくの言い換えは?ビジネスで失礼にならない敬語と例文



目次

させていただくの意味と正しい使い方

「させていただく 言い換え」を探しているとき、最初に押さえたいのは、すべての「させていただく」を別の言葉に変える必要はないという点です。「させていただく」は敬語として使える表現であり、問題になるのは言葉そのものではなく、使う場面が合っているかどうかです。迷ったときは、まず相手の許可を受けて行うことかを考えると判断しやすくなります。

させていただくはさせてもらうを丁寧にした表現

「させていただく」は、「させてもらう」をへりくだって表現した謙譲表現です。自分が何らかの行為を行う際に、相手から許可を受けたり、その行為によって自分が恩恵を受けたりする関係が含まれます。

たとえば取引先との打ち合わせで、「来週火曜日の15時に訪問させていただきます」と伝えるケースを考えてみます。訪問は相手の了承を得たうえで行うもので、自分側にも商談や打ち合わせを行えるという利益があります。このような場面なら、「訪問させていただきます」という表現には意味があります。

一方、「資料を確認させていただきます」と伝える場面では事情が異なります。資料を確認すること自体に、通常は相手から許可をもらう必要はありません。そのため「資料を確認いたします」と書くだけでも、相手への敬意は十分に伝わります。

丁寧な表現を使おうとして「させていただく」を追加すると、敬意が強くなるように感じる人もいます。しかし敬語は、長くすれば丁寧になるものではありません。役割に合う謙譲語や丁寧語を選び、必要な情報を簡潔に伝えるほうが、ビジネスメールでは読みやすくなります。

間違いではないが使う場面を選ぶ

「させていただく」は誤用だと一律に考える必要はありません。適切な条件を満たしていれば、正しい敬語として使用できます。問題になりやすいのは、許可や恩恵が関係しない行動まで「させていただく」にしてしまう使い方です。

たとえば自分の経歴について、「大学では情報工学を専攻させていただきました」と話すと、大学や聞き手から許可を受けて専攻したような意味合いが生まれます。単に経歴を伝えるのであれば、「大学では情報工学を専攻しました」のほうが自然です。

同様に「営業部を担当させていただいております」も、場面によっては丁寧に聞こえますが、自分の所属や担当を紹介するだけなら「営業部を担当しております」で十分です。「しております」という謙譲表現がすでに入っているため、さらに「させていただく」を追加する必要性は高くありません。

ビジネスでは丁寧さより意味の関係を見る

ビジネスマナーとして重要なのは、「失礼にならないよう、とりあえず丁寧な語尾を付ける」という考え方から離れることです。見るべきなのは、自分の行為と相手との関係です。

「来週訪問させていただきます」であれば、相手が訪問を受け入れているという関係があります。「日程を変更させていただきたいのですが」であれば、相手にも予定変更の影響が及ぶため、許可を求める意味が生まれます。

反対に、「内容を確認させていただきます」「結果をご連絡させていただきます」といった表現は、「確認いたします」「ご連絡いたします」で十分な場面が多いと考えられます。言葉を短くしても敬意が失われるわけではありません。

筆者としては、迷ったときに「させていただく」を追加するより、一度「いたします」に置き換えて文章を読み直す方法をおすすめします。それでも許可を受けて行うニュアンスを残したい場合だけ、「させていただく」に戻すと、過剰敬語を避けやすくなります。

させていただく自体を避ける必要はありません。相手の許可が関係する行為なのかを考え、必要な場面だけ残すと自然な敬語になりますよ

させていただくが正しいか判断する2つの基準

取引先へのメールを書いていると、「訪問させていただきます」は自然なのに、「確認させていただきます」は少しくどく感じることがあります。この違いは感覚だけで判断する必要はありません。基本となるのは、許可と恩恵という2つの基準です。

基準1は相手や第三者の許可が必要か

最初に確認したいのは、その行動を自分だけの判断で実行できるかどうかです。自分だけでは決められず、相手や第三者から了承を受ける必要があるなら、「させていただく」が適切になる可能性があります。

たとえば訪問、予定変更、早退などは、相手や上司の了承と関係する行為です。一方、問い合わせ内容の確認、資料の作成、自分の経歴の説明などは、通常は相手から許可を受けなければ実行できない行為ではありません。

| 表現 | 許可の必要性 | 基本的な判断 |
| | | – |
| 訪問させていただきます | あり | 使いやすい |
| 日程を変更させていただきます | あり | 使いやすい |
| 早退させていただきます | あり | 使いやすい |
| 資料を確認させていただきます | 通常はなし | 言い換えやすい |
| 内容をご説明させていただきます | 通常はなし | 場面で判断 |

「許可」といっても、契約書のような明示的な承認だけを意味するわけではありません。「この時間に訪問してよい」「この予定を変更してよい」といった、相手の了承が必要な関係も含めて考えると判断しやすくなります。

基準2は自分側に恩恵があるか

2つ目は、その行動によって自分が何らかの恩恵を受けるかという基準です。

取引先を訪問できれば、商談や打ち合わせを行えます。自分の都合で日程を変更してもらえば、予定を調整できるというメリットがあります。早退を認めてもらえば、自分の事情に対応できます。このように、自分が相手から配慮や機会を受ける関係であれば、「いただく」という謙譲表現との相性がよくなります。

反対に、「会議資料を作成させていただきます」のような文章では、資料作成は自分の業務として行うだけという場合があります。相手から特別な許可や恩恵を受けていないなら、「会議資料を作成いたします」としたほうが文章の意味が明確です。

  • *許可と恩恵の両方を確認する**と、「丁寧そうだから使う」という曖昧な判断から離れられます。

迷いやすい表現は前後の状況まで見る

同じ言葉でも、状況によって判断が変わる場合があります。「説明させていただきます」が典型例です。

通常の会議で担当者として説明するのであれば、「ご説明いたします」で十分です。しかし、別の人が説明する予定だったところ、相手の了承を受けて自分が代わりに説明する場合には、「私から説明させていただきます」とする意味が生まれます。

「参加させていただきます」も同じです。自由参加の社内ミーティングなら「参加します」で足りますが、招待された会合に参加する場合は、参加の機会を与えられたという恩恵を意識して「参加させていただきます」と表現することがあります。

判断するときは、文だけを切り取るのではなく、「誰が決定権を持っているのか」「自分は何を認めてもらっているのか」を確認してください。

SNSやQ&Aサイトでも、「全部いたしますに直すべきなのか分からない」という趣旨の悩みはよく見られます。しかし、すべて置き換える必要はありません。許可がなければできない行為かどうかを最初に見るだけでも、多くのケースを整理できます。

正しいか迷ったら、言葉の丁寧さではなく許可と恩恵の関係を確認してください。2つがはっきりしている場面なら使いやすい表現ですよ

させていただくを言い換えたほうが自然な場面

「確認させていただきます」「資料を送付させていただきます」「ご説明させていただきます」。ビジネスメールを書いていると、気づかないうちに同じ語尾が並ぶことがあります。文法上ただちに問題とはいえなくても、文章全体が長くなり、肝心の用件が読み取りにくくなることがあります。

自分の業務として行うことはいたしますが使いやすい

相手への対応として当然行う業務は、「いたします」に言い換えると自然です。

たとえば顧客からシステムの不具合について問い合わせを受け、「担当部署に確認させていただきます」と返信するとします。相手から問い合わせを受けた以上、社内確認は対応業務の一部です。「担当部署に確認いたします」としても、丁寧さは保たれます。

同様に、次のような言い換えができます。

  • 内容を確認させていただきます → 内容を確認いたします
  • 担当者から連絡させていただきます → 担当者からご連絡いたします
  • 資料を送付させていただきます → 資料を送付いたします
  • 詳細をご説明させていただきます → 詳細をご説明いたします

ここで重要なのは、単純に文字数を減らすことではありません。自分が責任を持って行う行為は「いたします」で明確に伝えるという考え方です。

「確認させていただきます」より「確認いたします」のほうが、「こちらで確認する」という行動主体も伝わりやすくなります。

経歴や事実の説明ではしますで足りる

自己紹介、職務経歴、プロフィールなどでは、自分の経歴を説明するために「させていただく」を使う必要は基本的にありません。

「前職では法人営業を担当させていただいていました」と書くより、「前職では法人営業を担当していました」としたほうが、事実を簡潔に伝えられます。「大学では経営学を専攻させていただきました」も、「大学では経営学を専攻しました」で意味は十分です。

採用面接や商談では、丁寧な話し方を意識するあまり、自分の行動すべてを謙譲語にしたくなることがあります。しかし、経歴は許可を求める場面ではありません。「担当しておりました」「経験しております」といった表現でも、ビジネスに適した丁寧さを出せます。

「自分のことを話しているから、へりくだったほうがよい」という考え方だけで敬語を選ぶと、過剰敬語につながりやすくなります。

名詞を修飾するときは短くする

特に違和感が出やすいのが、「させていただきます」が後ろの名詞を修飾している文章です。

「本日配布させていただきます資料をご覧ください」という文章では、「配布させていただきます」が長く、何を見てほしいのかが一読で把握しにくくなります。「本日配布する資料をご覧ください」とすれば、意味は変わらず文章がすっきりします。競合資料でも、こうした言い換えとして「配布する」が示されています。

「今回ご紹介させていただきますサービス」なら「今回ご紹介するサービス」、「後ほど送付させていただきます資料」なら「後ほど送付する資料」とできます。

メールやWeb会議のチャットは、スマートフォンの小さな画面で読まれることもあります。一文が長くなるほど、主語と述語の関係を追いにくくなります。名詞の前では「する」に置き換えられないか確認すると、文章の視認性を上げやすくなります。

筆者としては、顧客対応メールでは「させていただく」をゼロにすることより、同じ段落に何度も登場させないことを優先したほうが実務的だと考えます。必要な1か所だけ残し、それ以外を「いたします」「します」に変えると、丁寧さと読みやすさを両立できます。

業務として行うことは「いたします」、経歴や事実は「します」と整理すると文章が軽くなります。長いほど丁寧とは限らない点を覚えておきましょう

させていただくの言い換え表現と使い分け

「させていただく」を別の言葉に変えようとしても、「いたします」と「します」のどちらを選べばよいのか迷うことがあります。言い換えは単語だけで決めるのではなく、相手との関係、文書の用途、行為に許可が必要かという3点を見ながら選ぶと整理できます。

いたしますは社外や目上の相手に使いやすい

「いたします」は「する」の謙譲表現で、ビジネスメールでは幅広く使えます。相手から許可を受ける意味を含める必要がなく、自分の行動を丁寧に伝えたい場面に向いています。

「確認いたします」「ご連絡いたします」「資料を送付いたします」「明日回答いたします」といった形なら、社外メールでも自然です。

一方、「させていただきます」には、相手の許可を受けて行うニュアンスがあります。そこが必要でなければ、「いたします」のほうが意味と敬語の役割が一致します。

| 元の表現 | 言い換え例 | 向いている場面 |
| | — | – |
| 確認させていただきます | 確認いたします | 問い合わせ対応 |
| ご連絡させていただきます | ご連絡いたします | メール・電話 |
| 送付させていただきます | 送付いたします | 資料送付 |
| 説明させていただきます | ご説明いたします | 会議・商談 |
| 参加させていただきます | 参加いたします | 許可を強調しない場合 |

ビジネスメールでは、**相手への敬意だけを表したいなら「いたします」**を第一候補にすると判断しやすくなります。

しますは社内や簡潔な文章で使いやすい

「します」は丁寧語です。「いたします」よりもへりくだりの度合いは低いものの、失礼な表現ではありません。

社内チャットで「資料を確認します」「15時までに共有します」「会議に参加します」と書く場面では、無理に「させていただきます」へ変える必要はありません。Slack、Microsoft Teams、Google Chatなどのビジネスチャットでは、短いやり取りが連続するため、簡潔な文章のほうが読みやすくなる場合があります。

もちろん、社内でも役員や目上の相手への正式な連絡なら「確認いたします」とする選択肢があります。反対に、同僚同士の進捗確認で「確認させていただきます」と毎回書くと、必要以上に距離のある文章になりやすいでしょう。

文章の用途ごとに、「社外・正式なメールならいたします」「社内の簡潔な連絡ならします」と考えておくと使い分けやすくなります。

させていただくを残すケースもある

言い換えを考える際に、すべて削除する必要はありません。許可を受けて行う行為なら、そのまま残したほうが意味を正確に表せます。

たとえば「予定していた訪問時間を16時に変更させていただけますでしょうか」という文章では、相手の了承が必要です。「16時に変更いたします」とすると、自分側だけで決定したように読める可能性があります。

「本日は15時で早退させていただきます」も、上司から許可を得た状況なら自然です。「本日は15時で早退いたします」では、職場によっては一方的な宣言に聞こえることがあります。

言い換えで大切なのは、文章を短くして意味まで変えてしまわないことです。「いたします」へ変えた結果、相手の了承が必要だった事実が消えるなら、元の「させていただく」を残したほうが適切です。

メールを書く際は、「敬語として正しいか」だけでなく、「この文を相手が読んだとき、自分の判断で決めたように見えないか」まで確認すると、実務上の行き違いを防ぎやすくなります。

言い換えは「いたします」が基本ですが、相手の了承が必要な行動まで機械的に置き換えないでください。意味の違いを残すことが大切ですよ

メール・会議・接客で使える言い換え例文

「させていただく」の使い方は、ルールだけ覚えるより、実際のビジネスシーンに当てはめたほうが理解しやすくなります。メール、会議、電話、接客では同じ言葉でも文章の組み立て方が変わるため、その場面で必要な敬意と情報量を基準にしてください。

ビジネスメールでは用件を先に伝える

問い合わせへの返信では、「確認させていただきますので、少々お待ちいただけますでしょうか」と書くことがあります。この場合、「確認」は相手の許可を得て行うものではないため、「確認いたしますので、少々お待ちください」とできます。

資料送付のメールでも同じです。「先ほどご説明させていただきました資料を送付させていただきます」とすると、一文に「させていただく」が2回入ります。

「先ほどご説明した資料を送付いたします」とすれば、伝える内容は変わりません。相手が知りたいのは「どの資料が届くのか」「何を確認すればよいのか」であり、敬語表現そのものではありません。

| 場面 | くどくなりやすい例 | 言い換え例 |
| — | – | |
| 問い合わせ | 担当部署に確認させていただきます | 担当部署に確認いたします |
| 資料送付 | 資料を送付させていただきます | 資料を送付いたします |
| 結果連絡 | 後ほどご連絡させていただきます | 後ほどご連絡いたします |
| 会議 | 内容をご説明させていただきます | 内容をご説明いたします |
| 訪問 | 明日訪問させていただきます | 必要ならそのまま使用 |

特にメールでは、同じ語尾が連続していないかを送信前に確認すると改善点を見つけやすくなります。

会議やプレゼンでは話し言葉として聞きやすくする

会議の冒頭で、「本日は新サービスについて説明させていただきます」と話す人は少なくありません。この表現が常に不適切というわけではありませんが、担当者として通常の説明をするだけなら、「本日は新サービスについてご説明いたします」で十分です。

プレゼンでは、話した文章がそのまま相手の耳に入ります。メールのように読み返せないため、長い敬語表現が続くと内容を追いにくくなります。

「こちらの画面を共有させていただきまして、操作方法をご説明させていただきます」より、「こちらの画面を共有し、操作方法をご説明いたします」としたほうが、次に何をするのかが明確です。

オンライン会議でも同様です。「画面を共有します」「資料をご説明いたします」のように、操作と説明を短く分けると聞き手が行動を把握しやすくなります。

接客や電話では相手の了承が必要かを見る

電話対応では、「担当者に代わらせていただきます」「折り返しご連絡させていただきます」といった表現が使われます。

担当者へ取り次ぐだけなら「担当者におつなぎいたします」、後ほど連絡することを伝えるなら「担当者から折り返しご連絡いたします」と言い換えられます。

一方、顧客の了承を受けて予定を変更するケースでは、「予約時間を16時に変更させていただきます」のように、「させていただく」を残す意味があります。

ここで次に当てはまるものがないか確認してください。

  • 同じメールに「させていただく」が2回以上ある
  • 相手の許可が不要な「確認」「送付」「説明」に使っている
  • 「いたします」に変えても意味が変わらない
  • 名詞の直前に「させていただきます」が付いて文章が長い
  • 丁寧に見せる目的だけで追加している

複数当てはまる場合は、文章全体を見直す価値があります。「いたします」に変えて意味が変わらなければ言い換えるという基準だけでも、かなり整理できます。

「『させていただきますが続いて文章が読みにくい』という悩み」は、ビジネス文書についての相談でもよく見られるものです。問題は単語単体より、文章全体の密度にあります。

メールは読みやすさ、会議は聞きやすさ、接客は相手の了承を基準に考えると整理できます。同じ敬語をすべての場面で使い回さないことがコツですよ

させていただくでやりがちな敬語の間違い

「丁寧に書いたつもりなのに、文章を読み返すと何となく不自然」という経験はないでしょうか。「させていただく」では、単純な使い過ぎだけでなく、二重敬語やさ入れ言葉など、別の問題が重なっているケースがあります。

拝見させていただくなどの二重敬語に注意する

「拝見」は、すでに「見る」の謙譲語です。そこへさらに「させていただく」を組み合わせた「拝見させていただきます」は、敬語を重ねた表現になります。

同じように、「伺う」は「行く・聞く」の謙譲語です。「伺わせていただきます」ではなく、「伺います」とするほうが簡潔です。資料を読む場合も、「拝読させていただきました」ではなく「拝読しました」とできます。競合情報でも、こうした例は二重敬語として注意点に挙げられています。

  • *すでに謙譲語になっている動詞へ重ねない**ことが基本です。

敬語を増やすほど相手への敬意も増えるように感じますが、実際には文法上の役割が重複し、かえって不自然になることがあります。

一文で何度も繰り返さない

次の文章を見てみます。

「お問い合わせ内容を確認させていただき、担当部署にも共有させていただいたうえで、明日までにご連絡させていただきます」

意味は伝わりますが、「させていただく」が3回あり、文章の中心が見えにくくなっています。

「お問い合わせ内容を確認し、担当部署へ共有したうえで、明日までにご連絡いたします」とすれば、行動の順序が明確になります。

一文の中に同じ語尾が何度も出てきたときは、すべてを個別に判断してください。「確認は許可が必要か」「共有は相手に認めてもらう行為か」「連絡はいたしますで足りないか」と分解すると修正しやすくなります。

送信前に次に当てはまるものがないか確認してください。

  • 拝見・拝読・伺うなど、すでに謙譲語の動詞と組み合わせている
  • 一文に「させていただく」が2回以上ある
  • 「確認させていただきます」のように許可が不要な行為に使っている
  • 「読まさせていただきます」のように余分な「さ」が入っている
  • 「頂く」と漢字で書いている

この確認だけでも、ビジネスメールで起きやすい敬語のミスをかなり減らせます。

さ入れ言葉といただくの表記も確認する

「読まさせていただきます」「乗らさせていただきます」といった表現では、本来不要な「さ」が入っています。これが、いわゆる「さ入れ言葉」です。

「読む」であれば「読ませていただく」、「乗る」であれば「乗らせていただく」とします。「させていただく」という形を多用していると、動詞との接続まで同じ形にしてしまいやすいため注意が必要です。

表記にも確認ポイントがあります。「させていただく」の「いただく」は補助動詞として使われているため、ビジネス文書ではひらがなで書くのが基本です。資料やメールで「確認させて頂きます」と変換されていたら、「確認させていただきます」と直します。

ただし、ここまで細部を整えても、そもそも「確認いたします」で十分なら、文章全体を簡潔にするほうが効果的です。文法を直す前に、その表現自体が必要かを確認するという順番にすると効率よく修正できます。

二重敬語やさ入れ言葉を直すだけでなく、そもそも「させていただく」が必要かも確認してください。不要なら短くするのが最も確実ですよ

迷ったときに使えるさせていただく言い換えチェック手順

ビジネスメールを書き終えたあと、「この『させていただく』は残して大丈夫だろうか」と迷った場合、感覚で何度も読み直す必要はありません。一定の順番で確認すると、数十秒で判断できます。

許可から順番に確認する

最初から「正しい敬語か」を考えると判断が難しくなります。まず、行為そのものの関係を確認してください。

  1. 「させていただく」の直前にある動詞を確認する
  2. その行為に相手や第三者の許可が必要か考える
  3. その行為によって自分が恩恵を受けるか確認する
  4. 許可が不要なら「いたします」または「します」に置き換える
  5. 置き換えた文章を読み、意味や相手との関係が変わっていないか確認する
  6. 同じ文や段落に「させていただく」が残り過ぎていないか確認する
  7. 最後に二重敬語やさ入れ言葉がないか確認する

たとえば「明日までに資料を確認させていただき、ご連絡させていただきます」という文章なら、最初の動詞は「確認」です。通常、資料を確認するために相手の許可は必要ありません。そのため「確認し」に変更できます。

次の「ご連絡させていただきます」も、連絡すること自体が通常業務であれば「ご連絡いたします」とできます。

最終的に「明日までに資料を確認し、ご連絡いたします」となり、意味は保ったまま文章が短くなります。

いたしますに置き換えて意味が変わるかを見る

判断が難しいときに使いやすい方法が、仮に「いたします」へ置き換えてみることです。

「明日14時に訪問させていただきます」を「明日14時に訪問いたします」とすると、一方的に訪問時間を決定したようなニュアンスになる場合があります。すでに訪問日時について合意している状況なら問題ないこともありますが、相手の了承を受けたという意味を強く残したいなら、元の表現が適しています。

反対に「資料を確認させていただきます」を「資料を確認いたします」に変えても、通常は伝える意味が変わりません。この場合は言い換えやすいと判断できます。

  • *置き換えたときに意味が変わるか**を見ると、単なる敬語の好みではなく、文意を基準に選べます。

丁寧さより許可・恩恵・読みやすさで決める

送信直前は、次の3点を見ると判断が安定します。

  • 相手の許可を受ける行為か
  • 自分が機会や配慮などの恩恵を受けるか
  • 短くしても失礼にならず、読みやすくなるか

3点のうち、許可と恩恵がはっきりしているなら、「させていただく」を残す理由があります。許可がなく、「いたします」に変えて意味も変わらないのであれば、言い換えを優先できます。

社外メールでは、「失礼にならないように」と敬語を追加し続けるより、相手が一読で要件を理解できることも重要です。特に障害報告、納期連絡、サポート対応などでは、「何が起きたか」「いつ対応するか」「誰が対応するか」が明確でなければなりません。

「確認させていただきますので、ご連絡させていただくまでお待ちいただけますでしょうか」より、「確認のうえ、本日17時までにご連絡いたします」のほうが、対応期限まで具体的に伝えられます。

筆者としては、敬語の長さより行動と期限を明確にすることを優先するのがおすすめです。適切な敬語は必要ですが、ビジネス文書の目的は相手に情報を正確に届けることだからです。

迷ったら許可、恩恵、読みやすさの順に確認してください。「いたします」に変えて意味が変わらなければ、短い表現を選ぶと整理しやすいですよ

させていただくの言い換えでよくある質問

「させていただく」は日常的に使われるため、正しい・間違いだけでは割り切れないケースがあります。FAQでは、ビジネスメールや会話で特に判断に迷いやすい表現を整理します。

させていただくは失礼な言葉ですか

失礼な言葉というわけではありません。「させていただく」は謙譲表現として使用できます。問題になるのは、相手の許可や自分への恩恵が関係しない場面まで機械的に使うケースです。

たとえば、相手の了承を得て予定を変更する場合に「日程を変更させていただきます」と伝えるのは意味のある使い方です。一方、通常業務として資料を確認するだけなら「資料を確認いたします」で十分です。

「させていただくを使ったら失礼になる」と覚えるのではなく、「許可を受けて行う行為か」を判断基準にしてください。

させていただきますといたしますはどちらが丁寧ですか

単純にどちらが上という関係ではありません。役割が異なります。

「いたします」は、自分の行動をへりくだって丁寧に伝える表現です。「確認いたします」「回答いたします」「送付いたします」のように幅広いビジネスシーンで使用できます。

「させていただきます」は、相手の許可を受け、その行為を行わせてもらうという意味を含みます。そのため、文字数が長いから丁寧、短いから失礼という判断はできません。

通常業務を伝えるなら「いたします」、相手の了承が意味の中心にあるなら「させていただきます」と使い分けるのが実務的です。

確認させていただきますは確認いたしますに変えるべきですか

多くのビジネスシーンでは「確認いたします」に言い換えられます。

顧客から「請求内容を確認してください」と依頼された場合、確認は自分側が対応すべき業務です。「社内で確認いたします」とすれば、十分に丁寧な表現です。

ただし、相手から特別に資料を閲覧する許可を受け、その機会への感謝を含めたいような状況では、「確認させていただきます」という表現が意味を持つ場合があります。

言葉だけで正誤を決めず、誰の許可を受けて何をするのかまで見て判断してください。

ご説明させていただきますは二重敬語ですか

「ご説明させていただきます」は、単純に「ご」が付いているという理由だけで、すべて二重敬語と断定できるものではありません。ただし、通常の業務として説明する場面では「ご説明いたします」のほうが簡潔です。

たとえば会議で担当者として製品機能を説明するなら、「私から新機能をご説明いたします」とできます。

一方、急きょ別の担当者に代わって説明することになり、相手の了承を得た場面なら、「私から説明させていただきます」という言い方にも意味があります。

大切なのは、「ご説明させていただきます」という形を定型文として毎回使わないことです。

メールでさせていただくが何度も続く場合はどう直しますか

最初に、すべての「させていただく」を削除する必要はありません。1つずつ動詞を確認します。

「お問い合わせ内容を確認させていただき、担当者にも共有させていただいたうえで、明日ご連絡させていただきます」であれば、「お問い合わせ内容を確認し、担当者にも共有したうえで、明日ご連絡いたします」とできます。

この修正では、「確認」「共有」は通常業務として短くし、「連絡」は「いたします」で敬意を残しています。

一文に複数あるときは、一番相手の許可との関係が強いものだけ残すという考え方も使えます。

「させていただく」を適切に言い換える目的は、敬語を減らすことではありません。相手との関係を正確に表し、読み手が内容を素早く理解できる文章にすることです。ビジネスメールでは、その基準を持っておくと表現に迷う時間も減らせます。

「させていただく」は禁止語ではありません。許可が必要なら残し、通常業務なら「いたします」に変える。この基準で考えれば多くの迷いを解消できますよ