海外でSIM(シム)カードを入れ替えるのはなぜ?理由・手順・注意点を解説



目次

海外でSIMカードを入れ替えるのはなぜ?

海外でSIMカードを入れ替える主な理由は、渡航先で利用する通信会社と料金プランを切り替えるためです。日本で使っているSIMカードには、契約者を識別するための情報が登録されており、スマートフォンはその情報を使って日本の携帯電話会社の回線へ接続します。

海外でも日本のSIMカードを入れたまま通信できる場合はあります。ただし、その通信は現地の回線を日本の携帯電話会社経由で利用する国際ローミングになるため、国内利用とは料金、利用可能なデータ容量、対応地域などが異なります。

渡航先に対応した海外用SIMカードへ入れ替えると、現地または旅行者向けの通信プランを直接利用できます。地図アプリ、翻訳アプリ、配車アプリ、航空会社のアプリなどを外出先で使いやすくなり、料金の上限も把握しやすくなります。

現地の通信料金でインターネットを使うため

海外用SIMカードの多くは、利用できる日数とデータ容量があらかじめ決まっています。たとえば、7日間で5GB、15日間で10GBといった旅行者向けのプリペイドプランです。

使用できる範囲が先に決まっているため、使った通信量に応じて料金が増え続ける従量課金よりも、旅行全体の通信費を管理しやすくなります。現地で動画を長時間視聴しないのであれば、短期旅行では数GB程度のプランでも地図や検索、メッセージの送受信に対応できます。

ただし、海外用SIMカードへ替えれば必ず安くなるわけではありません。日本で契約しているプランに海外データ通信が含まれている場合や、短期間の定額ローミングを利用できる場合は、SIMカードを交換しないほうが手軽で、料金差も小さいことがあります。

選ぶ前に、次の3点を同じ条件で比較すると判断しやすくなります。

  • 渡航日数の合計
  • 必要なデータ容量
  • 通話やSMSを利用するか

価格だけを見ると、必要な日数を満たしていないプランや、複数国を移動すると使えなくなるプランを選びがちです。ヨーロッパ周遊のように国境を越える予定がある場合は、1か国専用ではなく、対象地域内で利用できる周遊型のSIMカードかどうかも確認する必要があります。

到着直後から必要なアプリを使うため

海外旅行では、通信できない時間が思った以上に不便です。空港からホテルまでの経路を確認する、配車を依頼する、予約確認メールを表示する、同行者へ連絡するといった操作が、到着直後から必要になることがあります。

空港やホテルの無料Wi-Fiも利用できますが、接続できる場所が限られます。利用者が多くて通信が不安定になることもあり、移動中は使えません。ログイン画面でメールアドレスや電話番号の入力を求められ、すぐに接続できないケースもあります。

海外用SIMカードを正しく設定しておけば、Wi-Fiスポットを探さなくてもモバイル回線を利用できます。道に迷ったときや予定が変更されたときにも、その場で必要な情報を確認できる点が実用上の大きな違いです。

特に注意したいのは、現地到着後にSIMカードを購入する予定で、購入場所や営業時間を調べていないケースです。深夜便で到着すると販売店が閉まっていたり、空港の店舗では希望する容量が売り切れていたりします。到着後すぐに通信が必要なら、日本で購入して持参するか、出発前にeSIMを設定しておく方法が安定します。

SIMカードを替えなくてもよい場合

海外でスマートフォンを使うからといって、必ず物理SIMカードを取り出す必要はありません。次の条件に当てはまる場合は、別の方法を選べます。

  • 契約中のプランで海外データ通信を利用できる
  • 定額の国際ローミングを申し込んでいる
  • eSIM対応端末に海外用回線を追加する
  • ポケット型Wi-Fiを利用する
  • ホテルなどのWi-Fiだけで足りる

日本の電話番号で着信やSMS認証を受ける必要がある人は、物理SIMカードを外す方法が適さない場合があります。銀行、クレジットカード、各種会員サービスへのログイン時にSMS認証が必要になる可能性があるためです。

デュアルSIM対応端末なら、日本のSIMを残したまま海外用eSIMや2枚目の物理SIMを追加できます。ただし、回線ごとにデータ通信、音声通話、SMSの担当を正しく設定しなければなりません。日本の回線をデータ通信用にしたまま渡航すると、意図しない海外ローミングが発生する可能性があります。

海外用回線をモバイルデータ通信に指定し、日本の回線についてはデータローミングを無効にするのが基本です。日本の電話番号を待ち受け状態にすると、着信しただけで料金がかかる契約もあるため、通話料金の扱いも渡航前に確認しておきます。

海外でSIMカードを入れ替える目的は、カードそのものを替えることではなく、渡航先に合った通信回線と料金プランへ切り替えることです

SIMカードを入れ替えると何が変わる?

SIMカードを入れ替えると、スマートフォンが通信契約を確認するために使う情報が変わります。その結果、接続する携帯電話会社、適用される料金プラン、利用できる電話番号などが切り替わります。

一方、スマートフォン本体に保存されている写真、動画、アプリ、メモなどがSIMカードの交換だけで消えることは通常ありません。SIMカードはスマートフォンの保存容量を増やすメモリーカードではなく、主にモバイル回線の契約者を識別するためのものだからです。

変わる部分と変わらない部分を混同すると、必要のないバックアップ作業をしたり、日本の電話番号が使えないことに現地で気づいたりします。交換前に確認すべきなのは、本体データよりも電話番号、SMS認証、通信設定です。

接続先と料金プランが切り替わる

海外用SIMカードを挿入すると、スマートフォンはそのSIMが利用できる現地の通信網へ接続します。通信画面に表示される事業者名が変わり、モバイルデータ通信には海外用SIMの容量と有効期間が適用されます。

SIMカードの種類によっては、複数の通信会社から接続先が自動的に選ばれます。接続が不安定なときは、ネットワーク選択を自動から手動へ変更し、指定された通信会社を選ぶことで改善する場合があります。

交換後にアンテナ表示が出ていても、インターネットへ接続できるとは限りません。音声回線は認識していても、APNが設定されていなければデータ通信を開始できないことがあります。APNは、スマートフォンがインターネットへ接続するために使う通信先の設定です。

接続できない場合は、次の順序で確認すると原因を絞りやすくなります。

  • モバイルデータ通信が有効になっているか
  • 海外用SIMがデータ通信回線に指定されているか
  • 必要に応じてデータローミングが有効になっているか
  • 指定されたAPNが登録されているか
  • SIMの利用開始日や有効期限に問題がないか

海外用SIMでデータローミングを有効にするよう案内されることがあります。これは、購入したSIMの運営会社と、実際に接続する現地の通信会社が異なるためです。ただし、日本のSIM側までデータローミングを有効にすると、日本の契約で通信してしまう可能性があります。設定画面では、どちらの回線を操作しているかを確認する必要があります。

電話番号とSMSの受信先が変わる

日本の物理SIMカードを取り外すと、原則として、そのSIMに割り当てられた日本の電話番号では発着信やSMSの送受信ができなくなります。海外用SIMに現地の電話番号が付いていれば、その番号を使えるようになります。データ通信専用SIMの場合は、音声通話用の電話番号が付かないこともあります。

ここで迷いやすいのが、LINEなどのメッセージアプリの扱いです。すでにログイン済みのアプリは、インターネットへ接続できれば引き続き使えることが多く、SIMカードを交換しただけでアカウントが消えるわけではありません。

海外用SIMの番号に合わせようとして、アプリ内の電話番号変更操作を行う必要も通常はありません。旅行中だけ使う番号へ変更すると、帰国後の再設定や本人確認が必要になり、かえって手間が増える場合があります。

問題になりやすいのは、次のようなSMS認証です。

  • インターネットバンキングへのログイン
  • クレジットカード利用時の本人認証
  • 航空会社や予約サービスの確認
  • メールやSNSのアカウント復旧
  • 仕事用システムの二段階認証

旅行中に利用する可能性があるサービスは、認証方法を事前に確認します。認証アプリ、登録メールアドレス、バックアップコードなど、SMS以外の方法を設定できる場合は渡航前に準備しておくと安全です。

日本の番号でSMSを受ける必要があるなら、デュアルSIMで日本回線を残す方法が便利です。ただし、日本の回線をオンにしたままにする場合は、通話の着信料金や国際ローミングの条件を確認し、データ通信には使わない設定にします。

写真やアプリは通常そのまま残る

SIMカードを交換しても、本体やクラウドに保存された写真、動画、連絡先、アプリ、メッセージ履歴などは通常変わりません。ホーム画面の配置やWi-Fi設定も、SIMカードの交換だけで初期化されることはありません。

ただし、端末内のデータが消えないことと、すべてのサービスを同じ状態で使えることは別です。電話番号を利用している機能には影響が出る可能性があります。

たとえば、iPhoneではiMessageやFaceTimeの送受信先に電話番号を登録している場合、SIMの交換後に回線の再認証を求められたり、送信元がメールアドレスへ切り替わったりすることがあります。Androidでも、メッセージアプリのチャット機能が電話番号の再確認を求める場合があります。

連絡先についても、現在は本体やクラウドへ保存されているケースが多いものの、古い端末ではSIMカード内に保存されていることがあります。長年同じ端末を使っている場合は、連絡先の保存先がGoogleアカウント、iCloud、本体、SIMのどこになっているか確認しておくと確実です。

帰国後に日本のSIMカードへ戻せば、元の契約回線と電話番号を再び利用できます。日本のSIMは非常に小さいため、財布やポケットへ直接入れず、SIMケースに保管します。SIMトレイを開けるためのピンも一緒に保管しておくと、帰国時に交換できない事態を防げます。

交換後に日本の回線へつながらないときは、端末を再起動し、モバイルデータ通信に日本のSIMが指定されているかを確認します。海外用として手動入力したAPNが残っている場合は、日本の契約に合った設定へ戻す必要があります。

SIMカードを交換して変わるのは主に通信契約と電話番号であり、スマートフォン内の写真やアプリが入れ替わるわけではありません

海外でもSIMカードを入れ替えなくてよい場合

海外へ行くからといって、必ず日本のSIMカードを取り外す必要があるわけではありません。契約中の通信サービスやスマートフォンの機能、現地での使い方によっては、日本のSIMカードを挿したまま通信できます。

ただし、SIMカードを入れ替えない方法を選ぶ場合も、国内とまったく同じ条件で使えるとは限りません。海外データ通信の対象国、利用できる容量、通話料金、利用日数の制限などを渡航前に確認する必要があります。

契約中の回線を海外ローミングで使える場合

現在利用している携帯電話会社が海外向けのデータ通信を提供している場合は、日本のSIMカードをそのまま使えます。現地の通信会社の電波へ接続し、日本で契約している電話番号や回線を海外でも利用する仕組みです。

SIMトレイを開ける必要がなく、空港に到着してから端末のデータローミングを有効にするだけで利用できるプランもあります。数日程度の旅行や急な海外出張では、通信費の安さよりも設定の簡単さを優先したほうがよい場合があります。

特に、仕事の電話、日本からの緊急連絡、銀行やクレジットカードのSMS認証を受ける可能性がある人には、日本の電話番号を維持できることが大きな利点です。海外SIMへ交換すると日本の回線で着信できなくなることがありますが、国際ローミングなら番号を変えずに済みます。

確認するときは、海外で使えるという表記だけで判断しないことが重要です。次の項目を分けて調べます。

  • 渡航する国や地域が対象に含まれているか
  • データ通信を使うための申し込みが必要か
  • 国内プランの容量を海外でも利用できるか
  • 1日単位の料金と旅行全体の料金はいくらか
  • 高速通信を使える日数や容量に上限があるか
  • 音声通話やSMSがデータ料金とは別に課金されるか
  • テザリングを利用できるか

見落としやすいのが、データ通信と音声通話の料金が別になっている点です。海外データ定額へ加入していても、電話を受けただけで着信料が発生するケースがあります。現地から日本へ電話をかける場合だけでなく、日本からかかってきた電話を受ける場合の料金も確認してください。

端末側では、利用する回線だけをデータ通信用に指定します。デュアルSIM対応端末で複数の回線が登録されている場合、自動データ切り替えを有効にしたままにすると、意図しない回線へ接続する可能性があります。回線名を旅行用、日本用などに変更しておくと、設定画面で迷いにくくなります。

eSIMやポケット型Wi-Fiを使う場合

eSIM対応スマートフォンであれば、日本の物理SIMカードを挿したまま、海外用の通信プランを追加できます。SIMカードを入れ替えないため、日本のSIMを機内やホテルで紛失する心配がありません。

デュアルSIMに対応していれば、日本の回線を通話やSMSの受信用に残し、海外用eSIMをデータ通信用に設定できます。この使い方では、どちらの回線でモバイルデータ通信を行うのかを明確に指定することが大切です。

たとえば、設定画面で次のように分けます。

  • モバイルデータ通信は海外用eSIM
  • 音声通話の既定回線は日本のSIM
  • 日本のSIMのデータローミングは無効
  • 海外用eSIMのデータローミングは提供元の案内に従って設定
  • モバイルデータ通信の自動切り替えは無効

海外用eSIMのなかには、現地回線へ接続するためにデータローミングを有効にするものがあります。海外でローミングを有効にすると高額になるという知識だけで、すべての回線を無効にするとつながらないことがあります。どの回線のデータローミングを有効にするのかを区別してください。

ポケット型Wi-Fiを使う場合も、SIMカードの入れ替えは不要です。スマートフォン側のモバイルデータ通信を無効にし、レンタルした端末へWi-Fi接続します。家族や同行者のスマートフォン、タブレット、パソコンをまとめて接続したい場合に向いています。

一方で、グループが別行動をすると、ポケット型Wi-Fiを持っていない人は通信できません。端末の充電が切れた場合も全員がインターネットを使えなくなるため、モバイルバッテリーの準備と端末の管理担当を決めておく必要があります。

Wi-Fiだけで足りる旅行もある

ホテル、空港、会議施設などのWi-Fiだけで行動できる場合は、海外用のモバイル回線を契約しない選択肢もあります。滞在時間が短く、現地で地図や配車アプリを使わない場合には、通信費をかけずに済みます。

ただし、観光地を徒歩で移動する旅行や、現地で予定を変更する可能性がある場合は不便です。駅からホテルまでの道順、電子チケット、翻訳、店舗の営業時間などを外出先で確認できません。無料Wi-Fiは、接続手続きや通信速度が安定しないこともあります。

Wi-Fiだけで利用する場合は、出発前に必要な情報を端末へ保存しておきます。

  • 渡航先周辺のオフライン地図
  • 航空券や鉄道の電子チケット
  • ホテルの住所と電話番号
  • 空港から宿泊先までの経路
  • 旅行保険や緊急連絡先
  • 翻訳アプリのオフライン言語データ
  • 配車や予約に必要な画面の控え

SIMカードを入れ替えなくてよいかどうかは、通信方法だけでなく、旅行中に日本の電話番号が必要か、同行者と別行動をするか、外出先でどのアプリを使うかによって決まります。短期旅行だから通信容量は少なくてよいとは限りません。動画を見なくても、地図、写真の自動同期、アプリの更新によってデータ容量を消費するためです。

海外ローミング、eSIM、ポケット型Wi-Fi、Wi-Fiのみのどれを選ぶ場合も、料金だけでなく、現地到着後に迷わず接続できるかを基準にすると失敗を減らせます。

SIMカードを交換しなくても海外通信はできますが、日本の回線と旅行用の回線のどちらがデータ通信を担当するのか、出発前に設定を整理しておきましょう

海外SIM・eSIM・国際ローミングの違い

海外SIM、eSIM、国際ローミングは、いずれも海外でスマートフォンをインターネットへ接続する方法です。ただし、回線をスマートフォンへ登録する方法、日本の電話番号を維持できるか、現地で必要になる設定が異なります。

料金だけで決めると、現地でSMSを受け取れない、端末が対応していない、設定用のインターネット環境がないといった問題が起こります。旅行日数とデータ容量に加え、日本の電話番号を残す必要があるか、設定作業をどこまで自分で行えるかを基準に選ぶことが重要です。

海外SIMは物理カードを交換して使う

海外SIMは、渡航先または対象地域の通信に対応した物理的なSIMカードです。日本のSIMカードを端末から取り出し、購入した海外SIMへ交換して利用します。空港、家電量販店、現地の通信会社店舗、通販などで購入できる旅行者向けのプリペイドSIMが代表的です。

あらかじめ利用日数やデータ容量が決められている商品が多く、追加料金が発生しにくい点が特徴です。長期滞在やデータ通信量が多い旅行では、国際ローミングより料金を抑えやすいことがあります。

ただし、購入前に端末との組み合わせを確認しなければなりません。主な確認項目は次のとおりです。

  • スマートフォンがSIMフリーになっているか
  • SIMカードのサイズが端末に合っているか
  • 渡航先の国や地域が利用対象に含まれているか
  • データ通信専用か、通話やSMSにも対応しているか
  • 利用開始の操作やAPN設定が必要か
  • 開通日から数えるのか、最初の通信から利用期間が始まるのか
  • テザリングを利用できるか

海外SIMへ交換すると、日本のSIMカードを端末から外すため、日本の電話番号で通話やSMSを受けられなくなる場合があります。LINEなどのアプリは通常、アカウントが維持されていれば利用できますが、アプリ内で安易に電話番号の変更を行う必要はありません。

銀行、証券会社、クレジットカード、通販サイトなどでSMS認証が必要になる可能性がある人は注意が必要です。ログイン時に認証コードが日本の番号へ送られても、日本のSIMを外していると確認できません。出発前に認証方法を変更するか、必要なときだけ日本のSIMへ戻せるようにしておきます。

取り外したSIMカードは、財布へ直接入れると紛失や破損の原因になります。SIMピンと一緒に小型ケースへ保管し、預け入れ荷物ではなく手荷物に入れてください。帰国後に日本のSIMへ戻せなければ、空港から連絡や決済ができなくなることがあります。

eSIMは端末へ通信情報を追加する

eSIMは、カードを差し替える代わりに、通信プランの情報をスマートフォンへ登録して使う仕組みです。購入後に表示されるQRコードを読み取る方法や、専用アプリから追加する方法があります。

日本の物理SIMを挿したまま海外回線を追加できるため、SIMカードを保管する手間がありません。渡航前に設定しておけば、現地到着後に利用回線を切り替えるだけで通信を始められます。複数の国を移動する周遊旅行では、対象地域をまとめて利用できるeSIMが便利です。

一方で、すべてのスマートフォンがeSIMに対応しているわけではありません。同じ機種名でも、購入した国、通信会社、モデルによって対応状況が異なることがあります。端末の設定画面にeSIMを追加する項目があるか確認し、利用するサービスの対応端末一覧とも照合します。

購入後に迷いやすいのが、インストールと利用開始の違いです。eSIMを端末へ追加しただけでは利用期間が始まらず、現地の対応回線へ初めて接続した時点で開始される商品があります。反対に、インストールした時点や指定日から有効期間が進む商品もあります。早く設定しすぎると、旅行前に利用日数を消費する可能性があるため、開通条件を確認してください。

現地到着後にQRコードを表示できず、設定できない失敗もあります。QRコードがメールで届く場合、同じスマートフォンの画面に表示したコードを、そのスマートフォン自身では読み取れないことがあります。別の端末へ表示する、紙へ印刷する、手動入力用の情報を保存するなどの準備が必要です。

eSIMを誤って削除すると、同じQRコードでは再登録できない場合があります。接続できないからといって、すぐに通信プランを削除しないでください。まずは利用回線、データローミング、ネットワーク選択、機内モード、端末の再起動を順番に確認します。

国際ローミングは日本の契約を海外で使う

国際ローミングは、日本で契約しているSIMやeSIMを変更せず、渡航先の提携通信会社へ接続する方法です。新しいSIMを購入したり、回線情報を追加したりする必要がないため、3つの方法のなかでは準備が少なく済みます。

日本の電話番号を維持できるため、仕事の連絡やSMS認証を受けたい人に向いています。急な出張、乗り継ぎを含む短期滞在、スマートフォンの設定に不慣れな人にも使いやすい方法です。

注意点は、海外で使えることと、定額で使えることが同じではない点です。国際ローミング自体が有効でも、海外向け定額サービスを開始していなければ、通信量に応じて課金される可能性があります。渡航前に専用アプリや会員ページで申し込み状況を確認します。

データ料金のほか、次の費用も確認が必要です。

  • 滞在国内へ電話をかける料金
  • 日本へ電話をかける料金
  • 日本や現地からの電話を受ける料金
  • SMSを送信する料金
  • 海外定額の開始時刻と終了時刻
  • 規定容量を超えた後の速度
  • 長期間利用した場合の通信制限

海外SIMやeSIMはデータ通信専用の商品が多く、通常の電話番号が付かないことがあります。連絡にはLINE通話などのインターネット通話を使えますが、ホテルやレストラン、航空会社へ一般電話をかけたい場合には不便です。現地電話番号が必要な場合は、音声通話付きの商品かを確認します。

選択の基準を整理すると、設定の簡単さと日本の番号を重視するなら国際ローミング、物理カードを交換できて費用を抑えたいなら海外SIM、カードを外さずオンラインで準備したいならeSIMが候補になります。

旅行中に必要な通信量が少ない人でも、料金だけで最安の商品を選ぶべきとは限りません。深夜に現地へ到着する場合や、乗り継ぎ時間が短い場合は、空港でSIMを購入して設定する余裕がありません。到着直後から地図や配車アプリを使うなら、出発前に設定できるeSIMや国際ローミングのほうが安心です。

反対に、数週間以上の滞在で毎日パソコンをテザリングする場合は、データ容量と追加購入の条件を優先します。短期旅行向けの定額サービスを何日も利用するより、大容量の海外SIMやeSIMが適することがあります。

3つの方法は、通信速度だけで単純に優劣を付けられません。実際のつながりやすさは、利用する現地通信会社、滞在場所、時間帯、端末の対応周波数にも左右されます。商品説明ではデータ容量だけでなく、接続先となる通信会社やサポート方法も確認しておくと、現地で問題が起きたときに対処しやすくなります。

海外SIM、eSIM、国際ローミングは、安さだけでなく、日本の電話番号、設定の手間、到着直後の使いやすさを並べて選ぶことが大切です

海外でSIMカードを入れ替える前の確認事項

海外用SIMカードは、購入して差し替えるだけで必ず使えるわけではありません。端末の状態、SIMの対応地域、利用開始条件、日本の電話番号の扱いまで確認しておかないと、現地でカードを挿しても通信できないことがあります。出発前に確認する順番を決めておくと、原因を切り分けやすくなります。

スマートフォンが海外SIMを使える状態か確認する

最初に確認したいのは、スマートフォンがSIMフリーであることです。携帯電話会社から購入した端末でも、現在はSIMロックがかかっていない機種が増えていますが、古い端末や中古端末では制限が残っている場合があります。

iPhoneは設定画面の端末情報にあるSIMロックの項目、Androidは端末情報やSIMの状態に関する画面で確認します。表示場所は機種によって異なるため、見つからないときは端末名とSIMロック確認方法を組み合わせて調べるか、契約中の携帯電話会社に確認するのが確実です。

SIMフリーであっても、渡航先の通信会社が使う周波数帯に端末が対応していなければ、圏外になったり、都市部ではつながっても郊外で不安定になったりします。海外SIMの商品ページに対応端末の一覧がある場合は、機種名だけでなく型番まで照合してください。同じ機種名でも、販売地域や携帯電話会社によって対応周波数が異なることがあります。

物理SIMのサイズも確認が必要です。現在のスマートフォンはnanoSIMが中心ですが、古い端末ではmicroSIMを使う場合があります。複数サイズに切り離せるSIMでも、一度小さく切り離すと元の大きさには戻せません。向きを間違えて無理に押し込むと、SIMトレイや端子を傷める原因になります。

あわせて、SIMトレイを開けるためのピンを機内持ち込みの手荷物に入れておきます。現地到着後にスーツケースへ預けたままだと、空港で交換できません。専用ピンがない場合に備えて細いクリップを用意する方法もありますが、太すぎるものや先端が鋭いものは避けます。

SIMの利用国・期間・開始条件を照合する

海外SIMは、商品名にアジア周遊やヨーロッパ周遊と書かれていても、訪問予定のすべての国を含むとは限りません。乗り継ぎ地で通信したい場合は、滞在国だけでなく経由国も対象に含まれるか確認します。

国境を越える鉄道やクルーズでは、途中で別の国の回線につながることもあります。複数国を移動する予定があるなら、1か国専用SIMより周遊SIMの方が扱いやすい場合があります。

利用日数の数え方も重要です。開通した時刻から24時間を1日とする商品、現地時間の当日を1日目として数える商品、最初に通信した瞬間から連続日数を数える商品があります。日本で動作確認のために通信すると、その時点で利用期間が始まる製品もあります。開通操作を日本で行ってよいのか、現地到着後に行うのかを説明書で確認してください。

データ容量は、日数だけでなく使い方で選びます。地図、メッセージ、Web検索が中心なら使用量は比較的少なく済みますが、動画視聴、写真や動画の自動バックアップ、テザリングは消費量が増えます。

無制限と表示されたプランでも、一定量を超えると速度制限がかかる場合があります。高速通信の上限、低速化後の速度、追加チャージの可否まで見ると、現地で容量不足になったときの対応を判断できます。

購入後は、SIMカード本体だけでなく、次の情報をオフラインでも読める状態で保存します。

  • APN
  • ユーザー名とパスワード
  • 認証方式
  • 問い合わせ先
  • 開通用コード
  • 対応する現地通信会社

設定方法がWebページにしかないと、通信できない状態では開けません。画面のスクリーンショットを撮るか、説明書を手荷物に入れておくと安心です。

日本の電話番号と端末データを守る準備をする

SIMカードを交換しても、写真、アプリ、連絡先などの端末データが通常は消えるわけではありません。ただし、日本のSIMを外している間は、その回線の電話着信やSMSを受け取れないことがあります。

銀行、クレジットカード、証券会社、各種WebサービスでSMS認証を使う予定がある場合は、旅行中に認証が必要になる場面を想定してください。アプリによる認証やバックアップコードへ切り替えられるサービスは、渡航前に設定しておくと対応しやすくなります。

デュアルSIM対応端末では、日本のSIMを残したまま海外SIMやeSIMを追加できる場合があります。その場合でも、モバイルデータ通信に使う回線を海外側へ指定し、日本側回線のデータローミングをオフにしておくことが重要です。

日本の番号で着信すると、海外で着信料が発生する契約もあります。日本の回線を有効にする必要があるのか、SMS受信だけに利用できるのか、契約中の携帯電話会社で確認しておきます。

日本のSIMカードを抜く場合は、カードケースやふた付きの小袋へ入れ、パスポートケースなど決めた場所に保管します。スマートフォンケースの隙間へ挟むと、落下や破損に気づきにくくなります。SIMの金属面には触れすぎず、曲げたり水分を付けたりしないように扱います。

端末のSIM PINを有効にしている場合は、再起動後や差し替え後に暗証番号を求められることがあります。番号を繰り返し間違えるとロックされ、解除コードが必要になります。普段入力していない人ほど、出発前に正しいSIM PINと解除方法を確認しておくべきです。

海外SIMはカード選びより先に、端末・対応国・開始条件・日本の番号の4点を順番に確認すると失敗を減らせます

海外SIMカードの入れ替え方と設定手順

SIMカードの交換は、端末の電源を切り、SIMトレイを正しい方法で扱えば難しい作業ではありません。重要なのは、交換後にどの回線をデータ通信へ使うかを指定し、必要に応じてAPNとデータローミングを設定することです。

空港で慌てないよう、日本にいる間に設定画面の場所だけ確認しておくと作業が進めやすくなります。

SIMカードを安全に入れ替える

まず、Wi-Fiが使える場所で海外SIMの説明書と設定情報を開き、必要な内容をスクリーンショットで保存します。続いてスマートフォンの電源を切ります。

電源を入れたまま交換できる機種もありますが、端末がSIMを正しく認識しなかったり、操作中にトレイを傷めたりする可能性を減らすため、電源を切ってから作業する方が安全です。

端末側面にあるSIMトレイの小さな穴へSIMピンをまっすぐ差し込み、軽く押します。マイクの穴と見分けにくい機種があるため、位置が分からないまま強く押してはいけません。

トレイが少し出たら指でゆっくり引き出し、日本のSIMが載っていた向きを確認します。写真を1枚撮っておくと、帰国時に元へ戻しやすくなります。

日本のSIMをケースへ保管し、海外SIMをトレイの切り欠きに合わせて置きます。浮いている状態で差し込むと、内部でカードがずれたり、トレイが抜けなくなったりします。抵抗を感じたら押し込まず、表裏と向きを確認してください。

トレイを戻して電源を入れます。起動後にSIM PINの入力画面が出た場合は、海外SIMに付属するPINを入力します。日本のSIMで使っていた端末の画面ロック番号とは別の番号です。分からないまま試行を繰り返さず、台紙や説明書を確認します。

モバイルデータとAPNを設定する

端末がSIMを認識すると、画面上部に現地通信会社の名称や電波表示が出ます。表示されない場合でも、すぐに故障と判断せず、数分待ってから機内モードをオン・オフするか、端末を再起動します。到着直後の空港では、回線への登録に時間がかかることがあります。

iPhoneでは設定からモバイル通信を開き、海外SIMの回線をオンにして、モバイルデータ通信に使う回線として指定します。

Androidでは設定からネットワークとインターネット、SIMまたはモバイルネットワークに進み、海外SIMをモバイルデータ用として選びます。設定項目の名称は機種やOSの版によって異なります。

旅行用SIMは、現地通信会社の回線をローミング経由で利用する仕組みになっていることがあります。その場合は、海外SIM側のデータローミングをオンにしないと通信できません。デュアルSIM端末では、日本のSIM側までオンにしないよう、どちらの回線を操作しているか確認します。

自動設定されない場合はAPNを登録します。説明書に記載された内容を、そのまま正確に入力してください。

  • APN
  • ユーザー名とパスワード
  • 認証タイプ
  • APNタイプ
  • MMSCなど販売元から指定された項目

大文字と小文字、数字の0と英字のO、前後の空白を間違えると接続できません。Androidでは入力後に保存し、作成したAPNを選択する操作が必要な場合があります。

iPhoneでは、構成プロファイルをインストールする商品もあります。以前の通信会社や別の海外SIMのプロファイルが残っていると、設定が競合することがあります。販売元の説明に従い、不要なプロファイルが残っていないか確認します。

開通確認とつながらない場合の切り分け

設定後はWi-Fiをオフにし、モバイルデータ通信だけでWebページ、地図アプリ、メッセージ送信を試します。Wi-Fiにつながったままだと、海外SIMが使えているか判断できません。IP電話やSNSだけでなく、ブラウザで新しいページが開けるかを見ると確認しやすくなります。

通信できない場合は、設定を無作為に変更するのではなく、次の順番で確認します。

  1. 海外SIMが利用開始済みで、有効期間内か
  2. 渡航先が対象国に含まれているか
  3. モバイルデータ通信の回線が海外SIMになっているか
  4. 海外SIM側のデータローミングがオンか
  5. APNが説明書どおりで、保存後に選択されているか
  6. 通信会社の選択が自動になっているか
  7. 機内モードのオン・オフや再起動で再登録されるか

自動選択でつながらない場合は、販売元が指定する通信会社を手動で選ぶ方法があります。ただし、対象外の回線を選ぶと通信できないため、説明書に指定があるときだけ試します。

アンテナは立つのに通信できない場合は、APN、データ残量、利用開始処理を優先して見直します。圏外のままなら、SIMの向き、端末の対応周波数、対象通信会社を確認します。

帰国後は電源を切って日本のSIMへ戻し、モバイルデータ通信の回線を日本側へ設定します。海外SIM用に追加したAPNやプロファイルは、今後使う予定がなければ販売元の案内に従って削除します。

日本の回線で通信できること、電話番号が正しく表示されること、データローミングが不要な状態へ戻っていることまで確認すれば交換作業は完了です。

SIM交換後はWi-Fiを切って動作確認し、回線指定、ローミング、APNの順に見直すと原因を絞り込みやすくなります

海外でSIMカードを入れ替える前の確認事項

海外用SIMカードは、購入して差し替えるだけで必ず使えるわけではありません。端末の状態、SIMの対応地域、利用開始条件、日本の電話番号の扱いまで確認しておかないと、現地でカードを挿しても通信できないことがあります。出発前に確認する順番を決めておくと、原因を切り分けやすくなります。

スマートフォンが海外SIMを使える状態か確認する

最初に確認したいのは、スマートフォンがSIMフリーであることです。携帯電話会社から購入した端末でも、現在はSIMロックがかかっていない機種が増えていますが、古い端末や中古端末では制限が残っている場合があります。

iPhoneは設定画面の端末情報にあるSIMロックの項目、Androidは端末情報やSIMの状態に関する画面で確認します。表示場所は機種によって異なるため、見つからないときは端末名とSIMロック確認方法を組み合わせて調べるか、契約中の携帯電話会社に確認するのが確実です。

SIMフリーであっても、渡航先の通信会社が使う周波数帯に端末が対応していなければ、圏外になったり、都市部ではつながっても郊外で不安定になったりします。海外SIMの商品ページに対応端末の一覧がある場合は、機種名だけでなく型番まで照合してください。同じ機種名でも、販売地域や携帯電話会社によって対応周波数が異なることがあります。

物理SIMのサイズも確認が必要です。現在のスマートフォンはnanoSIMが中心ですが、古い端末ではmicroSIMを使う場合があります。複数サイズに切り離せるSIMでも、一度小さく切り離すと元の大きさには戻せません。向きを間違えて無理に押し込むと、SIMトレイや端子を傷める原因になります。

あわせて、SIMトレイを開けるためのピンを機内持ち込みの手荷物に入れておきます。現地到着後にスーツケースへ預けたままだと、空港で交換できません。専用ピンがない場合に備えて細いクリップを用意する方法もありますが、太すぎるものや先端が鋭いものは避けます。

SIMの利用国・期間・開始条件を照合する

海外SIMは、商品名にアジア周遊やヨーロッパ周遊と書かれていても、訪問予定のすべての国を含むとは限りません。乗り継ぎ地で通信したい場合は、滞在国だけでなく経由国も対象に含まれるか確認します。

国境を越える鉄道やクルーズでは、途中で別の国の回線につながることもあります。複数国を移動する予定があるなら、1か国専用SIMより周遊SIMの方が扱いやすい場合があります。

利用日数の数え方も重要です。開通した時刻から24時間を1日とする商品、現地時間の当日を1日目として数える商品、最初に通信した瞬間から連続日数を数える商品があります。日本で動作確認のために通信すると、その時点で利用期間が始まる製品もあります。開通操作を日本で行ってよいのか、現地到着後に行うのかを説明書で確認してください。

データ容量は、日数だけでなく使い方で選びます。地図、メッセージ、Web検索が中心なら使用量は比較的少なく済みますが、動画視聴、写真や動画の自動バックアップ、テザリングは消費量が増えます。

無制限と表示されたプランでも、一定量を超えると速度制限がかかる場合があります。高速通信の上限、低速化後の速度、追加チャージの可否まで見ると、現地で容量不足になったときの対応を判断できます。

購入後は、SIMカード本体だけでなく、次の情報をオフラインでも読める状態で保存します。

  • APN
  • ユーザー名とパスワード
  • 認証方式
  • 問い合わせ先
  • 開通用コード
  • 対応する現地通信会社

設定方法がWebページにしかないと、通信できない状態では開けません。画面のスクリーンショットを撮るか、説明書を手荷物に入れておくと安心です。

日本の電話番号と端末データを守る準備をする

SIMカードを交換しても、写真、アプリ、連絡先などの端末データが通常は消えるわけではありません。ただし、日本のSIMを外している間は、その回線の電話着信やSMSを受け取れないことがあります。

銀行、クレジットカード、証券会社、各種WebサービスでSMS認証を使う予定がある場合は、旅行中に認証が必要になる場面を想定してください。アプリによる認証やバックアップコードへ切り替えられるサービスは、渡航前に設定しておくと対応しやすくなります。

デュアルSIM対応端末では、日本のSIMを残したまま海外SIMやeSIMを追加できる場合があります。その場合でも、モバイルデータ通信に使う回線を海外側へ指定し、日本側回線のデータローミングをオフにしておくことが重要です。

日本の番号で着信すると、海外で着信料が発生する契約もあります。日本の回線を有効にする必要があるのか、SMS受信だけに利用できるのか、契約中の携帯電話会社で確認しておきます。

日本のSIMカードを抜く場合は、カードケースやふた付きの小袋へ入れ、パスポートケースなど決めた場所に保管します。スマートフォンケースの隙間へ挟むと、落下や破損に気づきにくくなります。SIMの金属面には触れすぎず、曲げたり水分を付けたりしないように扱います。

端末のSIM PINを有効にしている場合は、再起動後や差し替え後に暗証番号を求められることがあります。番号を繰り返し間違えるとロックされ、解除コードが必要になります。普段入力していない人ほど、出発前に正しいSIM PINと解除方法を確認しておくべきです。

海外SIMはカード選びより先に、端末・対応国・開始条件・日本の番号の4点を順番に確認すると失敗を減らせます

海外SIMカードの入れ替え方と設定手順

SIMカードの交換は、端末の電源を切り、SIMトレイを正しい方法で扱えば難しい作業ではありません。重要なのは、交換後にどの回線をデータ通信へ使うかを指定し、必要に応じてAPNとデータローミングを設定することです。

空港で慌てないよう、日本にいる間に設定画面の場所だけ確認しておくと作業が進めやすくなります。

SIMカードを安全に入れ替える

まず、Wi-Fiが使える場所で海外SIMの説明書と設定情報を開き、必要な内容をスクリーンショットで保存します。続いてスマートフォンの電源を切ります。

電源を入れたまま交換できる機種もありますが、端末がSIMを正しく認識しなかったり、操作中にトレイを傷めたりする可能性を減らすため、電源を切ってから作業する方が安全です。

端末側面にあるSIMトレイの小さな穴へSIMピンをまっすぐ差し込み、軽く押します。マイクの穴と見分けにくい機種があるため、位置が分からないまま強く押してはいけません。

トレイが少し出たら指でゆっくり引き出し、日本のSIMが載っていた向きを確認します。写真を1枚撮っておくと、帰国時に元へ戻しやすくなります。

日本のSIMをケースへ保管し、海外SIMをトレイの切り欠きに合わせて置きます。浮いている状態で差し込むと、内部でカードがずれたり、トレイが抜けなくなったりします。抵抗を感じたら押し込まず、表裏と向きを確認してください。

トレイを戻して電源を入れます。起動後にSIM PINの入力画面が出た場合は、海外SIMに付属するPINを入力します。日本のSIMで使っていた端末の画面ロック番号とは別の番号です。分からないまま試行を繰り返さず、台紙や説明書を確認します。

モバイルデータとAPNを設定する

端末がSIMを認識すると、画面上部に現地通信会社の名称や電波表示が出ます。表示されない場合でも、すぐに故障と判断せず、数分待ってから機内モードをオン・オフするか、端末を再起動します。到着直後の空港では、回線への登録に時間がかかることがあります。

iPhoneでは設定からモバイル通信を開き、海外SIMの回線をオンにして、モバイルデータ通信に使う回線として指定します。

Androidでは設定からネットワークとインターネット、SIMまたはモバイルネットワークに進み、海外SIMをモバイルデータ用として選びます。設定項目の名称は機種やOSの版によって異なります。

旅行用SIMは、現地通信会社の回線をローミング経由で利用する仕組みになっていることがあります。その場合は、海外SIM側のデータローミングをオンにしないと通信できません。デュアルSIM端末では、日本のSIM側までオンにしないよう、どちらの回線を操作しているか確認します。

自動設定されない場合はAPNを登録します。説明書に記載された内容を、そのまま正確に入力してください。

  • APN
  • ユーザー名とパスワード
  • 認証タイプ
  • APNタイプ
  • MMSCなど販売元から指定された項目

大文字と小文字、数字の0と英字のO、前後の空白を間違えると接続できません。Androidでは入力後に保存し、作成したAPNを選択する操作が必要な場合があります。

iPhoneでは、構成プロファイルをインストールする商品もあります。以前の通信会社や別の海外SIMのプロファイルが残っていると、設定が競合することがあります。販売元の説明に従い、不要なプロファイルが残っていないか確認します。

開通確認とつながらない場合の切り分け

設定後はWi-Fiをオフにし、モバイルデータ通信だけでWebページ、地図アプリ、メッセージ送信を試します。Wi-Fiにつながったままだと、海外SIMが使えているか判断できません。IP電話やSNSだけでなく、ブラウザで新しいページが開けるかを見ると確認しやすくなります。

通信できない場合は、設定を無作為に変更するのではなく、次の順番で確認します。

  1. 海外SIMが利用開始済みで、有効期間内か
  2. 渡航先が対象国に含まれているか
  3. モバイルデータ通信の回線が海外SIMになっているか
  4. 海外SIM側のデータローミングがオンか
  5. APNが説明書どおりで、保存後に選択されているか
  6. 通信会社の選択が自動になっているか
  7. 機内モードのオン・オフや再起動で再登録されるか

自動選択でつながらない場合は、販売元が指定する通信会社を手動で選ぶ方法があります。ただし、対象外の回線を選ぶと通信できないため、説明書に指定があるときだけ試します。

アンテナは立つのに通信できない場合は、APN、データ残量、利用開始処理を優先して見直します。圏外のままなら、SIMの向き、端末の対応周波数、対象通信会社を確認します。

帰国後は電源を切って日本のSIMへ戻し、モバイルデータ通信の回線を日本側へ設定します。海外SIM用に追加したAPNやプロファイルは、今後使う予定がなければ販売元の案内に従って削除します。

日本の回線で通信できること、電話番号が正しく表示されること、データローミングが不要な状態へ戻っていることまで確認すれば交換作業は完了です。

SIM交換後はWi-Fiを切って動作確認し、回線指定、ローミング、APNの順に見直すと原因を絞り込みやすくなります

SIMカード交換後に注意したい電話番号と認証

海外SIMへ入れ替えた直後に最も迷いやすいのは、インターネットは使えるのに、日本で使っていた電話番号への着信やSMS認証が受けられなくなるケースです。SIMカードを交換しても、写真、連絡先、インストール済みのアプリが消えるわけではありません。しかし、電話番号を提供している回線そのものは切り替わるため、日本のSIMを端末から外している間は、その番号宛ての通話やSMSを受信できないことがあります。

特に注意したいのが、銀行、証券会社、クレジットカード、決済アプリ、通販サイトなどの本人確認です。ログイン時や高額決済時にワンタイムパスワードがSMSで送られる設定になっていると、海外で必要になった瞬間に認証できません。旅行前は「普段ログインできているから大丈夫」と考えず、再ログイン、送金、カード利用確認、パスワード再設定まで想定して準備することが重要です。

日本の電話番号で受け取れなくなるものを確認する

海外SIMがデータ通信専用の場合、そのSIMには通話用の電話番号が付いていないか、付いていても現地回線用の番号です。日本の番号は海外SIMへ引き継がれません。日本のSIMを抜いた状態では、日本の番号にかかってきた電話を取れず、SMSも端末に届かない可能性があります。

渡航前に、次のサービスでSMS認証を使っていないか確認しておくと安心です。

  • 銀行や証券会社のログイン、振込、出金
  • クレジットカードの本人認証や不正利用確認
  • QRコード決済や電子マネーの再ログイン
  • GoogleアカウントやApple Accountの本人確認
  • 通販サイト、ホテル予約、航空会社アプリの認証
  • 仕事用システムやクラウドサービスの二段階認証

確認するときは、アプリを開けるかどうかだけでなく、登録電話番号と認証方法の設定画面まで見ます。認証アプリ、メール、バックアップコードなど、SMS以外の方法へ切り替えられるサービスもあります。バックアップコードを保存する場合は、スマートフォンだけに残さず、紙や別端末など、通信障害時にも確認できる場所へ保管した方が安全です。

クレジットカードでは、通常の買い物はできても、オンライン決済の本人認証だけSMSが必要になることがあります。現地の交通券、航空券、配車アプリを急いで購入するときに止まりやすい部分です。出発前に少額決済を試す必要はありませんが、カード会社の登録情報と認証手段は確認しておきましょう。

アプリの電話番号を不用意に変更しない

LINEなどのメッセージアプリは、SIMカードを交換しただけで直ちに使えなくなるとは限りません。すでにログイン済みでインターネットへ接続できれば、通常どおりメッセージや通話を利用できることがあります。ここでやりがちな失敗は、海外SIMに表示された現地番号へ、アプリの登録電話番号まで変更してしまうことです。

短期旅行で一時的に海外SIMを使うだけなら、アプリ側の電話番号変更は必要ないケースが大半です。設定を変更すると、再認証やアカウント引き継ぎが必要になり、元の番号へ戻す際にも手間が増えます。アプリを再インストールしたり、ログアウトしたり、端末を初期化したりすると、再ログイン時に日本の番号へのSMSが必要になる場合もあります。旅行中は、不要なアカウント設定変更を避ける方が安全です。

iPhoneでは、SIM交換後にiMessageやFaceTimeで使用する番号の表示が変わることがあります。日本の番号が利用できない状態では、メールアドレスを送受信用として使えるかを確認します。Androidでも、Googleメッセージなどのチャット機能が電話番号の再確認を求める場合があります。通信できているのにメッセージだけ届かないときは、モバイル回線ではなく、アプリ内の送受信設定を確認してください。

デュアルSIMは日本回線の課金設定まで確認する

物理SIMとeSIMを同時に使える端末なら、日本のSIMを音声通話とSMS用、海外SIMをデータ通信用として併用できます。この方法なら、日本の番号宛てのSMS認証を受け取りやすくなります。ただし、日本回線を有効にしているだけで必ず無料になるわけではありません。

設定では、モバイルデータ通信に使う回線を海外SIMへ指定し、回線の自動切り替えをオフにしておくと、意図しない日本回線のデータローミングを防ぎやすくなります。日本SIM側のデータローミングはオフにし、海外SIM側だけ必要に応じてオンにします。名称は端末によって「モバイルデータ通信の切替を許可」「データ自動切替」などと異なります。

着信にも注意が必要です。海外滞在中は、電話を受ける側にも国際ローミングの着信料金が発生する契約があります。SMSの受信は無料扱いのことが多いものの、契約先や渡航先によって条件は異なります。認証SMSを受ける目的で日本回線を残す場合は、データ通信、音声着信、SMS受信を分けて料金を確認してください。

日本のSIMカードを抜いて保管する場合は、財布へそのまま入れない方がよいです。小さくて紛失しやすく、端子部分も傷つきます。SIMケースに入れ、スマートフォンとは別の荷物へ分散せず、帰国時にすぐ戻せる場所を決めておきます。PINコードを設定している場合は、再挿入後に入力できるよう番号も確認しておきましょう。

海外SIMへの交換では、通信設定だけでなく、日本の電話番号を使う認証が旅行中に必要になるかを先に確認しておくことが大切です

海外SIMがつながらないときの原因と対処法

海外SIMを挿しても通信できないときは、設定を片端から変更するのではなく、症状を切り分けると早く解決できます。「SIMが認識されない」「アンテナは立つがネットにつながらない」「一部の場所だけ圏外になる」では、確認すべき原因が異なります。最初に画面上部の表示を見て、SIM名、通信会社名、アンテナ、4Gや5Gの表示がどこまで出ているかを確認してください。

購入直後の海外SIMでは、利用開始日時、対象国、開通手続き、有効期限、データ残量の見落としも少なくありません。空港へ到着してすぐ使えない場合でも、端末故障と決めつけず、設定、契約状態、現地ネットワークの順で確認します。

SIMを認識しているか最初に切り分ける

画面に「SIMなし」「無効なSIM」「SIMを認識できません」などと表示される場合、APNやデータローミングより前の段階で止まっています。物理SIMなら、端末の電源を切り、SIMトレイを取り出して向きと位置を確認します。nanoSIMが枠から浮いていたり、変換アダプターがずれていたりすると、端子へ正しく接触しません。

別のSIMを入れたことがない端末では、SIMロックや対応状況も確認が必要です。端末がSIMフリーでも、渡航先の通信会社が使う周波数に対応していなければ、地域によって圏外になることがあります。海外SIMの商品ページで対象端末と対応国を確認し、端末の型番まで照合します。同じ機種名でも、販売国やキャリア版によって対応周波数が異なる場合があるためです。

eSIMの場合は、回線が端末へ追加されているだけで、使用回線としてオンになっていないことがあります。設定画面でeSIMの回線を有効にし、モバイルデータ通信に使うSIMとして選択します。旅行前にインストールしたeSIMでは、現地到着後に利用開始操作が必要な商品もあります。QRコードを再読み込みしようとすると、すでに使用済みとして登録できないことがあるため、むやみに削除せず、まず回線のオン・オフと契約状態を確認してください。

アンテナが立つのに通信できない場合の確認順

通信会社名やアンテナが表示されているのにWebページが開かない場合は、次の順番で確認すると原因を絞りやすくなります。

  1. モバイルデータ通信がオンになっているか
  2. データ通信に使う回線が海外SIMになっているか
  3. 海外SIM側のデータローミングがオンになっているか
  4. APNが案内どおり設定されているか
  5. 利用開始日、有効期限、データ残量に問題がないか
  6. 機内モードのオン・オフや端末の再起動で再接続できるか

海外SIMは現地通信会社の回線へローミング接続する仕組みの商品が多いため、海外SIM側ではデータローミングをオンにする必要があります。一方、日本SIM側までオンにすると、契約によっては日本回線で通信して料金が発生する可能性があります。デュアルSIM端末では、どちらの回線を操作しているかを必ず見分けてください。

APNは、通信会社のネットワークへ接続するための設定です。Androidでは手入力が必要な商品があり、文字の大文字と小文字、ピリオド、ユーザー名、パスワード、認証方式などを正確に入力します。余計な空白が入っているだけでも接続できない場合があります。保存後は、作成したAPNの横に選択マークが付いているかも確認します。

iPhoneではAPNが自動設定される商品もありますが、構成プロファイルのインストールを求められる場合があります。以前利用した格安SIMや海外SIMのプロファイルが残っていると競合することがあるため、現在使うSIM事業者の案内に従って確認します。古いプロファイルを削除すると元の回線設定へ影響する場合があるので、内容が分からないまま消さないことが重要です。

機内モードを30秒ほどオンにしてから戻すと、現地ネットワークへの登録がやり直されます。それでも変わらなければ再起動を試します。設定を何度も変えた後は、どの操作で状態が悪化したか分からなくなるため、一つ変更するたびに通信を確認してください。

圏外や低速が続くときは契約とネットワークを確認する

アンテナが立たない場合は、ネットワーク選択を自動から手動へ切り替え、海外SIM事業者が案内している提携通信会社を選ぶと接続できることがあります。ただし、一覧に表示された通信会社ならどこでも使えるわけではありません。対象外の会社を選ぶと、アンテナが表示されてもデータ通信できない場合があります。

都市部では使えたのに郊外や建物内で圏外になるなら、設定よりも電波エリアや対応周波数の影響が考えられます。屋外や窓際へ移動し、4GやLTEを優先して接続すると改善することがあります。5G対応SIMでも、端末や地域との組み合わせによって接続が不安定になる場合があるため、一時的に4Gへ固定して試す方法もあります。

通信速度が極端に遅いときは、データ容量を使い切って速度制限がかかっていないか、1日ごとの高速通信上限を超えていないかを確認します。「無制限」と表示される商品でも、一定量を超えると速度制御されることがあります。テザリング、動画の自動再生、写真のクラウド同期、アプリ更新は、本人が意識しないまま容量を消費しやすい項目です。

最後の手段としてネットワーク設定のリセットがありますが、保存済みWi-Fiのパスワード、VPN、Bluetoothなどの設定が消えることがあります。旅行先でホテルのWi-Fi情報まで失うと不便なため、先にパスワードを控えてから実行します。端末全体の初期化は通常必要ありません。

ここまで確認してもつながらない場合は、SIM事業者へ問い合わせます。その際は「つながりません」だけでは解決に時間がかかります。国名と都市名、端末名と型番、OS、画面に出ている通信会社名、アンテナ表示、試した設定、購入プラン、利用開始日時をまとめて伝えます。Wi-Fiが使えるうちに、注文番号や設定案内の画面も保存しておくと、現地での問い合わせがスムーズです。

海外SIMがつながらないときは、SIM認識、回線選択、ローミング、APN、契約状態の順に確認すると、原因を効率よく切り分けられます

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9位DHA SIMDHA SIMAmazonなどのECサイトでも気軽に購入可能。手軽さと設定のシンプルさが魅力1,680円/日1,280円/日2,480円/日2,480円/日0円/日0円/日データSIM、音声通話SIMeSIM、SIMカード可能(郵送が必要なものもある)4G/LTE/5Gの高速データ通信対応で快適お問い合わせフォーム対応不明SKT、T-Mobileなど(国により異なる)2GB、5GB、6GB、8GB、10GB、12GB、15GB、17GB、50GB、無制限(プラン、国により異なる)(商品により異なる)韓国、台湾、アメリカ、カナダ、グアム、ハワイ、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア、香港、中国、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、イタリア、ドイツ、フランス、スペイン、トルコ、エジプト、バリ島ヨーロッパ、アジア、オセアニア、北米、世界3.203.542.382.525.013.33公式サイト
10位airaloAIRALO世界中で使われている定番eSIMアプリ。圧倒的な対応国数と格安な料金設定が魅力2,100円/日2,100円/日1,600円/日1,900円/日1,900円/日1,900円/日データSIM、音声通話SIMeSIM可能現地ネットワークを利用した高速4G/LTE/5G通信チャット対応24時間KT、T-Mobileなど(国により異なる)1GB、3GB、5GB、10GB、20GB、50GB、無制限(プラン、国により異なる)(国により異なる)韓国、台湾、アメリカ、カナダ、グアム、ハワイ、インド、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、香港、中国、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、イタリア、ドイツ、フランス、スペイン、トルコ、エジプト、バリ島、マカオ、メキシコ、スイス、オランダ、カンボジアヨーロッパ、アジア、アフリカ、オセアニア、北米、南米、中東および北アフリカ、EU加盟国と英国、カリブ海諸島、グローバル(全世界)2.792.623.263.083.363.02公式サイト
11位HolaflyHolaflyデータ無制限プランが豊富!動画視聴やSNS更新で通信容量を気にせず使いたい人に1,990円/日1,990円/日1,990円/日1,990円/日1,990円/日1,990円/日データSIMeSIM可能現地の最高水準ネットワークを利用。高速で安定した4G/LTE/5G通信チャット、LINE、メール対応24時間Holafly無制限(国により異なる)韓国、台湾、アメリカ、カナダ、グアム、ハワイ、インド、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、香港、中国、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、イタリア、ドイツ、フランス、スペイン、トルコ、エジプト、バリ島、マカオ、メキシコ、スイス、オランダ、カンボジアヨーロッパ、アジア、アフリカ、オセアニア、北アメリカ、南米、中東、カリブ、スカンジナビア、バルカン半島、中国・香港・マカオ、中米、日本・中国、日本・韓国、東ヨーロッパ2.892.742.852.983.282.95公式サイト
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