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Wordファイルにパスワードを設定すると、パスワードを知らない相手が文書を開くことを防げます。ただし、Wordには「ファイルを開くための暗号化」と「内容を変更させない編集制限」があり、目的に合わない機能を選ぶと期待した保護になりません。
この記事では、2026年10月6日日時点のMicrosoft公式情報に基づき、Windows版・Mac版Wordでパスワードを設定・解除する手順、Web版の制限、失敗時の確認点、パスワードを忘れた場合の扱いを解説します。対象はWordのデスクトップ版であり、PDF自体を保護したい場合はPDFにパスワードを設定する方法、複数ファイルをまとめて渡したい場合はZIPファイルにパスワードを設定する方法を参照してください。
目次
Wordの「開くパスワード」と「編集の制限」は何が違う?
最初に決めるべきなのは、文書を「見せたくない」のか、「閲覧は許可して変更だけ防ぎたい」のかです。Wordのパスワード関連機能は名前が似ていますが、働く段階が異なります。
| 機能 | 主な目的 | パスワードを知らない人の状態 | 適した例 |
|---|---|---|---|
| パスワードによる暗号化 | 文書を開くこと自体を制限する | 本文を閲覧できない | 契約書、個人情報、未公開資料 |
| 編集の制限 | 閲覧を許可しながら変更範囲を制御する | 閲覧できるが、指定外の箇所を編集できない | 申請書、配布テンプレート、校閲用原稿 |
| 常に読み取り専用で開く | 誤編集を減らす | 編集モードへ切り替えられる場合がある | 完成版であることを伝えたい資料 |
機密情報を第三者に見せないことが目的なら、Windows版の「パスワードを使用して暗号化」またはMac版の「文書を開くためのパスワード」を選びます。「常に読み取り専用で開く」は注意を促す機能であり、暗号化の代わりにはなりません。Microsoftも、読み取り専用ファイルについて、別名や別の場所へのコピー保存までは防げないと説明しています。
「編集の制限」では、変更不可にするほか、コメント、変更履歴、フォーム入力など、許可する編集方法を選べる場合があります。さらに、文書内の選択した箇所だけ編集可能にする運用も可能です。一方、ファイルを開いた人は内容を読めるため、秘密保持が必要な文書には暗号化を併用するか、共有権限を見直します。

閲覧そのものを止めたいなら暗号化、誤変更を防ぎたいなら編集制限、と目的から選ぶと迷いません。

結論として候補になるのは次のサービスです。条件を先に確認しておくと比較が早くなります。
Windows版Wordで「パスワードを使用して暗号化」する手順
2026年10月6日日時点で、Windows版Wordの公式手順は「ファイル」から文書情報を開き、暗号化を選ぶ流れです。Microsoft 365版やWord 2024、Word 2021などでは、次の順路を確認してください。
- パスワードを設定するWord文書をデスクトップ版Wordで開きます。
- 画面左上の「ファイル」を選択します。
- 「情報」を選択します。
- 「文書の保護」を開きます。
- 「パスワードを使用して暗号化」を選択します。
- 表示された「ドキュメントの暗号化」画面にパスワードを入力し、「OK」を選択します。
- 確認画面でも同じパスワードを入力し、「OK」を選択します。
- 上書き保存します。新規文書なら保存先とファイル名を指定します。
この手順はMicrosoftの「パスワードを使用してWordドキュメントを保護する」でも案内されています。入力画面を閉じただけではなく、最後にファイルを保存して設定を反映させる点が重要です。
保存後はいったん文書を閉じ、再度開いてパスワード入力画面が表示されるか確認します。本番ファイルでいきなり試すのが不安な場合は、機密情報を含まない複製ファイルで操作を確認してから適用してください。確認後は複製の保存場所にも注意します。
パスワードは大文字と小文字が区別されます。2026年10月6日日時点のMicrosoft公式ページでは、Word文書のパスワードは最大15文字と案内されています。日本語入力がオンのまま入力した、Caps Lockが有効だった、似た記号を取り違えた、といった事故を避けるため、入力状態を確認してから設定します。

設定直後に文書を閉じて開き直し、保存漏れと入力ミスをその場で発見してください。
主要なサービスの条件を並べると、違いが一目で分かります。横にスクロールしてご覧ください。
| 1Password | パスワードマネージャー | Microsoft Authenticator | DASHLANE | Bitwarden | |
|---|---|---|---|---|---|
| 運営会社 | ソースネクスト | Microsoft | Dashlane | Bitwarden | |
| ポイント | 圧倒的な利用実績。生体認証や暗号化まで高機能で日本のサポートで安心 | Googleアカウントで利用できるパスワード管理ツール | Microsoftアカウントで利用できるパスワード管理ツール | 利用者数が多く、無料でも利用可能。50個まで登録可能 | 企業向けで高機能。個人でも利用可能な海外製ツール |
| 利用者 | 個人 | 個人 | 個人 | 個人、法人 | 個人、法人 |
| 最低価格(月あたり) | 356円 | 0円 | 0円 | 749円 | 150円 |
| 価格 | 3年分:12,800円 | 0円 | 0円 | 59.40ドル/年 | 10ドル/年 |
| 料金 | 有料 | 無料 | 無料 | 有料、無料 | 有料、無料 |
パスワード管理ツールの主要サービスを抜粋。出典:各社公式サイト(2026年10月6日確認)。表は横にスクロールできます。
Mac版Wordで文書を開くパスワードを設定する手順
Mac版WordはWindows版と画面の順路が異なります。2026年10月6日日時点のMicrosoft公式手順では、「ファイル」→「情報」ではなく、リボンの「校閲」から文書保護を開きます。
- 対象文書をMacのデスクトップ版Wordで開きます。
- 「校閲」タブを選択します。
- 「保護」から「文書の保護」を選択します。
- 「セキュリティ」欄で、文書を開くためのパスワードを入力します。
- 確認欄に同じパスワードを再入力します。
- 「OK」を選択し、文書を保存します。
- 文書を閉じて再度開き、入力画面とパスワードを確認します。
Mac版の画面では、「文書を開くためのパスワード」と「文書を変更するためのパスワード」を選べます。内容を見せたくない場合は前者を設定します。閲覧は許可するものの、変更だけ制限したい場合は後者が候補です。両方を設定する場合は、それぞれの役割と管理先を記録し、受信者にどちらを知らせるかを混同しないようにします。
Windows版で暗号化した文書をMac利用者へ渡す場合は、相手のWord環境でも開けるか事前確認が必要です。MicrosoftはMac版Officeに関する公式情報で、Windows版のExcelまたはWordにおいて15文字を超えるパスワードで保護されたファイルをMac版で開けない場合があると説明しています。異なるOS間で受け渡す業務では、テスト用ファイルを送り、開けることを確認してから本番文書を共有すると安全です。
メニュー名が見当たらない場合は、ブラウザー版ではなくMacにインストールしたWordで開いているか、Wordのウィンドウ幅が狭く「保護」が折りたたまれていないかを確認します。組織管理の端末では、管理者のポリシーによって選択できる機能が異なることもあります。

Macでは「開く」と「変更」のパスワード欄を取り違えず、相手のOSでも開けるか試してください。

申し込み手順を試す前に、対応状況と料金の条件を確認しておいてください。
Word文書のパスワードを解除・変更するには?
暗号化を解除するには、現在のパスワードで文書を開けることが前提です。Windows版では、2026年10月6日日時点で次の操作を行います。
- 文書を開き、現在のパスワードを入力します。
- 「ファイル」→「情報」→「文書の保護」へ進みます。
- 「パスワードを使用して暗号化」を選択します。
- 「パスワード」欄に表示されている文字をすべて削除し、空欄のまま「OK」を選択します。
- 文書を上書き保存します。
- いったん閉じて再度開き、パスワードを求められないことを確認します。
Microsoftの「ドキュメントのパスワードを解除する」でも、元のパスワードを知っている必要があることと、入力欄を空にする操作が案内されています。パスワード入力画面でキャンセルしただけでは解除されません。
Mac版では、「校閲」→「保護」→「文書の保護」を開き、対象のパスワード欄を空にして「OK」を選び、文書を保存します。「開くためのパスワード」と「変更するためのパスワード」を両方設定している場合は、解除したい欄を確認してください。一方だけを空欄にすれば、もう一方の保護は残ります。
パスワードを変更したい場合は、解除後に同じ画面を開き、新しいパスワードを入力して保存します。旧パスワードを削除した状態で閉じる前に新しいものを入力しても構いません。変更後は旧パスワードで開けないことと、新パスワードで開けることを複製ファイルで検証します。
社外配布用に暗号化を解除する場合は、解除済みファイルが同期フォルダーやメール添付履歴に残る点にも注意が必要です。解除の必要が一時的なら、元ファイルを上書きせず、アクセス権を限定した場所に別名保存し、用途が終わった後の削除ルールを決めます。

解除や変更は「空欄にして保存」までが一連の操作です。再度開いて結果も確認しましょう。

自分の使い方に合うかどうかは、提供条件を見ながら判断するのが確実です。
「編集の制限」で閲覧を許可しながら変更を防ぐ方法
文書を読める状態のまま、全文または一部の変更を防ぎたい場合は「編集の制限」を使用します。Windows版Wordでは、2026年10月6日日時点で次の順路が基本です。
- 対象文書を開き、「校閲」タブを選択します。
- 「保護」グループの「編集の制限」を選択します。
- 作業ウィンドウの「ユーザーに許可する編集の種類を指定する」をオンにします。
- 一覧から「変更不可(読み取り専用)」など、目的に合う編集方法を選択します。
- 一部だけ編集を許可する場合は、対象の段落、文、単語などを選び、「例外処理」で許可するユーザーを指定します。
- 「はい、保護の適用を開始します」を選択します。
- 解除用パスワードを入力し、確認入力して適用します。
- 文書を保存します。
Microsoftの保護された文書に関する案内では、選択した部分だけ変更可能にする手順や、保護停止時にパスワードが必要となる条件が説明されています。編集制限のパスワードは省略できる場合がありますが、省略すると文書を開いた人が「保護の停止」を選べるため、制限を維持したい運用には向きません。
編集制限を解除するには、「校閲」→「編集の制限」を開き、作業ウィンドウ下部の「保護の停止」を選択してパスワードを入力します。暗号化の解除とは操作場所が異なります。「ファイル」→「情報」のパスワード欄を空にしても、編集制限は解除されません。
また、「常に読み取り専用で開く」は「ファイル」→「情報」→「文書の保護」から設定できますが、これは受信者に読み取り専用で開くことを促すものです。Microsoftは、読み取り専用でもコピーを別名保存することまでは防げないと説明しています。改変を抑制したい契約書や申請書では編集制限、閲覧者そのものを限定したい文書では暗号化を選びます。

編集制限の解除パスワードと、ファイルを開く暗号化パスワードは別物として管理してください。
選び方をもう少し詳しく知りたい場合は、比較記事も参考にしてください。
Word for the webではパスワード設定や編集ができる?
2026年10月6日日時点で、Word for the web(ブラウザー版Word)から文書をパスワードで暗号化することはできません。Microsoft公式のWeb版とデスクトップ版の機能比較では、パスワード保護はデスクトップ版に対応し、Web版は保護された文書について読み取り専用になること、編集にはデスクトップアプリが必要であることが示されています。
ブラウザーで作業中に暗号化したい場合は、次のように切り替えます。
- Word for the webで対象文書を開きます。
- 画面の「デスクトップ アプリで開く」または「Wordで開く」を選択します。
- 確認画面が出たら、インストール済みのWordを起動します。
- Windowsなら「ファイル」→「情報」→「文書の保護」→「パスワードを使用して暗号化」、Macなら「校閲」→「保護」→「文書の保護」へ進みます。
- パスワードを設定し、保存します。
保護済み文書のWeb版での挙動については、公式ページ間で「読み取り専用で表示できる」とされるケースと、「パスワードで暗号化された文書はWebアプリで開けずデスクトップ版で開く」と説明されるケースがあります。これは保護方式、保存場所、組織環境、サービス側の対応状態によって画面が変わり得るためです。ブラウザーに「この文書は編集できません」「デスクトップアプリで開いてください」などと表示されたら、Web版だけで解除や再設定を試さず、デスクトップ版へ切り替えてください。
OneDriveやSharePointに保存しても、Word文書の暗号化パスワードがMicrosoftアカウントのパスワードへ置き換わるわけではありません。アカウントへサインインできても、暗号化されたファイルを開くには文書用パスワードが必要です。共同編集を優先する文書では、ファイル暗号化よりOneDriveまたはSharePointの共有相手・表示権限・編集権限を使う方が運用しやすい場合があります。

Web版で保護メニューが見つからないのは仕様です。設定と解除はデスクトップ版へ切り替えます。
設定を見直しても改善しない場合は、サービス自体の見直しも選択肢になります。
パスワード設定後に開けない・保護できないときは何を確認する?
設定後に文書を開けない場合は、すぐにパスワード紛失と判断せず、入力環境から切り分けます。まずCaps Lock、英数入力と日本語入力、全角・半角、数字キー、記号の配列を確認します。Word文書のパスワードは大文字と小文字を区別するため、「A」と「a」は別の文字として扱われます。コピーして入力する場合は、先頭や末尾に空白、改行、引用符が含まれていないかも確認します。
次に、開こうとしているファイルが設定対象と同じものかを確かめます。同名ファイルがダウンロードフォルダー、OneDrive、メール添付の一時保存先などに複数存在すると、古いパスワードのファイルを開いている可能性があります。ファイルの保存場所、更新日時、拡張子を確認し、受信者にもどのファイルを開いたか聞きます。
「パスワードを設定したはずなのに入力画面が出ない」場合は、設定後に保存していない、別のコピーを開いている、暗号化ではなく編集制限や読み取り専用を設定した、といった原因が考えられます。Windowsでは「ファイル」→「情報」→「文書の保護」を開き、「この文書を開くにはパスワードが必要です」といった保護状態を確認します。Macでは「校閲」→「保護」→「文書の保護」の該当欄を確認します。
「選択範囲がロックされているため、この変更はできません」と表示される場合は、開くパスワードではなく編集制限が有効な可能性があります。「校閲」→「編集の制限」を開き、編集可能な領域が指定されているか、保護を停止できるかを確認してください。他の利用者が編集中のロック、最終版指定、組織の権限設定でも編集できないことがあるため、表示されたメッセージを区別します。
取引先へ送る前には、元の編集用ファイルを安全な場所に保持したうえで、送付用コピーに保護を設定します。メールで送る場合は、Wordファイルとそのパスワードを同じメール本文に記載すると、メールを取得した人が両方を利用できます。社内ルールに従い、ファイルとパスワードは異なる承認済み経路で伝達します。

エラー文、ファイルの保存場所、暗号化か編集制限かの3点を分けて確認すると原因を絞れます。
費用は月額だけでなく初期費用と契約期間を含めた総額で比べてください。
パスワードを忘れた場合の復元条件と安全な管理方法は?
Word文書の暗号化パスワードを忘れた場合、Microsoftアカウントの「パスワードを忘れた場合」からリセットすることはできません。アカウントの認証情報と、個別のWord文書に設定したパスワードは別の情報です。
Microsoftはパスワードを失ったWord文書は復元できないと案内しており、Microsoft自身も文書を取得するサービスを提供していません。回避方法があることを前提に設定すると、業務文書を恒久的に開けなくなるおそれがあります。
例外として、組織のIT管理者が「DocRecrypt」を文書の暗号化より前に導入していた場合は、管理者が回復を支援できる可能性があります。ただし、DocRecryptの導入前に暗号化された文書へ後から適用して復元することはできません。会社の管理端末やMicrosoft 365環境を使用している場合は、独自に解除ツールを探す前に、情報システム部門へ「暗号化前にDocRecryptが導入されていたか」を確認します。
個人利用やDocRecrypt未導入の環境では、暗号化前のバックアップ、OneDriveやSharePointのバージョン履歴、送信済み添付ファイル、共同作業者が保持する暗号化前コピーが残っていないかを確認します。ただし、これらはパスワードを解析する方法ではなく、保護される前の別ファイルを探す方法です。組織の保存・削除規程に反してコピーを増やさないよう注意してください。
Word文書のパスワード管理チェックリスト
- パスワードを文書名、コメント、同じフォルダー内のテキストファイルに書かない
- 個人の記憶だけに頼らず、会社が承認したパスワード管理ツールへ保存する
- 管理ツールには文書名だけでなく、保管場所、所有部署、設定日、更新日、担当者も記録する
- 「開くパスワード」と「編集制限の解除パスワード」を識別できる項目名にする
- 担当者の退職・異動時に、個人用保管庫から組織管理の保管庫へ引き継ぐ
- 共有相手が不要になった時点でパスワードを変更するか、保護済みファイルの配布範囲を見直す
- 設定直後に複製ファイルで開閉テストを行い、管理ツールから取得した値で開けることを確認する
管理ツールへ保存するときは、Wordファイルそのものと同じ共有フォルダーに平文でパスワードを書かないことが重要です。組織向けのパスワード管理ツールを使う場合は、アクセスできる部署・担当者、監査ログ、退職者の権限削除、緊急時の管理者アクセスといった運用条件も確認します。製品名だけで判断せず、自社の情報管理規程と管理者の承認に合わせて選んでください。
なお、暗号化されたWordファイルをZIPへ入れ直しても、Wordのパスワード管理が不要になるわけではありません。反対に、通常のWordファイルをZIP化しただけでは文書が暗号化されない場合があります。Word文書、PDF、ZIPはそれぞれ保護の仕組みと受信者側の操作が異なるため、用途別の記事を使い分けてください。

復元手段を期待せず、暗号化する前に組織管理の保管庫と引き継ぎ担当を決めておきましょう。
参照した公式情報
- Microsoft Support:パスワードを使用してWordドキュメントを保護する
- Microsoft Support:ドキュメントのパスワードを解除する
- Microsoft Support:保護されたWordドキュメントの一部に対する変更を許可する
- Microsoft Support:Word機能の比較―WebとデスクトップのWord
- Microsoft Support:Wordでパスワードが失われた場合、パスワードで保護された文書を復元することはできません

最後に、ここまでの条件を満たすサービスをもう一度確認しておきましょう。

