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有線LANの差込口を増やしたいだけなら、原則として買うのはルーターではなくスイッチングハブです。ルーターはインターネット側と家庭内LANという異なるネットワークを中継し、NATやDHCPなどを担当します。スイッチングハブは、すでにルーターが管理している同一LAN内で有線ポートを増やす機器です。
ただし、ONUだけが設置されている環境、ルーター機能を内蔵したホームゲートウェイがある環境、壁のLAN端子から直接接続する集合住宅では、必要な機器が変わります。ここでは2026年10月16日時点のメーカー公式資料に基づき、配線、速度、製品選び、接続後の確認までを順番に整理します。
目次
ルーターとスイッチングハブは通信の何を担当する?
違いは「ネットワークを分けて中継するか」「同じネットワーク内の接続口を増やすか」です。家庭用ルーターはWAN側とLAN側の間に置かれ、通信経路を決めます。IPv4では、複数の家庭内端末が外部通信を共有できるようNAT/NAPTでアドレスとポート番号を変換するのが一般的です。また、DHCPサーバーとしてパソコンやゲーム機へIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNS情報などを配布します。Atermの公式マニュアルも、アドバンスドNATとDHCPサーバー機能をルーター側の機能として説明しています。
スイッチングハブは、接続機器のMACアドレスを学習し、必要なポートへEthernetフレームを転送します。通常の家庭向け非管理型ハブは、インターネット接続を開始したり、端末へIPアドレスを配ったりしません。ルーターのLANポートが4個あり、そのうち1個へ8ポートハブを接続した場合、ハブ側では1ポートを上流接続に使うため、差引き7台分を追加できます。
| 項目 | ルーター | スイッチングハブ |
|---|---|---|
| 主な接続範囲 | WANとLANなど異なるネットワーク間 | 同一LAN内 |
| NAT/NAPT | 一般的な家庭用機で担当 | 通常は担当しない |
| DHCPサーバー | 端末へ設定を配布 | 通常は担当しない |
| 有線ポート増設 | 副次的に可能 | 主目的 |
| 設定 | 接続方式や動作モードの確認が必要 | 非管理型なら基本的に配線のみ |
なお、現在市販される「ハブ」の多くはスイッチングハブです。古いリピーターハブと混同しないよう、製品分類と仕様欄で「スイッチングハブ」を確認します。

ポート不足だけを解消したいなら、ルーターを追加せず既存ルーターのLAN側へスイッチングハブを足すのが基本です。

結論として候補になるのは次のサービスです。条件を先に確認しておくと比較が早くなります。
有線LANを増やすときはルーターとハブのどちらを買う?
判断は、現在の機器がすでにルーター機能を持つかどうかで決まります。ルーターまたはルーター機能内蔵ホームゲートウェイが稼働し、複数台が同時にインターネットへ接続できているなら、追加するのはスイッチングハブです。デスクトップPC、テレビ、レコーダー、ゲーム機、NASなどを有線化するたびに、新しいルーターを増やす必要はありません。
反対に、単体型ONUのLAN/UNI端子へパソコン1台を直結して接続認証している環境では、ハブだけを挟んでも家庭内の複数端末を適切に収容できないことがあります。この場合は、回線事業者が指定する接続方式に対応したルーターが必要です。ONUとルーターの役割はモデム・ONU・ルーターの違いでも確認できます。
迷う場合は、接続中のスマートフォンやPCでデフォルトゲートウェイを確認します。Windows 11では「設定」→「ネットワークとインターネット」→「イーサネット」または接続中の「Wi-Fi」を開き、IPv4アドレスとゲートウェイを確認します。コマンドプロンプトでipconfigを実行する方法もあります。macOSでは「システム設定」→「ネットワーク」→利用中のEthernetまたはWi-Fi→「詳細」→「TCP/IP」を開きます。192.168.x.xや10.x.x.xなどのアドレスと「ルーター」が表示されても機器名までは確定しないため、そのアドレスを管理する機器の型番と取扱説明書を照合してください。
家庭内で別のIPアドレス帯を作る、来客用や業務用ネットワークをルーティングで分離する、回線接続方式を終端するといった目的ならルーターの追加・交換を検討します。単純な口数不足とは別の設計です。

「複数端末がすでに同時接続できるか」を確認すると、ルーター機能の有無を判断しやすくなります。
主要なサービスの条件を並べると、違いが一目で分かります。横にスクロールしてご覧ください。
| NURO光 | ドコモ光 | SoftBank光 | ぷらら光 | コミュファ光 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 運営会社 | ソニーネットワークコミュニケーションズ | NTTドコモ | ソフトバンク | NTTドコモ | 中部テレコミュニケーション |
| 回線タイプ | NURO光回線 | NTT光回線 | NTT光回線 | NTT光回線 | 電力系光回線 |
| 戸建て1年利用時の実質料金 | 3,720円 | 5,974円 | 7,091円 | 6,972円 | 1,611円 |
| 戸建て2年利用時の実質料金 | 3,844円 | 5,852円 | 5,852円 | 6,160円 | 3,693円 |
| 戸建て3年利用時の実質料金 | 3,921円 | 5,809円 | 5,809円 | 5,875円 | 4,458円 |
| マンション1年利用時の実質料金 | 3,031円 | 4,654円 | 5,551円 | 5,652円 | 3,353円 |
光回線の主要サービスを抜粋。出典:各社公式サイト(2026年10月16日確認)。表は横にスクロールできます。
ONU・ホームゲートウェイ・ルーター・ハブをどの順番でつなぐ?
単体型ONUと市販ルーターを使う基本配線は「光コンセント→ONU→ルーターのWAN/INTERNETポート→ルーターのLANポート→スイッチングハブ→各端末」です。ONUとルーター間は回線側、ルーターから先は家庭内LAN側です。ハブはルーターのLANポートへ接続し、ハブの残りのポートへPCやテレビなどをつなぎます。一般的なAuto MDI/MDI-X対応ハブでは専用のアップリンクポートは不要ですが、製品説明書に指定があれば従います。
ONU一体型ホームゲートウェイがルーター機能を担当している場合は「光コンセント→ホームゲートウェイ→ホームゲートウェイのLANポート→ハブ→各端末」です。市販Wi-Fiルーターも使うなら、ホームゲートウェイとの役割重複に注意します。市販機をアクセスポイントとして使う構成は、機種指定のAP/BRIDGEモードにします。モードの考え方はルーターのブリッジモードとAPモードの違いで詳しく整理しています。
接続作業前には、ルーターやホームゲートウェイの管理画面で現在の接続状態を記録し、通信中のファイル転送やオンライン会議を終了します。ハブの電源を入れ、上流ケーブルと端末ケーブルを接続したら、該当ポートのLINK/ACTランプを確認します。点灯しなければ、まず差し直し、別ポート、別ケーブル、接続先端末の電源の順に切り分けます。バッファローのスイッチングハブの通信確認手順でも、この順序とループ確認が案内されています。
集合住宅の壁LAN端子は、建物設備側ですでにルーティングされている場合と、入居者側ルーターが必要な場合があります。壁端子へハブを直結する前に、契約書、入居案内、管理会社または回線事業者の指定構成を確認してください。

ハブの上流ケーブルは、ONUではなく「ルーター機能を担当する機器のLANポート」へ接続します。

申し込み手順を試す前に、対応状況と料金の条件を確認しておいてください。
WANポートとLANポートを間違えたらどこを直す?
家庭用Wi-Fiルーターには、回線側のWAN/INTERNETポートと、端末側のLANポートがあります。単体型ONUから来るケーブルはルーターモード中のWAN/INTERNETへ、スイッチングハブへ向かうケーブルはLANへ接続します。バッファロー公式のインターネットに接続できない場合の配線確認でも、モデム側ケーブルは「INTERNET」ポート、有線PCはLANポートへ接続するよう案内されています。
ハブを誤ってルーターのWAN側へ接続すると、ハブ配下が既存LANから分離されたり、DHCPでアドレスを取得できなかったりします。反対に、ルーターモードの機器同士をLAN側だけで接続すると、同一LAN上で2台のDHCPサーバーが応答する構成になり、端末によってゲートウェイが変わることがあります。LANポートへつなぐだけでは、2台目のルーター機能が自動停止するとは限りません。
接続後に「リンクは点灯するがインターネットへ出られない」場合は、端末のIPアドレスを確認します。Windows 11では「設定」→「ネットワークとインターネット」→「イーサネット」、macOSでは「システム設定」→「ネットワーク」→対象サービス→「詳細」→「TCP/IP」です。169.254.x.xのような自己割当アドレスなら、DHCPサーバーまで届いていない可能性があります。上流ケーブルの接続先、ルーターの電源、DHCP設定を確認します。別のプライベートアドレス帯が二重に現れる場合は、ルーターが2段になっている可能性があるため、二重ルーターの確認と解消を参照してください。
AP/BRIDGEモード時にWAN端子を使うかLAN端子を使うかは機種で異なります。2026年10月16日時点でもメーカーや型番により仕様が分かれるため、本体の印字だけで推測せず、その型番の取扱説明書にある「アクセスポイントモード時の接続」画面・配線図を優先します。

通信不能時は設定を初期化する前に、上流ケーブルがWANかLANのどちらへ入っているかを記録して確認しましょう。

自分の使い方に合うかどうかは、提供条件を見ながら判断するのが確実です。
100Mbps・1Gbps・2.5Gbpsのハブは何を基準に選ぶ?
2026年10月16日時点の選択基準は、契約回線の最大速度だけではなく、経路上の全ポート、LANケーブル、端末側NIC、NASなどの対応速度です。100Mbps対応ハブを1Gbps回線へ入れれば、そのハブを通る通信は100Mbps級が上限になります。1Gbps対応ハブでも、ルーターのLANポート、端末、USB-LANアダプターのいずれかが100Mbpsなら、通常は最も遅いリンク速度に合わせて接続されます。
1Gbps以下の回線で、PC、テレビ、ゲーム機を増設する一般家庭なら、全ポート1000BASE-T対応のギガビットハブが基準です。2Gbps以上の回線や、2.5GbE対応NASとPC間で大容量ファイルを転送する用途では、2.5GBASE-T対応を検討します。バッファローのLXW-2G5公式仕様は、2026年10月16日時点で2.5Gbps、1000Mbps、100Mbpsへの対応、全5ポート、2.5GBASE-Tではカテゴリー5e以上のケーブル適合を掲載しています。ただし、これは規格値であり、インターネットの実効速度を保証する数値ではありません。
「2.5Gbps対応ルーター」という表示も、WANだけが2.5GbpsでLANは1Gbpsという構成があります。反対に、LAN側にも2.5Gbpsポートがあれば、そのポートから2.5GbEハブへ接続できます。購入前にWAN速度、LAN速度、各速度のポート数を別々に確認してください。5ポートハブは上流接続に1ポート使うため、通常の増設余力は4台分です。
インターネット速度のボトルネックは「契約回線→回線設備→ONU/ホームゲートウェイ→ルーターWAN→ルーターLAN→ハブ→ケーブル→端末」のどこにでも生じます。ハブだけを2.5GbEへ交換しても、契約が1Gbps、ルーターLANが1Gbpsなら外部通信は2.5Gbpsになりません。一方、インターネット契約が1Gbpsでも、PCとNASが同じ2.5GbEハブにつながれば、対応条件を満たすLAN内通信では2.5GbEを活用できる可能性があります。

速度表記は「製品全体」ではなく、WAN・LAN・ハブ・端末の各ポート単位で照合してください。
選び方をもう少し詳しく知りたい場合は、比較記事も参考にしてください。
管理型と非管理型スイッチングハブはどちらが家庭向け?
家庭で有線ポートを増やすだけなら、設定不要の非管理型(アンマネージド)ハブが扱いやすい選択です。電源とLANケーブルを接続すれば動作し、VLANやポート設定を用意する必要がありません。Ciscoのアンマネージドスイッチとマネージドスイッチの公式解説も、アンマネージド製品は既存ネットワークへ追加してEthernet機器の接続容量を広げる用途で、基本的に設定が不要と説明しています。
管理型(マネージド)ハブは、Web管理画面などからVLAN、QoS、ポートの有効・無効、通信統計、リンクアグリゲーション、ループ対策などを設定できる製品です。仕事用と私物用のネットワークをVLANで分離する、アクセスポイントへ複数VLANを渡す、ポートごとのトラフィックを調査する、といった明確な要件がある場合に向きます。ただし、VLAN対応ハブだけでは異なるVLAN間やインターネットへの経路を作れません。VLAN対応ルーター、アクセスポイント、適切なタグ設定も必要です。
「スマート」「Webスマート」「Easy Smart」などの中間的な分類もあり、搭載機能はメーカーごとに異なります。名称だけでなく、必要なVLAN方式、管理画面へのアクセス方法、設定保存、ループ防止方式、ファームウェア提供状況を仕様表で確認します。家庭内の単純増設で管理機能を使わないなら、設定ミスの余地が少ない非管理型が合理的です。
PoE対応ハブを選ぶ場合は、各ポートの給電規格だけでなく、本体全体の給電可能電力も確認します。PoE非対応端末をつなぐこと自体の可否や給電条件は製品仕様に従い、監視カメラやアクセスポイントの必要電力との組み合わせを確認してください。

VLANや通信監視という具体的な目的がなければ、家庭のポート増設は非管理型から選ぶと迷いにくくなります。
設定を見直しても改善しない場合は、サービス自体の見直しも選択肢になります。
LANケーブルのループをどう防いで復旧する?
ループは、ハブ同士を複数本のケーブルで輪のようにつないだり、1台のハブの2ポートを1本のケーブルで直結したりしたときに発生します。ブロードキャストなどが循環し続け、LAN全体が極端に遅くなる、ルーター管理画面を開けない、複数ポートのACTランプが激しく点滅するといった症状につながります。
家庭では「ルーターのLANポートA→ハブの1番」と接続した後、速度向上を期待して「ルーターのLANポートB→同じハブの2番」も接続するミスが典型です。リンクアグリゲーションとして両端を正しく設定した特殊な構成を除き、上流との接続は1本にします。別室の壁内配線では行き先が分かりにくいため、ケーブル両端へ同じ番号を付け、配線表を残します。
障害が起きたら、まず追加した2本目のケーブルや直前に変更した配線を抜きます。分からない場合は、ハブから上流以外のケーブルをすべて外し、上流1本と端末1台だけで通信を確認します。正常なら端末ケーブルを1本ずつ戻し、再発する枝を特定します。ループ検知ランプが点滅している場合も、ランプを消すことより配線の輪を断つことが先です。
バッファローのLXW-2G5公式情報は、ループ構成を検知して発生ポートをランプで知らせる機能を掲載しています。ただし、検知と遮断は同じではありません。製品によっては通知のみで、自動的にポートを停止しないため、「ループ検知」「ループ防止」「STP/RSTP」のどれを備えるかを確認してください。STP対応機でも、初期状態やポート設定によって働き方が変わります。

上流を2本挿しても通常は高速化しません。家庭用ハブは、上流1本を原則に配線してください。
費用は月額だけでなく初期費用と契約期間を含めた総額で比べてください。
ハブ増設後につながらない・遅いときは何を確認する?
確認は、物理リンク、IP設定、リンク速度、インターネット回線の順に進めると原因を絞れます。最初にハブのPOWERランプと該当ポートのLINK/ACTランプを見ます。消灯ならケーブルを差し直し、別ポート、別ケーブル、別端末の順に交換します。100Mbpsまでの古いケーブルや結線不良が疑われる場合は、製品仕様に適合する市販の完成品ケーブルで試します。
次に端末がDHCPで設定を取得できているか確認します。Windows 11では「設定」→「ネットワークとインターネット」→「イーサネット」を開き、IPv4アドレス、DNS、リンク速度を確認します。Microsoft公式のWindowsのネットワーク設定案内も、この画面で接続状態とIPアドレスを確認する手順を示しています。詳細確認にはコマンドプロンプトでipconfig /allを実行します。macOSでは「システム設定」→「ネットワーク」→「Ethernet」→「詳細」→「TCP/IP」を開きます。Apple公式のMacのTCP/IP設定には同じ順路と「DHCPリースを更新」が掲載されています。画面名は2026年10月16日時点で、OSの版により表記が異なる場合があります。
リンク速度が100Mbpsなら、端末NIC、USB-LANアダプター、ハブのポート、ルーターのLANポート、ケーブルのどこかが100Mbpsで接続されています。同じハブの別ポートと既知の正常なケーブルで再確認し、それでも100Mbpsなら端末側アダプターの仕様を確認します。「速度とデュプレックス」は通常、自動ネゴシエーションのまま使用し、理由なく1Gbps固定へ変更しません。
LAN内のNAS転送は速いのにインターネットだけ遅い場合、ハブより回線契約、混雑、ルーターWAN側、接続方式が候補です。反対に、同じハブ内の端末間転送も遅ければ、ハブ、ケーブル、端末NIC、ストレージ性能を調べます。測定時はWi-Fiを切り、有線接続を1系統にし、VPN、クラウド同期、大容量ダウンロードを停止して条件をそろえます。
全端末が同時に不安定になりACTランプが連続点滅するならループを疑い、直前に追加したケーブルを外します。一部端末だけ169.254.x.xになるなら、その枝のケーブルやポートを疑います。すべての端末が適切なプライベートIPを持つのに外部だけ到達できなければ、ルーターのWAN状態や回線障害を確認します。機器を再起動する場合の順序はWi-Fiルーターの再起動方法を参照してください。
参照した公式情報
- Aterm 機能一覧(NAT・DHCPサーバー)
- バッファロー Wi-Fi接続時の配線・動作モード確認
- バッファロー スイッチングハブの通信確認
- バッファロー LXW-2G5 製品仕様
- Cisco アンマネージドスイッチとマネージドスイッチ
- Microsoft Windowsのネットワーク設定
- Apple MacのTCP/IP設定

「リンク消灯・IP未取得・100Mbps接続・外部だけ遅い」を分けると、交換すべき機器を判断できます。

最後に、ここまでの条件を満たすサービスをもう一度確認しておきましょう。


