取り崩しシミュレーション Withdrawal Simulation
取り崩しシミュレーションは、貯めた資産を定額・定率・4%ルールのどれで取り崩すと何年持つかを比べられる無料ツールです。運用を続けながらの取り崩し、インフレ調整、NISAと課税口座の違い、売却益にかかる20.315%の税金まで月ごとに計算します。
3つの取り崩し方を同じ条件で比べる
上で入れた資産額・利回り・インフレ率はそのままに、取り崩し方だけを変えた結果です。
| 取り崩し方 | 初年度の手取り1年ぶん | 尽きるまで | 最終年の手取り実質・現在価値 | 残る資産 |
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年ごとの推移
「実質」はインフレを割り戻した、いまのお金に直した価値です。
| 年目年齢 | 期首残高 | 運用益 | 売却額 | 税金 | 手取り | 手取り実質 | 期末残高 |
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4%ルールで初年度に取り出せる額
資産額に4%を掛けただけの金額です(税引き前)。2年目からはこの金額をインフレ調整して取り出し続けます。
| 資産額 | 年間税引き前 | 月あたり税引き前 | 月あたり課税口座の手取り目安 |
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利回りで「持つ年数」はどれだけ変わるか
資産3,000万円を毎月15万円ずつ取り崩した場合です(インフレ調整なし・税金なしの単純計算)。
| 想定利回り | 尽きるまで | 利回り0%との差 |
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4%ルールは「毎年、残高の4%」ではありません
いちばん誤解されているところです。4%ルールは初年度だけ資産に4%を掛け、2年目からはその金額をインフレに合わせて増やした額を取り出し続けます。残高に掛け直しません。
| 4%ルール | 定率4% | |
|---|---|---|
| 毎年の取り出し方 | 初年度の額をインフレ調整して続ける | そのときの残高 × 4% |
| 取り出す金額 | 物価に合わせて増えていく | 相場しだいで増えも減りもする |
| 資産が尽きるか | 尽きることがある | 計算上は尽きない |
| 向いている人 | 生活費の下限が決まっている人 | 相場に合わせて支出を調整できる人 |
3,000万円・利回り年3%・インフレ年2%・NISA口座で30年みると、こうなります。
| 初年度の手取り | 15年目の手取り | 尽きるまで | 30年後の残高 | |
|---|---|---|---|---|
| 4%ルール | 1,210,961円 | 1,597,837円 | 28年7か月 | 0円 |
| 定率4% | 1,194,240円 | 1,030,865円 | 尽きない | 21,888,404円 |
同じ「4%」でも、結果はここまで違います。4%ルールは取り出す額を守るかわりに資産を減らし、定率は資産を守るかわりに取り出す額が減っていきます。
定率のほうは尽きませんが、取り崩せる額が15年目には初年度を下回ります。どちらが良いかではなく、何を守るかが違います。
4%ルールの出どころと、日本で使うときの注意
4%という数字は、ウィリアム・ベンゲンが1994年に発表した研究が元になっています。米国の株式と債券を50対50で持ち年1回リバランスした場合、過去のどの30年間をとっても資産が尽きなかった取り崩し率として4%を示したものです。1998年にトリニティ大学の3人の研究者が取り崩し率と資産配分の組み合わせごとに成功率を調べ、30年・4%・株債50対50で95%という数字を出して広まりました。
仕組みそのものも単純です。利回り0%・インフレ0%なら、4%ずつ取り崩せば25年でちょうど尽きます。4%が「30年もつ」とされるのは、残りを運用し続けて増える前提があるからです。運用をやめれば25年で終わります。
売るときの税金は「含み益の分」だけ
取り崩しで見落とされるのが税金です。課税口座で投資信託や株を売ると、利益の部分に 20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)がかかります。
たとえば時価3,000万円・取得費2,000万円(含み益1,000万円)の資産から100万円ぶん売ると、利益はそのうち3分の1の約33万円です。税金は 67,717円。売却額の全部に掛けてしまうと 203,150円となり、135,433円も多く見積もることになります。
NISA口座なら売却益は非課税です。3,000万円を月15万円ずつ利回り3%で取り崩すと、NISAなら22年10か月、課税口座(含み益3分の1)なら19年10か月持ちます。その間に払う税金は合計 4,009,347円です。
定率は尽きない。でも金額は読めない
定率取り崩しは「そのときの残高に率を掛ける」ので、計算上は資産が尽きません。残高が減れば取り崩す額も減り、0に近づくだけだからです。
このツールの定率モードでは、資産が尽きる年のかわりに取り崩せる額が初年度の半分になる年を出しています。相場が下がった年は取り崩し額も一緒に下がるので、実際の受け取りはもっと振れます。
証券会社の「定率売却」サービスも、毎月そのときの残高に率を掛ける方式です。このツールも同じく毎月(年率÷12)で計算しています。
使い方
- 取り崩し方(定額・定率・4%ルール)を選びます
- いまの資産額と、そのうちの取得費(投資した元本)を入れます
- NISA口座なら「NISA口座」にチェックを入れます(売却益が非課税になります)
- 取り崩しながらの想定利回りと、インフレ率を入れます
- 何年持つか、年ごとの残高、3つの方法の比較が出ます
入力するたびに自動で計算されます。入れた内容はお使いのブラウザにだけ保存され、次に開いたときに復元します。共用のパソコンでは、使い終わったら金額を消してください。サーバーには送信していません。
よくある質問
- 取得費がわかりません
- 証券会社の取引報告書や年間取引報告書に「取得費」または「取得単価×数量」として出ています。わからなければ資産額と同じ金額を入れてください。その場合は税金0として計算します(実際より長持ちする結果になります)。
- 想定利回りは何%にすればよいですか
- 決まった正解はありません。取り崩しながらの運用は値動きの影響を受けやすいので、積立期より低めに置くのが無難です。0%・3%・5%など複数で試して、どこまで悪くても耐えられるかを見てください。
- 年金は入れられますか
- このツールは取り崩し方の比較に絞っているため、年金や給与は入れていません。年金・収入・支出まで含めて一生ぶんを見たいときは人生逃げ切り計算機をお使いください。
- 貯めるほうのシミュレーションはありますか
- 積立シミュレーション、NISAシミュレーション、投資信託シミュレーションがあります。
- 「実質」とは何ですか
- インフレを割り戻して、いまのお金に直した価値です。物価が年2%上がるなら、30年後の100万円はいまの約55万円の価値しかありません。名目の金額だけ見ていると生活水準の低下に気づけません。
- 税率20.315%はずっと同じですか
- 復興特別所得税(0.315%)は2037年分までです。2038年分からは20%に戻る予定です。
関連ツール
ご注意
取り崩しシミュレーションは、あくまでも目安としてご利用ください。利回りを毎年一定として計算していますが、実際の相場は上下します。同じ平均利回りでも、取り崩しの初期に大きく下げると資産の減りはここで出る結果より早くなります。税制・運用方針については金融機関や税理士にご確認ください。
※このプログラムはPHP8.2.22にて作成、動作確認を行っております。
※ご利用下さっている皆様のご意見・ご要望(改善要望)をお寄せください。