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格安SIMのなかでも、データ通信専用eSIMは、電話番号による音声通話を主回線に残し、Web閲覧や動画、テザリングだけを別回線へ分けたい人に向くサービスです。ただし、月額料金だけを比べると、初期費用、有効期間、容量超過後の扱い、追加チャージ、回線網の違いを見落とします。
本記事では、2026年10月28日時点の公式情報を基に、データ専用eSIMを月額型、プリペイド型、海外旅行型に分けます。最安ランキングや未検証の実効速度ではなく、容量と期間をそろえた比較方法、音声通話・SMS・緊急通報の制限、デュアルSIMでの使い分けを解説します。端末が対応しているか分からない場合は、先にeSIMの対応端末と使用中回線を確認する方法を参照してください。
目次
データ通信専用eSIMは音声通話・SMS・緊急通報に使える?
「データ通信専用」は、携帯電話網を通じたインターネット接続だけを提供する区分です。LINE通話、FaceTime、Zoomなどのデータ通信を使う通話はできますが、通常の電話番号を使う発着信はできません。データ通信のみのSIMではSMSも利用できないのが基本です。SMS認証を受ける必要があるサービスでは、音声通話またはSMS対応の主回線を残します。
110、118、119などへの緊急通報もできません。IIJmioの申し込み前の重要事項は、音声通話機能付きSIM・eSIMでは緊急通報ができる一方、データ通信専用SIM、SMS機能付きSIM、データeSIMでは緊急通報できないと案内しています。データeSIMを追加しても、主回線の電話機能を置き換えたことにはなりません。
| 機能 | データ通信専用eSIM | 主回線に残す役割 |
|---|---|---|
| Web・アプリ通信 | 利用可能 | 必要に応じてデータeSIMへ切り替える |
| 電話番号による通話 | 原則不可 | 音声通話対応SIMで行う |
| SMS送受信 | 原則不可 | SMS対応SIMで認証コードを受ける |
| 110・119など | 不可 | 音声通話対応の主回線から発信する |
| LINE通話など | 利用可能 | データ残量を消費する |
「SMS付きデータSIM」はデータ通信のみとは別区分です。LinksMateもSIMタイプの案内で、データ通信のみではSMSを利用できず、必要な場合はSMS機能付きタイプを選ぶよう示しています。申込画面では「データ通信のみ」「SMS+データ通信」「音声通話+SMS+データ通信」を混同しないでください。

通話とSMSを主回線へ残す前提なら、データeSIMの安さだけでなく、2回線を同時待受できる端末かを最初に確認しましょう。
結論として候補になるのは次のサービスです。条件を先に確認しておくと比較が早くなります。
月額型・プリペイド型・海外旅行型はどの利用期間で選ぶ?
月額型は毎月継続して容量が付与され、通勤、タブレット、障害時の予備回線など反復利用に向きます。プリペイド型は先に容量と期間を購入し、契約の自動更新を避けたい短期利用に適します。海外旅行型は渡航国、現地提携網、ローミング条件を組み合わせた商品で、国内の月額回線とは比較単位が異なります。
| 区分 | 料金の単位 | 適する用途 | 購入前の重点確認 |
|---|---|---|---|
| 月額型 | 1カ月・所定容量 | 毎月使うサブ回線 | 初期費用、繰越、解約、低速時の仕様 |
| プリペイド型 | 総容量・有効期間 | 短期滞在、試用、臨時回線 | 開始日、失効日、リチャージ条件 |
| 海外旅行型 | 対象国・日数・総容量または日次容量 | 海外渡航、周遊 | 対応国、現地網、ローミング、開始条件 |
比較するときは「1GB当たりの表示価格」だけでなく、実際に使う期間の総支払額を計算します。月額型は「初期費用+eSIM発行料+利用月数分の基本料+想定する追加容量」で求めます。プリペイド型と旅行型は「商品価格+不足時のチャージ額+為替・決済手数料」で考えます。余った容量が失効する商品では、購入容量ではなく実際に使える見込みの容量を分母にします。
IIJのJapan Travel SIMは、2026年10月28日時点で3GBから55GB、初回通信日から30日間、期間内のリチャージに対応する国内プリペイドです。ただし訪日外国人・一時帰国者向けで、通常の国内サブ回線と対象が異なります。短期商品だから月額型より常に安いとは限りません。

利用が3カ月以上続くなら月額総額、旅行だけなら渡航日数と利用開始条件をそろえて比べると判断しやすくなります。

主要なサービスの条件を並べると、違いが一目で分かります。横にスクロールしてご覧ください。
| ahamo | Y!mobile | 楽天モバイル | LINEMO | イオンモバイル | |
|---|---|---|---|---|---|
| 運営会社 | NTTドコモ | ソフトバンク | 楽天モバイル | ソフトバンク | イオンリテール |
| ポイント | 大容量プランあり。100GB以上使うなら「大盛り」オプションが便利 | 全国に店舗がありサポート充実。セット割適用ならさらにお得 | 無制限プランが魅力。通信エリアのカバー範囲は要確認 | 通信品質とコスパのバランスが良いが、3GB/10GBの階段制に注意 | 全国のイオンで契約可能。通信速度の安定性は要確認 |
| 最安月額料金 | 2,970円~ | 2,365円~ | 1,078円~ | 990円~ | 803円~ |
| ~1GB | 2,970円/月 | 2,365円/月 | 1,078円/月 | 990円/月 | 858円/月 |
| 2~3GB | 2,970円/月 | 2,365円/月 | 1,078円/月 | 990円/月 | 1,078円/月 |
| 4~10GB | 2,970円/月 | 2,915円/月 | 2,178円/月 | 2,090円/月 | 1,298円/月 |
格安SIM(格安スマホ)の主要サービスを抜粋。出典:各社公式サイト(2026年10月28日確認)。表は横にスクロールできます。
月額型eSIMは容量・初期費用・回線網をどう比較する?
2026年10月28日時点のIIJmioギガプラン公式料金表では、データeSIMのタイプI・ドコモ網は2GB月額440円、5GB650円、10GB1,050円、15GB1,320円、25GB1,650円、35GB2,240円、45GB2,940円、55GB3,540円です。データeSIMのタイプAは同じ容量順に740円、860円、1,300円、1,530円、1,950円、2,340円、3,240円、3,840円です。
同社では1プランにつき初期費用3,300円がかかり、データeSIMのタイプIおよびタイプAはSIMプロファイル発行手数料220円です。したがって、2GBタイプIを1カ月だけ利用する場合の比較基礎は440円だけではなく、キャンペーンを考慮しない通常条件なら3,300円+220円+440円です。長期利用ほど初期費用を月数で割った影響は小さくなります。
回線網も価格と一緒に確認します。タイプIはドコモの4G(LTE)網を使い、2026年10月28日時点では5Gオプションを利用できません。タイプAのデータeSIMはau網で5Gオプションの対象です。同じ「IIJmioのデータeSIM」でも、利用網と対応世代は同一ではありません。
LinksMateは公式プラン・料金表で、データ通信のみを100MB月額165円、1GB385円、2GB418円、3GB550円、5GB858円など細かく設定しています。eSIM新規発行手数料は550円です。これは小容量を細かく選びたい場合の比較対象になりますが、どちらが安いかは必要容量、利用月数、初期費用を入れて判定すべきです。
回線網が同じでも、基地局から先の設備、契約帯域、混雑、場所、端末によって速度は変わります。公式料金表から実効速度の優劣は判断できません。速度の見方は格安SIMのデータ通信速度と節約方法で分けて解説しています。

月額料金に初期費用を足し、6カ月・12カ月など自分の利用期間で割った「実質月額」を作って比べてください。


申し込み手順を試す前に、対応状況と料金の条件を確認しておいてください。
容量超過後・追加チャージ・速度制御はどこを読む?
容量の比較では、通常容量、繰越可能量、追加チャージ単価、チャージの有効期限、超過後の挙動を別々に記録します。「10GB」と書かれていても、使い切った瞬間に停止する商品、低速で継続する商品、追加購入だけできる商品では使い勝手が違います。
速度欄では「最大速度」と「容量超過後の上限」を分けます。最大速度は技術規格上の値であり、常時出る速度ではありません。さらに、一定期間の大容量通信、混雑時間帯、低速モードでの過度な通信について制御条件が定められる場合があります。「無制限」の旅行eSIMも、公平利用方針により日次使用量を超えると低速化する商品があるため、商品詳細の高速通信量と制御解除時刻を確認します。
追加チャージは、容量不足を埋められるかだけでなく、同じeSIMプロファイルへ追加できるかを確認します。新商品を買う方式では、再設定や回線ラベルの整理が必要になる場合があります。Japan Travel SIMは公式サービス概要で、利用期間内にIIJmioクーポンカードまたはデジタル版によるリチャージが可能と案内しています。一方、リチャージしても当初と同じ失効条件とは限らないため、購入画面に表示される期限を読みます。
比較表には「超過後停止/低速継続」「低速時の上限」「追加容量の価格と単位」「追加分の期限」「自動課金の有無」の5列を設けると、料金事故を防ぎやすくなります。実効速度は利用場所と時刻をそろえた測定結果がない限り、ランキング化しません。

容量が足りない月を基準にせず、通常月の使用量と繁忙月のチャージ額を分けて試算しましょう。
自分の使い方に合うかどうかは、提供条件を見ながら判断するのが確実です。
プリペイド型と海外旅行型は利用開始日・回線網をどう照合する?
短期eSIMでは「購入日」「インストール日」「初回接続日」「予約した利用開始日」のどれから日数を数えるかが重要です。7日間という表示だけでは開始時刻や暦日計算まで確定しません。購入前の商品詳細で起点を確認し、帰国日まで含む日数を確保します。
海外旅行型は、国名だけでなく接続先ネットワークを見ます。同じ国向けでも、単一事業者へ接続する商品と複数網を選べる商品があります。山間部や地方への移動があるなら、販売元が示す提携網と現地通信事業者のエリアマップを照合してください。ローミング型ではIPアドレスが別の国を経由し、動画配信、金融サービス、社内VPNなどで地域判定に影響する場合もあります。
例としてAiraloの日本向けMoshi Moshiは、2026年10月28日時点の公式商品ページで、データ専用、SoftBank・KDDI網、1GB・7日間4米ドルから20GB・30日間25米ドルまでの容量型を表示しています。eKYCは不要で、チャージ可能、有効期間は対象ネットワークへの接続時から始まるという条件です。外貨建て商品は、表示価格に加えて決済時の為替レートやカード会社の手数料も確認します。
海外用eSIMの具体的な切り替え操作は渡航前・現地・帰国後の海外eSIM切り替え方法に分離しています。本記事では比較に集中し、購入候補について対象国、総容量か日次容量か、利用日数、開始条件、提携網、ローミング指定、追加購入、テザリングの8項目を表に転記してください。

旅行日数ぴったりではなく、出発前の誤作動と帰国便の遅延を考え、開始条件を確認したうえで期限に余裕を持たせます。
選び方をもう少し詳しく知りたい場合は、比較記事も参考にしてください。
テザリング・本人確認・対応端末は申込前にどう確認する?
eSIM対応端末であっても、契約予定サービスでデータ通信とテザリングが確認済みとは限りません。事業者の動作確認端末一覧で、端末名、販売地域・モデル番号、OS版、eSIM、回線タイプ、データ通信、テザリングの各欄を確認します。海外版端末は同じ商品名でも対応バンドやEID条件が異なることがあります。
IIJmioはeSIMのテザリング案内で、通信設定後に利用できる一方、OS版やキャリア設定によって利用できない場合があるため、動作確認端末一覧も確認するよう案内しています。接続できない場合は、まずデータ通信自体を確認し、その後「インターネット共有」または「アクセスポイントとテザリング」をオンにします。APN指定があるAndroidでは、APNタイプや認証方式を販売元の指示どおりに入力します。
本人確認の要否も事業者によって異なります。2026年10月28日時点でIIJmioのデータ通信専用eSIMは本人確認書類の提出が不要ですが、本人名義のクレジットカード、メールアドレス、対応端末、設定用の安定したWi-Fiなどが必要です。一方、LinksMateはデータ通信のみを含む全SIMタイプで本人確認書類を必要とし、eKYCを行います。「データ専用なら本人確認不要」と一括りにはできません。
申込前の端末側確認は、iPhoneなら「設定」→「一般」→「情報」でEIDと「SIMロック」を確認し、「設定」→「モバイル通信」に「eSIMを追加」があるか見ます。Pixelでは「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「SIMを追加」→「eSIMを設定」を開きます。項目が出ない場合は、OS更新、管理者制限、販売地域、通信事業者の対応を確認し、対応が確定するまで購入しないでください。

商品名だけで対応を判断せず、端末の型番とOS版まで動作確認一覧に合わせるのが、開通失敗を減らす近道です。
設定を見直しても改善しない場合は、サービス自体の見直しも選択肢になります。
デュアルSIMで主回線を通話、eSIMをデータに指定するには?
デュアルSIMでは「通話の既定回線」と「モバイルデータ通信の回線」を別々に指定します。主回線を音声通話・SMS・緊急通報に残し、データeSIMをインターネット用に選ぶのが基本です。アンテナが2本表示されただけでは、データ回線が切り替わったとは判断できません。
iPhoneで回線を分ける
- Wi-Fi接続中に「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」を開き、事業者のQRコードまたはアプリの案内で追加します。
- 「モバイル通信プランの名称」で、音声回線を「主回線」、データ専用回線を「データ」などに変更します。
- 「設定」→「モバイル通信」→「デフォルトの音声回線」で主回線を選びます。
- 同じ画面の「モバイルデータ通信」でデータeSIMを選びます。
- 意図しない主回線側の通信を避けるなら「モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオフにします。
- Wi-Fiを一時的に切り、Safariなどで少量の通信を行い、データeSIM側の利用量が増えるか確認します。
AppleのデュアルSIM公式ガイドでも、モバイルデータ通信とデフォルトの音声回線を個別に選びます。インターネット共有には、モバイルデータ通信用として選択した回線が使われます。
Google Pixelで回線を分ける
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「SIMを追加」→「eSIMを設定」で追加します。
- SIM一覧から音声主回線を開き、通話とSMSの設定を確認します。
- 「SIM」画面のモバイルデータ項目でデータeSIMを選びます。OS版によっては「モバイルデータ」「データ用SIM」などの名称です。
- 自動データ切り替えや「通話時のみデータ」が表示される場合は、主回線へ通信させる必要があるかを判断します。
- Wi-Fiをオフにして接続をテストし、通話とSMSは主回線から試します。
Galaxyでは「設定」→「接続」→「SIMマネージャー」→「優先SIM」、ほかのAndroidでは「SIMカードとモバイルネットワーク」など名称が異なります。設定内検索で「SIM」または「モバイルデータ」を探してください。

設定後は、通話・SMS・モバイルデータを別々にテストし、各機能が想定した回線を使うことを確認してください。

費用は月額だけでなく初期費用と契約期間を含めた総額で比べてください。
開通できない・通信できないときはどの順番で切り分ける?
開通時は安定したWi-Fiを使い、アクティベーションコードを別画面または印刷物に表示します。同じスマートフォンにだけQRコードを表示すると読み取れません。アプリ内インストールや手動入力に対応する場合は、販売元が示す方法を使います。
- 契約状態:申込完了、課金開始、残量、有効期間、対象国をマイページで確認します。
- 回線の有効化:iPhoneの「この回線をオンにする」、Androidの「このSIMを使用する」がオンか確認します。
- データ回線:「モバイルデータ通信」または「データ用SIM」で対象eSIMを選びます。
- ローミング:海外商品は販売元の指定に従って旅行用eSIM側だけ設定します。国内MVNOでは不要な場合があります。
- APN:指定されたAPN、ユーザー名、パスワード、認証方式を対象eSIMへ入力します。主回線のAPNを上書きしません。
- 再接続:機内モードのオン・オフ、端末再起動、ネットワークの自動選択を順に試します。
- テザリング:スマートフォン単体の通信が成功してから、インターネット共有をテストします。
eSIMプロファイルの削除は最後の手段です。QRコードが一度限りの商品では、削除後に再利用できません。IIJmioも、プロファイルを削除した場合や端末変更・初期化時には再発行が必要になると案内しています。削除前に事業者へ、再発行の可否、手数料、同じ端末へ戻せるかを問い合わせます。
選定を終える前に、月額型なら6カ月または12カ月の総額、短期型なら旅行全期間の総額を計算し、音声・SMS・緊急通報、容量、期間、チャージ、回線網、速度制御、テザリング、本人確認、端末対応を一行ずつ確認してください。料金と仕様はすべて2026年10月28日時点であり、申込直前にはリンク先の最新表示と重要事項を再確認する必要があります。
参照した公式情報
- IIJmio「ギガプランの月額料金」
- IIJmioモバイルサービス(ギガプラン)お申し込みの前に
- LinksMate「プラン・料金」
- LinksMate「データ通信のみでも本人確認書類が必要か」
- IIJmio「Japan Travel SIM」サービス概要
- Airalo「日本向けMoshi Moshi eSIM」
- Apple「iPhoneでデュアルSIMを使用する」
- Google「Google PixelでデュアルSIMを使用する方法」

つながらないときはプロファイルを消さず、契約状態、回線の有効化、データ指定、ローミング、APNの順に確認しましょう。
最後に、ここまでの条件を満たすサービスをもう一度確認しておきましょう。

