点滴の滴下数計算 IV Drip Rate Calculator
点滴の滴下数(滴下速度)を計算します。輸液量と指示された時間を入れると、1分あたり・10秒あたりの滴数、流量(mL/時)、終了予定時刻が出ます。どの数をどう計算したかを1段ずつ表示するので、出てきた数字をそのまま信じずに確かめられます。20滴/mLと60滴/mLの両方を常に併記するので、輸液セットの取り違えにも気づけます。
公称滴数(1mLに相当する滴数)は JIS T 3211-4:2019「滅菌済み輸液セット―第4部:自然落下式単回使用滅菌済み輸液セット」の 2A.1 で「輸液セットの被包又は容器に表示された1mLに相当する滴数」と定義され、6.8 で蒸留水 23℃±2℃・50滴/分±10滴/分 で流したときに 20滴または60滴が 1mL±0.1mL となることが求められています(対応国際規格 ISO 8536-4:2010 及び Amendment 1:2013)。
★「成人用」「小児用」という区分名は規格にはありません。規格が定めているのは公称滴数(20滴の仕様・60滴の仕様)だけで、成人用・一般用・小児用・微量用はいずれも現場やメーカーの呼び方です。必ずお手元のセットの表示をご確認ください。
滴下数の出しかた(式と計算の順番)
点滴の滴下数は、輸液量を「滴の数」に換算してから時間で割ります。
500mLを20滴/mLのセットで2時間かけて落とす場合は、次の順に計算します。
ベッドサイドでは1分間ずっと数えるのは大変なので、10秒間に何滴落ちるかで合わせるのが一般的です。10秒あたりの滴数は、1分あたりの滴数を6で割って出します。
流量(1時間あたりに入る量)は、滴数とは関係なく輸液量と時間だけで決まります。
公称滴数(20滴/mL と 60滴/mL)を取り違えない
輸液セットには「1mLが何滴にあたるか」が表示されています。これを公称滴数といいます。日本産業規格 JIS T 3211-4:2019「滅菌済み輸液セット―第4部:自然落下式単回使用滅菌済み輸液セット」の 2A.1 で「輸液セットの被包又は容器に表示された1mLに相当する滴数」と定義され、6.8 で、蒸留水を23℃±2℃・50滴/分±10滴/分で流したときに20滴または60滴が1mL±0.1mLになることが求められています。表示の義務は 9.2 h) にあります(対応国際規格 ISO 8536-4:2010 及び Amendment 1:2013)。
公称滴数を取り違えると、同じ指示でも滴下数が3倍変わります。500mLを2時間で落とす指示の場合は次のとおりです。
| 公称滴数 | 1分あたり | 10秒あたり | 流量 |
|---|---|---|---|
| 20滴/mL | 83.3 滴/分 | 13.9 滴/10秒 | 250 mL/時 |
| 60滴/mL | 250 滴/分 | 41.7 滴/10秒 |
流量(mL/時)は公称滴数が変わっても同じです。変わるのは「何滴落とすか」だけなので、滴下数の桁が思っていたものと違うときは、まず公称滴数を疑ってください。このツールは計算するたびに20滴/mLと60滴/mLの両方を並べて表示します。
輸液量と時間の早見表(20滴/mL)
公称滴数が20滴/mLのセットの場合です。太字が1分あたりの滴数、括弧内が10秒あたりの滴数です。
| 輸液量\時間 | 30分 | 1時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 6時間 | 8時間 | 12時間 | 24時間 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 100mL | 66.711.1 | 33.35.6 | 16.72.8 | 11.11.9 | 8.31.4 | 5.60.9 | 4.20.7 | 2.80.5 | 1.40.2 |
| 250mL | 166.727.8 | 83.313.9 | 41.76.9 | 27.84.6 | 20.83.5 | 13.92.3 | 10.41.7 | 6.91.2 | 3.50.6 |
| 500mL | 333.355.6 | 166.727.8 | 83.313.9 | 55.69.3 | 41.76.9 | 27.84.6 | 20.83.5 | 13.92.3 | 6.91.2 |
| 1,000mL | 666.7111.1 | 333.355.6 | 166.727.8 | 111.118.5 | 83.313.9 | 55.69.3 | 41.76.9 | 27.84.6 | 13.92.3 |
数値は「輸液量 × 20 ÷ 分」で計算しています。実際に合わせるときは整数に丸めるため、下の「整数に丸めるとどれだけずれるか」もあわせてご覧ください。
輸液量と時間の早見表(60滴/mL)
公称滴数が60滴/mLのセットの場合です。同じ指示でも、上の表の3倍の滴数になります。
| 輸液量\時間 | 30分 | 1時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 6時間 | 8時間 | 12時間 | 24時間 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 100mL | 20033.3 | 10016.7 | 508.3 | 33.35.6 | 254.2 | 16.72.8 | 12.52.1 | 8.31.4 | 4.20.7 |
| 250mL | 50083.3 | 25041.7 | 12520.8 | 83.313.9 | 62.510.4 | 41.76.9 | 31.35.2 | 20.83.5 | 10.41.7 |
| 500mL | 1,000166.7 | 50083.3 | 25041.7 | 166.727.8 | 12520.8 | 83.313.9 | 62.510.4 | 41.76.9 | 20.83.5 |
| 1,000mL | 2,000333.3 | 1,000166.7 | 50083.3 | 333.355.6 | 25041.7 | 166.727.8 | 12520.8 | 83.313.9 | 41.76.9 |
整数に丸めるとどれだけずれるか
計算で出た滴下数は、ほとんどの場合きりのいい数になりません。実際には整数で合わせるので、丸めたぶんだけ終わる時刻が変わります。500mLを20滴/mLで2時間かけて落とす指示(計算値 83.33 滴/分)の場合は次のとおりです。
| 合わせかた | 実際の1分あたり | 実際にかかる時間 | 指示との差 |
|---|---|---|---|
| 83 滴/分 に合わせる | 83 滴/分 | 2時間 | 約 29秒 |
| 14 滴/10秒 で数える | 84 滴/分 | 1時間59分 | 約 57秒 |
10秒で数えるほうがズレが大きくなります。10秒あたりで1滴違うと、1分あたりでは6滴の違いになるためです。長時間の点滴では、途中で滴下を数え直して合わせ直してください。
使い方
- 輸液セットの公称滴数を選ぶ
お手元のセットの袋や箱に書かれている「20滴 = 1mL」「60滴 = 1mL」のどちらかを選びます。それ以外の製品は「自由入力」で入れてください。 - 計算したいものを選ぶ
「滴下数を出す」が初期状態です。実際に数えた滴下数から残り時間を知りたいときは「所要時間を出す」、mL/時の指示を直すときは「流量から滴下数を出す」に切り替えます。 - 数値を入れる
入力するとその場で計算されます。計算ボタンはありません。総輸液量はボタンで50・100・250・500・1000mLをすぐ入れられます。 - 計算過程を確かめる
結果の下に、どの数をどう計算したかが1段ずつ出ます。途中の数値もすべて表示しているので、手元の電卓と突き合わせられます。 - 公称滴数の比較を見る
20滴/mLと60滴/mLの両方の答えが並びます。▶が付いているのが選んでいるほうです。手元のセットの表示と合っているか確かめてください。 - 開始時刻を入れる(任意)
入れると終了予定時刻が出ます。日付をまたぐときは「翌日」と表示されます。 - コピーする
「計算結果をコピー」で、結果と計算過程をまとめて写せます。項目と値はタブ区切りなので、表計算ソフトに貼ると2列になります。
よくある質問
点滴の滴下数はどうやって計算しますか?
「総輸液量(mL)× 公称滴数(滴/mL)÷ 所要時間(分)」で1分あたりの滴数が出ます。公称滴数は輸液セットに表示されている「1mLが何滴か」の値です。例えば500mLを20滴/mLのセットで2時間かけて落とすなら、500 × 20 = 10,000滴を120分で割って、1分あたり83.33滴になります。ベッドサイドで数える10秒あたりの滴数は、これを6で割った13.89滴です。
20滴/mLと60滴/mLはどちらを使えばいいですか?
どちらを使うかは、お手元の輸液セットの袋や箱に表示されている公称滴数で決まります。計算する人が選ぶものではありません。同じ指示でも、20滴/mLで計算した場合と60滴/mLで計算した場合では滴下数が3倍変わります。このツールは常に両方の答えを並べて表示するので、手元のセットの表示と見比べてください。なお「成人用」「小児用」という区分名はJIS T 3211-4には無く、規格が定めているのは公称滴数(20滴の仕様・60滴の仕様)だけです。メーカーによってはクランプの色で区別しているものもあります。
10秒間の滴下数はどう出しますか?
1分あたりの滴数を6で割ります。15秒で数えるなら4で割ります。1分あたり83.33滴なら、10秒あたりは13.89滴です。★先に1分あたりの滴数を整数に丸めてから6で割ってはいけません。二重に丸まって値がずれます。丸めるのは最後の1回だけにしてください。
滴下数を整数にすると終了時刻がずれますか?
ずれます。滴下数は整数で合わせるしかないので、丸めたぶんだけ実際の所要時間が変わります。1分あたり83.33滴を83滴/分に合わせると、実際にかかる時間は2時間で、指示より約29秒変わります。10秒で数えて14滴/10秒に合わせると1分あたり84滴になり、1時間59分で約57秒変わります。10秒で数えると1滴の違いが1分あたり6滴ぶんになるため、1分あたりで合わせるよりズレが大きくなります。このツールは丸めたあと実際に何分かかるかも表示します。
mL/時の指示を滴下数に直せますか?
できます。「流量から滴下数を出す」に切り替えて、mL/時の値を入れてください。流量を60で割って1分あたりの量にし、それに公称滴数を掛けると1分あたりの滴数になります。例えば250mL/時を20滴/mLのセットで落とすなら、250 ÷ 60 × 20 で1分あたり83.33滴です。
滴下数から残りの時間を知ることはできますか?
できます。「所要時間を出す」に切り替えて、残っている量と実際に数えた滴下数を入れてください。「総輸液量 × 公称滴数 ÷ 滴下数」で分数が出ます。開始時刻を入れると終了予定時刻も表示し、日付をまたぐ場合は「翌日」と出ます。
滴下数の計算に単位の取り違えはありませんか?
いちばん多いのは公称滴数(20滴/mLと60滴/mL)の取り違えで、次に多いのが「滴/分」と「滴/10秒」の取り違えです。このツールは1分あたりと10秒あたりを常に別の欄に分けて表示し、公称滴数は20滴/mLと60滴/mLの両方を並べます。さらに1分間に数えきれない速さや、10秒間に1滴も落ちない遅さになったときは注意を表示します。それでも最後は必ず指示書とセットの表示をご確認ください。
関連ツール
注意事項
- 公称滴数はお手元の輸液セットの表示が正本です。20滴/mLと60滴/mLで滴下数が3倍変わります。
- JIS T 3211-4:2019 の 6.8 が求めているのは、所定の試験条件(蒸留水・23℃±2℃・50滴/分±10滴/分)で「20滴または60滴の合計が1mL±0.1mL」になることです。1滴ずつの量を保証するものではありません(合計から割り戻した平均で±10%にあたります)。実際の滴下は輸液の粘度・落差・温度・クランプの状態でも変わるので、計算値は理論上の目安です。
- 終了予定時刻は、いまの滴下の速さがそのまま続くと仮定した見込みです。体位や刺入部の状態で滴下は変わります。途中で数え直し、指示書の内容とあわせて医療者がご確認ください。
- このツールは自然落下(点滴筒を見て合わせる方法)を前提にしています。輸液ポンプを使う場合は、ポンプの設定単位(多くはmL/時)に従ってください。
- 計算結果は小数で表示しますが、実際に合わせるときは整数になります。丸めたあと実際にかかる時間も表示していますので、あわせてご確認ください。
- 点滴の滴下数計算は、あくまでも目安としてご利用ください。
※このプログラムはPHP8.3.36にて作成、動作確認を行っております。
※ご利用下さっている皆様のご意見・ご要望(改善要望)をお寄せください。